久しぶりに田舎に帰って来た。
かれこれ1年以上帰省していなかったせいか物凄く懐かしく感じる。
「ただいま」
家についてそれだけ言って玄関横の階段を登り右手にあるかつて自分の部屋であった物置同然の部屋へ入った。
家にいても特にすることもなく、暇だな。と感じた俺は運動のしやすいTシャツと短パンに着替え部屋を出て玄関に向かった。
そして今は中学、高校時代にほぼ毎日走っていた近くの河原沿いの細い砂利道を走っていた。
まだ、昼を少し過ぎたあたりで太陽はギラギラに輝いている。
俺は走りながらゆっくりと周りの景色を、いや町並みを観察していた。
帰省するたびにうすうすとは思ってはいたが3年間でこれほどにも変わるものなのかと。
俺がこっちにいたころには無かったコンビニをもう4件も見つけた。
空き地や古く誰も住んでいないような家が無くなり多種多様な建物が建ってる。
そんなことを考えながら数十分くらい走り家の近くまで帰って来た。そこで立ち止まった。
そこはかつて俺が晩飯の後良く行っていた天体観測のポイントだった。
「昼寝でもするかな」
ツイてることにそこは当時のままだった。
俺は砂利道を外れて土手に下りて横になった。大の字に。
「やっぱここは落ち着くなぁ」
親父臭い俺の台詞。
けれど今の俺にぴったりの台詞だった。
厳しい訓練、そして選抜試験へ向けての特別トレーニング。
今、俺は目標の入り口に手をかけていた。
心に余裕の無く切羽詰った状態。それを少しでも和らげられれば、と思い少ない休みだが帰省してきた。
とりあえずは帰省してよかったかな。
それが今の心境だ。やっぱここは落ち着く。
目を閉じて深く深呼吸をした。
その時だった。頭に何か硬いものが当たった。物凄く痛い。
どこのガキだ!
と思ってそれが飛んできた方をむいた。
目に入ったのはガキではなかった。
「お、・・・おう。」
怒りなど忘れた。あまりの懐かしさに。
俺に石を投げた張本人は何も言わず顔に笑みを浮かべたまま走ってきて横に大の字に横になった。
彼女は小学校に上がる前からの幼なじみで家も近所にすんでいる。
「きつくなって逃げてきたの?」
からかう様に彼女が聞いてきた。
逃げる。というのは自衛隊の事だろう。俺は大学を卒業してから航空自衛隊に入って今は横須賀で勤務している。そして来月から始まるNASAの宇宙飛行士の宇宙船操縦士選抜試験に航空自衛隊でトップの成績を出して日本の代表として参加することを彼女に告げた。
「お前は今何やってんの?」
最後に今度は俺が問いかけた。
彼女は今地元で英会話教室の講師をやっているらしい。なんと通訳の資格を持っているそうだ。
そして、1年ほど前に彼氏に振られ今はフリーらしい。
そんなことを笑顔で俺に話してくれた。
「俺彼女なんてずっといないぞ」
「じゃぁうちがなってあげようか?」
そんな冗談や世間話などをして1時間ほどを過ごした。
彼女と過ごす時間はなぜか昔から短く感じる。
それだけ話に夢中になっているのか。
もともと無口の俺が良くしゃべる時といえば酔ったときか彼女と話すときくらいだと思う。
そんなこんなで連絡先を交換して「そろそろいくね」。
彼女がそう言って立ったそのとき彼女は25にして少し短めのスカートをはいていた。
中が見えたのは言う前も無い。
「家かえるなら送ってくけど」
焦った気持ちを紛らわすために何か言わねばと思い言ってみた。
彼女は上半身だけを振り向かしてにっこり笑って言う。
「じゃぁお願いしちゃおっかな」
送るといっても歩きなのだが・・・。
そしてまた色々な世間話をしながらあっという間に彼女の家についた。
そこで俺は3日後に横須賀にもどる事告げて、最後に「じゃあな」。
「ちょっとぉ!」
まだ数メートルしか歩いていない俺は何かと思い振り向いた。」
「今度帰ってくるときはお土産にスカジャンお願いね!」
彼女はそれだけ言って家に入った。
次の日の晩。
夕飯をとり終わった俺は部屋で寝転んで雑誌を見ていた。
その時家の電話が鳴った。
誰も取る気配が無いので1階に下りて受話器をとった。
「あ!ちょっと今月がすごく綺麗に見えるからいつもの河原に来てよ!待ってるからね!」
電話の相手は昨日会った幼なじみだった。
あまりにいきなりでしかもすぐにきられたため行くしかないかと。
確かに月は良く見えた。
とても綺麗だ。
今、二人で静かな時間を過ごしている。
こらえ切れず俺は心で押し殺していた感情を言葉にして彼女に告げた。
彼女の事を幼いころから好いていた事を。
動揺する彼女。
「え、でも・・・アメリカ・・行っちゃうんでしょ・・・」
「勝手かも知れないけど、宇宙飛行士になったら。迎えに来る。それまで・・・待っていてくれないか。」
「あのね・・・その・・・うちもあんたの事・・・」
俺達は約束を交わした。
いつになるかはわからない。
俺が宇宙飛行士として一人前になる。
それまで待ってもらうと。
俺は目標をあきらめない。やっと手の届くところまで来た。
俺のために、彼女のために。
そして2年が過ぎ俺は宇宙船操縦士選抜試験に合格後、養成訓練に参加しやっと目標であった宇宙飛行士になった。そして初飛行当日。
3週間で地球に帰る予定だ。
帰ったら式を挙げよう。
見送りに来てくれた彼女にそう告げて俺は宇宙船に乗り込んだ。
