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ヒトラー ~最期の12日間~

2006-11-27 10:12:04 |  映画(ハ~ヒ.)
 この映画を観ている途中で二つの映画を連想する一瞬があった。
 自分自身は側近に囲まれて安全で豪華な穴蔵に隠れて居る。小心な独裁者が好む手段だ。そういう鬼のような人間に限って敵弾雨霰の地表で武器無き戦いを強いられる市民を虫けら同然に扱う。

 こんなヒトラーを見た時『ベルリン陥落(1949年)』というソ連映画が先ず浮かんだ。1953年1月20日の鑑賞メモには「自国市民を犠牲にしてまで自分を護ろうとしたヒットラー。地下道に水を入れたため、溺れる市民の悲劇が胸を刺す」とある。このショットは今も脳裏にくっきりと残る。

 だがこれはナチス・ドイツに侵略されたソ連側から画いた映画だった。スターリン賛歌溢れる国威昂揚映画だったから当然のことと云えよう。もう1本は『プライド-運命の瞬間(1998年)』という日本映画である。此の作品は「現在の平和は太平洋戦争という悲惨な歴史の上に成り立つ」とは感じたがニュアンスは全然異なる。

 『ヒトラー最期の12日間』を偉いと思うのは、ドイツ自身の反省と反戦の祈りが籠もっていることにある。映画と同名の原作者ヨアヒム・フェストと共に、この映画の原作「私はヒトラーの秘書だった」を著したトラウドゥル・ユンゲ生前の言葉が総てを表現していはしまいか。「知らなかっただけでは済まされない。目を見開けば分かった筈だ」が、、。

 「こんな名誉より銃殺の方がましだ」と呟く十字勲章をぶら下げた部下。裏切りに走る部下。ヒトラーに土下座し哀願するヒムラー夫人。悠々と我が子を殺し運命に殉ずるゲッペルス夫人。結婚式の翌日ヒトラーと運命を共にするエヴァ夫人。その考え方や行動は違えど、同じ時代に同じ民族として生まれ合わせた様々な人間模様を見事に浮かび上がらせた映画でもある。

 ヒトラーを演じたブルーノ・ガンツ以下、多くの出演者の熱演は戦争映画の秀作を創り上げた。

 2004年製作2005年公開.独/伊映画[監督]オリヴァー・ヒルシュビーゲル[撮影]ライナー・クラウスマン[音楽]ステファン・ツァハリアス[主な出演]ブルーノ・ガンツ。アレクサンドラ・マリア・ラーラ。ユリアーネ・ケーラー。[原題]Der Untergang Downfall [上映時間]2時間35分[自己採点]★★★★★   
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4 コメント

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初めましてm(_ _)m (raku)
2007-03-31 00:58:05
お邪魔します
ヒトラーの記事 読ませていただきました。
歴史上の偉人の映画はいろいろありますが
ドイツが作った「ヒトラー」というところに興味があり
DVDで見ました。
敗戦国でありながら、日本はいまだに靖国問題や賠償金をむしりとられそうな現状に
国のあり方を思うところです。
またゆっくりお邪魔させていただきますね。
よかったらTBさせていただけますか
rakuさん、はじめまして。 (アスカパパ)
2007-04-02 16:17:46
私の記事をお読み頂き、ありがとうございました。
ドイツ人の女性監督、レニ・リーフェンシュタールが撮った「民族の祭典」では、ヒトラーをある程度賛歌していた節が伺われます。
それとは全く対照的なヒトラー感で、重厚な映画だったと思います。
こんばんは (ボー)
2009-02-16 00:59:15
なるほど、穴倉に居れば自分の身は安全ですしね。小心で身勝手さがありますよね。
じっくり作られた、見応えある映画だと思います。
ボーさんへ (アスカパパ)
2009-02-16 15:09:51
コメントおよびトラックバックありがとうございます。
私は、あの地下に隠れているヒトラーを見ていて、フセインや、オーム教アサハラや、NY同時多発テロ首領ビン・ラディンらの姿も浮かびました。独裁者や卑怯者共通の行動ってあるように思います。

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「ヒトラー ~最期の12日間~」 (或る日の出来事)
ヒトラーの最後の日々を、彼自身と周囲の人間を丁寧に描いてみせた秀作だとは思う。