ペーパードリーム

夢見る頃はとうに過ぎ去り、幸せの記憶だけが掌に残る。
見果てぬ夢を追ってどこまで彷徨えるだろう。

蝙蝠尽くしで平成中村座へ

2012-05-25 11:32:28 | きものがたり
120521.mon.

平成中村座の試演会へ。

一、本朝廿四香(ほんちょうにじゅうしこう)
二、毛抜
三、たぬき会 供奴
四、ご挨拶

若手の役者が大役を務めて、日頃の精進の成果を披露してくれる会。
皆さん、師匠の教え通りに素晴らしい舞台でした。
橋吾さんの粂寺弾正なんか、ほんと立派でほれぼれ・・・。
たぬき会では、勘三郎丈や梅玉丈、橋之助丈ら名だたる俳優陣が
日頃稽古している長唄や鳴り物を披露。
その後の挨拶も、聞き応えがありました。
萬次郎丈の台詞に、なるほど、と心打たれました。
「隅田川は芝居心のある川。
 南北に流れるので東西に月が見られますが、
 パリのセーヌ川は東西に流れるからそうした情緒がないんです」
芝居小屋を取り囲む自然環境からして、
こうした芸能を応援しているのですねえ。

さて、本日のお着物。
なんと3月6日以来でした。
 

何年かぶりに引っ張り出してきた、蝙蝠尽くしの鉄板コーデ。
くどいけど、ま、いいでしょ?

海松色(みるいろ)の柿渋染めの紬縮緬。
渦巻きと円状の鹿の子絞りの飛び柄。
(半襟は渦巻きのふくら織り地)
背には、大宮華紋さん作「月に蝙蝠」の女紋。

帯は、野蚕の紬地に、
トカゲの皮で三日月と蝙蝠のパッチワークを施した京袋帯。
お太鼓の「月」はトカゲの腹、「蝙蝠」はトカゲの背の皮だそう。
確かに皮の模様が違うのです。
爬虫類がダメな人は駄目でしょうねえ。(笑)

シルバーの帯留は、背の紋に合わせて
大宮華紋さんのご子息J君に作ってもらった
「前向き(!)月に蝙蝠」。

草履の鼻緒もまた、蝙蝠の刺繍入り。
これはなか志まやさんのお店で。

  

  

私にとって特別な意味がある「月」と
中国では幸福の象徴といわれる「蝙蝠」で、
和風バットウーマンの出来上がりです。(笑)

ちょっと、この日の金環日食の形ににていませんか?
そして、誘ってくれた京都の着物スタイリスト・宇ゐさんに
ぜひ見せたい!というわけでこのいでたちになりました。