かれこれ1年以上帰省していなかったせいか物凄く懐かしく感じる。
「ただいま」
家についてそれだけ言って玄関横の階段を登り右手にあるかつて自分の部屋であった物置同然の部屋へ入った。
家にいても特にすることもなく、暇だな。と感じた俺は運動のしやすいTシャツと短パンに着替え部屋を出て玄関に向かった。
そして今は中学、高校時代にほぼ毎日走っていた近くの河原沿いの細い砂利道を走っていた。
まだ、昼を少し過ぎたあたりで太陽はギラギラに輝いている。
俺は走りながらゆっくりと周りの景色を、いや町並みを観察していた。
帰省するたびにうすうすとは思ってはいたが3年間でこれほどにも変わるものなのかと。
俺がこっちにいたころには無かったコンビニをもう4件も見つけた。
空き地や古く誰も住んでいないような家が無くなり多種多様な建物が建ってる。
そんなことを考えながら数十分くらい走り家の近くまで帰って来た。そこで立ち止まった。
そこはかつて俺が晩飯の後良く行っていた天体観測のポイントだった。
「昼寝でもするかな」
ツイてることにそこは当時のままだった。
俺は砂利道を外れて土手に下りて横になった。大の字に。
「やっぱここは落ち着くなぁ」
親父臭い俺の台詞。
けれど今の俺にぴったりの台詞だった。
厳しい訓練、そして選抜試験へ向けての特別トレーニング。
今、俺は目標の入り口に手をかけていた。
心に余裕の無く切羽詰った状態。それを少しでも和らげられれば、と思い少ない休みだが帰省してきた。
とりあえずは帰省してよかったかな。
それが今の心境だ。やっぱここは落ち着く。
目を閉じて深く深呼吸をした。
その時だった。頭に何か硬いものが当たった。物凄く痛い。
どこのガキだ!
と思ってそれが飛んできた方をむいた。
目に入ったのはガキではなかった。
「お、・・・おう。」
怒りなど忘れた。あまりの懐かしさに。
俺に石を投げた張本人は何も言わず顔に笑みを浮かべたまま走ってきて横に大の字に横になった。
彼女は小学校に上がる前からの幼なじみで家も近所にすんでいる。
「きつくなって逃げてきたの?」
からかう様に彼女が聞いてきた。
逃げる。というのは自衛隊の事だろう。俺は大学を卒業してから航空自衛隊に入って今は横須賀で勤務している。そして来月から始まるNASAの宇宙飛行士の宇宙船操縦士選抜試験に航空自衛隊でトップの成績を出して日本の代表として参加することを彼女に告げた。
「お前は今何やってんの?」
最後に今度は俺が問いかけた。
彼女は今地元で英会話教室の講師をやっているらしい。なんと通訳の資格を持っているそうだ。
そして、1年ほど前に彼氏に振られ今はフリーらしい。
そんなことを笑顔で俺に話してくれた。
「俺彼女なんてずっといないぞ」
「じゃぁうちがなってあげようか?」
そんな冗談や世間話などをして1時間ほどを過ごした。
彼女と過ごす時間はなぜか昔から短く感じる。
それだけ話に夢中になっているのか。
もともと無口の俺が良くしゃべる時といえば酔ったときか彼女と話すときくらいだと思う。
そんなこんなで連絡先を交換して「そろそろいくね」。
彼女がそう言って立ったそのとき彼女は25にして少し短めのスカートをはいていた。
中が見えたのは言う前も無い。
「家かえるなら送ってくけど」
焦った気持ちを紛らわすために何か言わねばと思い言ってみた。
彼女は上半身だけを振り向かしてにっこり笑って言う。
「じゃぁお願いしちゃおっかな」
送るといっても歩きなのだが・・・。
そしてまた色々な世間話をしながらあっという間に彼女の家についた。
そこで俺は3日後に横須賀にもどる事告げて、最後に「じゃあな」。
「ちょっとぉ!」
まだ数メートルしか歩いていない俺は何かと思い振り向いた。」
「今度帰ってくるときはお土産にスカジャンお願いね!」
彼女はそれだけ言って家に入った。
次の日の晩。
夕飯をとり終わった俺は部屋で寝転んで雑誌を見ていた。
その時家の電話が鳴った。
誰も取る気配が無いので1階に下りて受話器をとった。
「あ!ちょっと今月がすごく綺麗に見えるからいつもの河原に来てよ!待ってるからね!」
電話の相手は昨日会った幼なじみだった。
あまりにいきなりでしかもすぐにきられたため行くしかないかと。
確かに月は良く見えた。
とても綺麗だ。
今、二人で静かな時間を過ごしている。
こらえ切れず俺は心で押し殺していた感情を言葉にして彼女に告げた。
彼女の事を幼いころから好いていた事を。
動揺する彼女。
「え、でも・・・アメリカ・・行っちゃうんでしょ・・・」
「勝手かも知れないけど、宇宙飛行士になったら。迎えに来る。それまで・・・待っていてくれないか。」
「あのね・・・その・・・うちもあんたの事・・・」
俺達は約束を交わした。
いつになるかはわからない。
俺が宇宙飛行士として一人前になる。
それまで待ってもらうと。
俺は目標をあきらめない。やっと手の届くところまで来た。
俺のために、彼女のために。
そして2年が過ぎ俺は宇宙船操縦士選抜試験に合格後、養成訓練に参加しやっと目標であった宇宙飛行士になった。そして初飛行当日。
3週間で地球に帰る予定だ。
帰ったら式を挙げよう。
見送りに来てくれた彼女にそう告げて俺は宇宙船に乗り込んだ。










