埼玉の方には「ステーキのどん」という、ハンバーグとステーキの店がいくつかチェーン店としてあります。
(関東にいくつか店舗があるようですね。)
その店ではハンバーグやステーキに、ドリンクやスープ等をセットにして注文をすることが出来るのです。
また、セットメニューを選択すると、副食としてライス、もしくはパンを選ぶことができ、
ライスに関してはおかわりが自由、という仕組みがあることを伝えておきましょう。
今日は腹を空かせたある二人の男が「ステーキのどん」に入った話です。
片方は僕のことです。eu-gdです。
さて、友人と共に店内に入り、喫煙席に座った僕らは、
急いでメニューを開いて食べたい主食を選び始めるなんていう野暮なことはせず、
友人は水を飲んで一息つき、
僕は落ち着き払って煙草に火を点け、
悠然と煙草を吸い始めました。
すみません。冒頭から嘘をつきました。
煙草なんか後回しにして、友人と僕は鬼の形相で注文品を選んでいました。
しかも腹が異常に減っていたので、注文の品を選ぶにもそれほど時間はかかりませんでしたw
僕「・・・(友人に向かって)決まった?あぁ、決まったか。ん?僕?勿論決まったよ。腹減ったし、早速注文しよう。」
ピンポーン(呼び鈴を押した。)
店員「・・・お待たせいたしました。ご注文をどうぞ。」
友人「~グリルをセットでお願いします。」
店員「ライスかパンがお選びいただけますが。」
友人「(腹減ったから)ライスを。」
そうだよな。パンは注文しちゃいけないよな。
腹が減ったんだし、おかわり自由のライスの方がいいよな。
パンじゃいけないな。
僕「(パンじゃいけないな)あと、~ステーキをセットでお願いします。」
パンじゃいけないな。
店員「こちらもライスかパンがお選びいただけますが。」
パンじゃいけないな。
パンなんか俺は食べんぞ!
あんな穀物に菌をブチ込んだパンなんてもの、俺は認めない!食べない!
僕「(メニューのライスの写真を指差しながら)○○○を。」
パンじゃいけないんだよ!!!(心の叫び)
僕「あ、以上で。」
店員「承知いたしました。少々お待ちください。」
・・・・・・・・・・・・
ようやく煙草を吸い始める僕。
・・・・・
友人「・・なぁ。」
僕「ん?」
友人「よく聞いてなかったんだが、お前、パンを注文しなかったか?」
僕「へ?僕はパンじゃおかわり出来ないからって、ちゃんとライスの写真まで指しながら注文したぜ。」
友人「うーん、そうか。じゃあ聞き間違いかなぁ。」
僕「そりゃそうだろ。自分の腹の虫の音が聞こえるくらいに胃の中は空なんだから。」
・・・・・
コツコツ(料理を持って近づく店員の靴の音)
僕「お、料理が来たみたいだぜ。見てな。ライスを超スピードで平らげてやるぜ。」
店員「・・・お待たせいたしました~。パンをご注文のお客様」
僕「(俯き苦笑し手を挙げて)・・・ハイ。」
・・・笑う友人の前で、僕は泣いた。
ライスを平らげておかわりを頼んだ友人が、
おかわりしたライスを僕の目の前にそっと置いたとき、
僕は再び泣いた。
いや、しかしそれ以上に、
友人は腹を抱えて笑っていた。
コイツ、ブン殴ってや・・・・
あー嘘です嘘です。美味しくいただきます。
日本人であることの喜びを、
そして平和に食事が出来ることへの有り難みを噛み締めながらいただきますとも。
・・・食事を終え、その友人と別れた後に、そいつからこんなメールが届きました。
「パンとライスどちらになさいますか?」
ぐっ、こいつ!
「あ、パンを。」・・・と。
追記:本来おかず-この場合ステーキやハンバーグ-を副食と呼び、
主食はライスやパンを指すそうです。
ですが、今回の場合はライスがおかずだったので、
本文に間違いはありません(キッパリ