時代に思う

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時代に思う:149

2017-04-05 13:55:13 | 随筆

時代に思う:149

まかり通る人口減少時代(超高齢化社会・少子化社会)

その7:2017年全国の土地公示価格

1.人口減少時代をしり目に土地価格が上昇基調に

 恒例の公示価格が発表されました。1月1日現在の土地の価格を表したものです。今年は、人口減少が始まってから10年目になります。その影響がある程度具体化し土地価格に影響されるかと思っていましたが、今回はその傾向はありませんでした。

総じていえば、土地価格は上昇基調にあるといえます。しかしながら、全国の下落地点は、いまだに1万352地点あり、全体の41.1%で約4割の地点が下落しています。

公示価格について、新聞の見出しは次のような記事が目を引きました。

◆住宅地は全体として9年ぶり下げ止まる

◎地価の下落から脱した要因はゼロ金利政策

低金利ローンで住宅取得が容易になったその分が、土地の価格を押し上げたといえます。首都圏では新築マンションの価格の頭打ちで、今後の土地価格がはたしてどれだけ上昇するか大きな疑問が残ります。更に、住宅金利の上昇も予想されますので、このままの上昇基調がどこまで続くか不安要素もあります。

◎地方圏住宅地の価格はまだまだ冬の時代

地方圏の下落地点が7764地点あり、全体の58.76%が存在します。今回上昇傾向が激しかった4都市圏(札幌・仙台・広島・福岡)を除けば地方の64.3%が下落傾向にあります。従って、全国的に見ますと住宅地の上昇傾向は手放しで喜ぶ数字とは言えません。

◆商業地はインバウンドと市街地再開発の後押しで上昇

 ◎外国人旅行者(インバウンド)による商業地の上昇

 昨年は2000万人の大台を大きく超えて2400万人のインバウンドがありました。この数字は将来的に4000万人の目標にアプローチできます。大阪のミナミを中心とした土地上昇は目を見張るものがあります。この傾向は大都市だけでなく、地方の都市にも影響があり、ホテルや店舗用地が大きく値上がりして商業地の上昇に弾みをつけました。景気の上昇雰囲気が地価を押し上げているともいえます。

 ◎市街地再開発の影響は周辺地区の地価上昇をもたらす

 3大都市圏だけでなく、全国的な規模での都市再開発が思わぬ近隣商業地の地価上昇を押し上げています。東京都内だけでも、いつ終わるともいえないほどの再開発計画が目白押しです。私の住んでいる四谷地区でも、建物建築が始まりました。四ツ谷駅前に31階建ての事務所棟を中心に高層マンションが数棟建ち地下から1・2階が商業ゾーンとなります。その影響があり、周辺地区の地価上昇が少なからず影響を受けています。

◎札幌・仙台・広島・福岡の上昇が3大都市圏を上回る

 3大都市圏に次ぐ地方中枢都市といえるこの4都市が大きな地価上昇を果たしました。住宅地・商業地ともに3大都市圏を上回る上昇率です。そのこと自体、景気が地価上昇を後押ししているといえます。

2.      今年の地価と人口減少時代(高齢化・少子化)のかかわり

◆首都圏の旧新興住宅街で土地下落が目立つ

 ◎神奈川県の三浦市や小田原市、千葉県の野田市や我孫子市などでは、地価下落が目立ちます。いずれも駅からのバス利用の旧新興住宅街で、環境や景観保持のために、最低敷地面積制限が土地の総額を高くして市場不適合を生じ、そのために土地価格の下落が生じています。これらの住宅地では、高齢化が進み土地下落に弾みがかかっているとのことです。

 ◎過って、ニュータウンで有名になった千葉県柏ニュータウンや三浦ニュータウンは全国の住宅地の下落率で1位・2位を占めています。これらは居住者の高齢化が進むと同時に、駅から遠い等で人口流出に歯止めがかからない状況で、市では頭を抱えています。このように、全国の住宅地下落率10傑の7地点が、首都圏にという不名誉な状態です。

◆コンパクトシティの動向

 急速な高齢化や少子化の波を受けて、全国の自治体は人口減少に頭を痛めています。

先月末の日経新聞によりますと、全国の300を超える自治体が街を集約し始めたとのことです。所謂、コンパクトシティの準備です。過去の自治体の失敗を教訓にして、計画的な街づくりや税制改革、助成金等の政策メニューを用意して、商業地区や居住地区の集約を始めるとのことです。

例えば、駅から1キロ以内、バス停から500メートル以内などの基準を設けての居住地区や商業施設を指定するなどの政策です。しかしながら、今回の公示地価にはそれらしき地点はまだ見当たりませんでした。強いて言うなら、新しい鉄道が出来てその駅周辺や、道路が新しく開通して新しい団地が形成されるなど、コンパクトシティを少しばかり感じさせる状況です。来年あたりからコンパクトシティとして、その様相を土地価格に反映させるようになると思います。

◆人口が減少しても土地価格は上昇するか?

2008年の人口分水嶺から始まり、その間に人口が100万人以上減少しています。今年3月で前年比19万人(総務省推計)その前年では27万人も人口が減少しています。そんな状況下での土地の価格が下がっても不思議でないと思われます。しかし、下がりませんでした。1億3000万人の中の100万人余りではびくともしません。それよりも景気の後押しで土地が値上がりし、ゼロ金利政策が更にそれを後押ししています。

住宅地は9年ぶりの下げ止まりと書きましたが、3大都市圏と札幌・仙台・広島・福岡の各市を除けば0.9%の下落が続いています。景気が持続しインバウンドの活況があったとしても、土地の値上がりがどうなるか大きな疑問が残ります。人口が減少してコンパクトシティのような人口密集地は値上がりします。しかし、もぬけの殻になった多くの土地は値下がりします。そのように国土の2極化は避けて通ることはできないでしょう。

(2017年4月5日)

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