Rの会~楽覚生~ 今ここの気づき

ゲシュタルト療法を用いて、自分自身を見つめ、今ここを丁寧に感じていくワークショップのお知らせです。

<盲導犬とコンサートで一緒になって>

2016-09-09 | 音楽

最近2回続けてコンサートで、盲導犬と一緒になりました。

犬の大好きな私としては、盲導犬がそこにいるだけで、気持ちがウキウキしてしまいます。

そして、盲導犬の飼い主である視覚障害の方を、身近に感じてしまいます。

独り合点なのはわかっているのですけれど(笑)

 

8月25日、ルーテル市ヶ谷での、林徹也ヴィオラ室内楽新シリーズ5のコンサート。

ピアノ;梯剛之、ヴァイオリン;ヴォルフガング・ダヴィット、

ヴィオラ;林徹也、チェロ;ギョルギー・ボグナー、コントラバス;石川浩之

ヘンデル、モーツアルト、べートーヴェンのそれぞれの重奏の後、

シューベルトのピアノ五重奏曲『鱒』がプログラムのメインでした。

自由席だったのですが満席で、当日電話で申し込んだ私はラッキー。

私がやっと座れた席は、前から2列目の右のほうでした。

何気なく左の方の客席を見ると、

飼い主の足元に静かに伏せているラブラドールがいたのです。

あんなに大きな体なのに、ひっそりと飼い主の足元の座席の下に収まって、

全く動かないので、よく見ないと気づきません。

この日のピアニストの梯剛之さんも視覚障害があります。

演奏終了後のサイン会の時、ラブちゃんの飼い主が梯さんのところへ行くのを見届けて、

心の中でラブちゃんにさようならを言いました。

実は、彼のピアノを以前に聴いて、いいなあと今回も足を運んだのでした。

今回の『鱒』も、ピアノだけでなく他の皆さんの演奏も素晴らしく、心から楽しめました。

 

2回目は、9月3日の第一生命ホールでのディオティマ弦楽四重奏団の演奏会。

地下鉄の勝どき駅の改札口を通る時、盲導犬を連れている方が、

大きな声で「こちらがトリトンホールに行く方の改札口ですよね?」

と駅員さんに聞いているのが耳に入りました。

私も一緒だと思い、エレベーターで地上に上がったところで、声をかけました。

「失礼かもしれませんが、私もトリトンホールに行くのでご一緒しませんか?」

その方は、明るく色々お話されて、トリトンホールには年に15回も来ているとのことで、

「私の方が連れて行っていただくことになりますね」と二人で笑ってしまいました。

その盲導犬はヴィジョンちゃんという名前で、飼い主と一緒にずんずん歩いていきます。

あまりに早いので、実際私の方が小走りについていくことになりました。

この時は会場に、ヴィジョンちゃんも含めて3頭の盲導犬がいました。

会場ではみなおとなしくて、きちんと飼い主の足元に臥せっています。

ディオティマ弦楽四重奏団の演奏は初めてですので、

どのような演奏なのかとても楽しみでした。

同じメンバーで結成20年、現代曲が得意というだけあって、

1曲目のベートーヴェンは、息のあった鋭い感じの演奏を聴かせてくれました。

2曲目のブーレーズ作曲の「弦楽四重奏のための書」という曲は、

メロディーがなく、音のやりとりを重ねていくものです。

私も聞くのが難しいなあと思いましたが、

ワンちゃん達にとってはどうなのかが気になりました。

帰りも偶然ヴィジョンちゃんと一緒になりましたので、早速その疑問をぶつけてみました。

やはり犬も、現代曲は好きではないようで、

今回ではなくて別の時に、他の犬がおもわず立ち上がってしまったのを

知っているとのことでした。と言っても訓練された盲導犬のこと、

声を出すようなことはなかったようですが、

大変なんだなあと思い、ヴィジョンちゃんに思わず、

「えらかったねえ」と声をかけてしまいました。

行きも帰りも一緒に歩いてくれて、ヴィジョンちゃんとその飼い主の方、

ありがとうございました。

そのあと一人になっても心のぬくもりが残って、演奏を聴いた興奮も加わって、

とても喜ばしく素敵な気持ちになりました。

またどこかのコンサートでヴィジョンちゃんや他の盲導犬に会えたらいいな。

障害を持っている方達がこのようにコンサートに気軽に来てくれて、

一緒にいる空間を楽しめることがもっと日常的になりますようにと願ってしまいました。

里英子

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