アーバンライフの愉しみ

北海道札幌近郊の暮らしの様子をお伝えしています。

ドストエフスキー著・安岡治子訳「貧しき人々」

2017年06月22日 | 名作読破PRJ

世界の名作に挑戦するシリーズ。
今回は、ドストエフスキーの処女作「貧しき人々」を読みました。文庫版:334頁の中編。

物語は、19世紀中頃のロシア・ペテルブルグに暮らす中年の独身下級官吏と若くして両親を亡くしたティーンエイジの薄幸の娘との往復書簡により進行します。

書簡形式と言えば、夏目漱石の「こころ」を思い浮かべますが、主人公(たち)の日々の暮らしや、彼(彼女)らを取り巻く人々を(書簡を通して)間接的に認識する必要があり、読者はその行間をどう読むかという難しさがあります。

しかし、この物語の主人公たちは、それぞれ手紙を通して理解し、尊敬し、助け合い、そして高めあって行きます。

そこには、作家デビューを夢見る若き(23歳の)ドストエフスキーの溌剌とした息吹を感じることができます。


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