じ ( 痔 ) ぬしさんへ
痔( じ )とは肛門部の病変の総称です。
痔核(イボ痔)、裂肛(切れ痔)、痔ろうが三大疾病です。
これらの病気を持っている人（俗にじぬし）の正確な頻度は不明ですが、
あるアンケート調査によれば成人の４人中３人が痔主（じぬし）と言われています。
このうち、医者に実際に相談したのは３割にも達しません。
三大病変のうちいぼ痔が半数以上をしめています。
ここではそのいぼ痔について解説しましょう。
いぼ痔
イボ痔とは肛門部の血管（静脈が密に存在）に、
何らかの原因で血液が欝帯してできたイボです。
欝帯の原因は排便時のイキミや立ちっぱなしの姿勢、
妊娠・出産時の血行障害などです。
まず、この病気には二つのタイプがあることを理解しましょう。
症状、治療、予後などに大きな違いがあるからです。
内痔核と外痔核
肛門括約筋（肛門に指を入れるとしまりを感じる）の
奥にいぼができるタイプで自覚の８割はこのタイプ。
初期段階では痛みがなく、排便時に出血するのが特徴です。
初体験時はその血の赤さ（血管の構造上酸素が豊富だから）
に驚きます。ぬるっと音がして出ることもありますよ！
多くは少量の出血量ですが、輸血が必要なぐらい出ることもあります。
（脱出の程度で病気を四段階に分けます。）
繰り返して起こるうちにイボがだんだん肛門のそとに脱出し、
目（鏡）で見えるようになります。
この脱出も始めのうちは自然に（二期）
あるいは手で押し込んでおさまります（三期）が、
ついには出っ放しになります（四期）。
こんな状態まで放置するとさらに血流が乏しくなり炎症をおこし、
肛門部がドーナツを被せた様になります。
とても痛いし、治療に難儀します。
こうなる前に医師に相談しましょうね！
ゴルフのスウィング時の瞬間的ないきみなどで
肛門皮下の血管が切れて血の塊（血栓という）
ができたものです。
大変な痛みを伴うことと、イボを手で触れるのが特徴です。
‐鏡をあてると青っぽいいぼがみえますよ！
いぼを切開して血栓をだしてやると短時間で痛みが治まります。
（全員にやるわけではありません）。
いずれのいぼ痔にも生活療法、薬、物理療法、そして手術治療があります。
生活療法は上に挙げた原因を回避する努力です。
薬は座薬が良く効くので大部分はこれで楽になります。
テレビでも女性を意識したコマーシャルが放映されています。
手術は最後の手段（三期が推奨）ですが、結札切除方が標準です。
特殊な手術法もインターネットで検索できます。
どんな手術にせよ有効性（いぼがなくなる、再発しない）と
手術後の合併症（いたみ、再出血など）
についてしっかり説明を受けてください。
