遊人ブログ

アルゼンチンタンゴのブログ

ミロンガでの遊び方 (誘う・誘われる)

2010-06-22 | タンゴ
どうも、「日本ミロンガ向上委員会会長」のユージンです。
(そんなものはありませんが^^)
今回はミロンガでタンゴを楽しむ為にとても重要なポイント、「誘う、誘われる」ということがテーマ。
よく、女性の方から「はじめて行ったミロンガで全然踊ってもらえなかった。」という話を耳にするが、それは当然だと思ってもらいたい。タンゴは人と人とのコミュニケーションが先に立つ踊りである為、誘う側の男性目線で言えば、多くの場合、まずは知り合いの女性に声をかけて踊る事が優先される。男性も上手になればなるほど質のよい踊りを求めるため、以前踊った事があり、普通に会話もでき、踊りの感触が確実な人を選ぶのです。じゃあ、どうすりゃいいのよ?って事になりますが、少しずつでも知り合いを増やす事が大切で、誘われた男性とただ踊るだけでなく、簡単な会話などのコミュニケーションをとるようにします。それを毎回続ける事によってどんどん知り合いも増え、多くの男性と踊る事ができるのです。当然、女性としての魅力やタンゴの技術が高ければ高いほど良いというのはいうまでもありませんが。もちろん、男性が全く知らない女性に声をかける場合も当然あります。しかし男性は「断られるかも。。」というリスクも想定している為、女性は座っている時の雰囲気がすごく大事です。つまらなそうな顔をしているより、楽しそうな顔をしているほうが誘いやすいのは明らかです。それを逆に利用して、踊りたくない男性が近寄ってきたらブスッとして黒~いオーラを放ち、踊りたい男性が来た時はにっこり笑って明るいオーラを放つというのもテクニックです(笑)。
 それと、これも大切なポイント。男性は誘う側ではあるが、完全な下からの目線でなくてはならないということ。
常に「踊ってもらっていいですか?」という姿勢が正しく、「おい、踊ってやるよ。」のような横柄な態度は言語道断。たとえ断られたとしても、「なんで!?」としつこくいつまでも深追いをしてはいけません。踊ったばかりで疲れている場合もあるし、何か飲みたいのかもしれません。女性は男性と違い、「どーしたって生理的にイヤ」という場合もあることを忘れてはならない。タンゴを踊るという事は、普段の生活では考えられないほど近い距離で女性に密着できるという事でもあるので、男性はレディーファーストの精神、そして少しでも女性から嫌悪感を抱かれないようにカジュアルであっても清潔感のある服装や紳士な態度を心がけなければならないのです。

 今、私が語っているのは現時点での日本のミロンガで潤滑に遊ぶ為のヒントですが、本当の理想は、声をかけて誘うのではなく、視線や小さなジェスチャーで誘う「カベセオ」というのが望ましい。これもまたよくできたシステムなので説明しよう。カベセオというシステムの大きな利点は遠隔操作にほかならない。これはよく考えると男性が恥をかかずに済むのです。というのも、わざわざ目の前まで行って、「お願いします。」と声をかけたが、踊ったばかりで休みたかった女性に「ごめんなさい。」と直接言われたら、ハートの弱い男性はトラウマになり、横柄な男性は恥をかいたと若干キレるし、往生際の悪い男性は「そこをなんとか」と粘る。。カベセオはこの面倒なやり取りを回避できる上に、一瞬で踊るか踊らないかの契約が成立するのです。カベセオを超わかりやすく説明すると、踊る相手を探す男性はウロウロ歩いてキョロキョロする→その、ウロウロキョロキョロしている男性と踊りたい女性は視線を合わせるようにする→男性は視線の合った女性と踊ろうと思った場合、視線を合わせたまま、なんらかのジェスチャー。たとえば、スマートな例としては手のひらを上に向け、指先は相手の方へ向ける。「どうぞ、こちらへ。」的な雰囲気が完成します。逆に女性にも選択権が発生します。まず、ウロウロキョロキョロが踊りたくもない男性であった場合、視線を合わせなきゃいいし、もし間違って視線が合ってしまい男性がカベセオしてしまっている場合、現地のニュアンスで断ってしまうと、日本人男性にはキツすぎて立ち直れないと思うので、手を合わせ、口パクで(ごめんなさい)でオーケーなんじゃないでしょうか。まあ、いずれはそんな質の高いミロンガを作っていきたと思っておりますので、気がついた方からご協力をお願いしたいと思いまして候。

「誘う・誘われる」の基本

1、絶対に女性からは誘わない。女のプライドを崩してはいけません。
    
「ワタシ、もう帰らなきゃいけないので1曲踊ってください。」なんていうのは意味が分からないのでNG。

2、タンダが4曲の場合は同じ相手と最長で4曲。コルティーナがかかったら気持ちよくセパレートする事を計算し、今、何曲目だかということを把握した上で女性を誘う。

コルティーナをまたいで「いいじゃん、いいじゃん、もうちょっと、もうちょっと」は基本的にはNG。あまりしつこく女性を拘束すると後に女性同士のネットワークにより「あの人、ちょーしつこくない!?マジウザいんですけど~。」みたいな事になるので注意が必要。
しかし、ペアで楽しみに来ている方は別。何曲でも心行くまで踊って問題なし。でも、コルティーナでは一度フロアを空けるのがベスト。
 
3、ペアで来ている女性を誘う場合は、まず男性にことわりを入れるのが常識。

4、踊る踊らないの決定権は女性にあるという事。断られたからと言って逆恨みしてはならない。
   
   明らかにふてくされた態度や、デスノートに名前を書くのも当然NG。

5、自動的に誘って踊ってくれるリボンちゃんに期待しない。

本当に質のいいミロンガにはリボンちゃんは存在しない。ウチのミロンガにもスタッフはおりますが、「踊りたい人と踊ればいい。」というスタンス。それがタンゴです。

6、完全なレディファーストが絶対条件。

誘う時は丁寧に、紳士的に心がける。亭主関白主義、男尊女卑の気がある人はタンゴを即やめてください。




このようなミロンガの仕組みは当然現地では完全に出来上がっておりますが、タンゴ自体、我々日本人には完全な異文化の中で発展してきた踊りである上、日本での歴史もまだまだ浅い。その為、明らかに未発達な部分も多いのは否めない部分ではあります。しかし近年、ようやく日本でミロンガの骨組みが見えてきたというのも事実です。私共をはじめ、多くの方々がアルゼンチンへ渡り、タンゴの踊り方だけでなく、タンゴの本当の遊び方を学び、伝え続けている成果だと思っております。まだまだ書き足りない部分も多くありますが、エライ長文になってしまったのでこの辺で^^。
より多くの方が素敵なミロンガの遊び方を理解していただけると、タンゴは今よりももっと、粋な大人の遊びとして昇華しますのでみんなでコツコツやっていきましょう。

ご清聴、ありがとうございました。m(。。)m

コメント (4)    この記事についてブログを書く
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2010-06-23 00:06:46
素晴らしいと思います
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マナー (nobnob)
2010-06-23 15:53:22
基本的には理解している積りでも案外抜けていたりするのがマナーだと感じています。
懇切丁寧なミロンガでのマナー解説に大拍手です!
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Unknown (sumire)
2010-06-24 00:46:50
勉強になります!!


しかし、始めた頃の私は
「1」をやぶってしまったのでした。。痛いおもひで。。


魅力、、追求せねば。。
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Unknown (Lily)
2010-06-24 18:20:07
素晴らしい!
このようなマナーがしっかりしているミロンガばかりだと
楽しさ倍増ですね。
とても勉強になります。
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