【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

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「ヒアアフター」

2011-02-21 | ★橋63系統(小滝橋車庫前~新橋駅)

「臨死体験」とか「来世」とか、スピリチュアルな世界って、どんな巨匠が撮っても珍品になっちゃうことが多いんだけど。
最近でいえば、「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン監督が撮った「ラブリーボーン」みたいにな。
「ヒアアフター」も、死者との交信ができる男、死後の世界を覗いてしまった女、死んだ兄弟に会いたいと思っている少年という3人の物語だから、相当珍品といえば珍品なんだけど、イーストウッドが撮るとなんか格調が出てきちゃうのよねえ。
これみよがしとか、あざといところがないからね。
そう、最近のイーストウッドの映画って、さっぱりと洗濯したジャケットみたいにさらさらで、本来映画監督という人種が持ってしまうあざとさを感じさせるところがまったくない。
冒頭の津波のシーンとか、地下鉄の爆破シーンとか、相当派手なシーンもあるんだけど、見終わった印象は、実に淡々と事が運んだっていう感じがする。
観ていてストレスを感じさせないのは、ゆったりと移動するカメラワークとか、イーストウッド自身が担当した音楽とか、こざっぱりした俳優陣とか、そんなところに秘密があるのかしら。
それって、まるで、大林宣彦の特徴じゃない?
彼は、まだまだあざとい見せ方してるわよ。
悲しそうな顔つきの子役を選ぶのは、どういう志向なんだろうな。
チェンジリング」のときも相当悲しそうな顔つきの子役を選んでいたけど、今回はそれ以上。
役柄がそうだといえば、そうかもしれないけど、何か、イーストウッドの好みを垣間見たような。
マット・デイモンももともと悪い役者じゃないけど、こんないい役者だったっけ、っていう感じだしね。
あざとい演技じゃないから、アカデミー賞は獲れないけどな。
ラストのギミックだけがあざといといえばあざといんだけど、囚われた思いから解き放たれた象徴として、素直に祝福してあげなくちゃいけないのかもしれないわね。
「だいじなのは、死んでからじゃなく、いまを生きることなんだよ」って教えてもらったあとだからね。
それも、じつにあっさりとした教え方でね。
そう、どのエピソードがそうだったのか、見逃すくらい、あっさりと。


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2 コメント

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「格調」・・・まさにソレなのですね (ぺろんぱ)
2011-03-01 12:37:37
ご無沙汰しておりました、ぺろんぱです。

ひと頃の演歌テイスト(←濃密な、義理人情に厚い、と言う意味で。褒めています。)のある作風と変わって、私も本作にはサラリとした空気を感じました。それも監督のお年(人生経験の深さ)の為せる業なのかなぁと。

ラストの運びには懐深さも感じました。
■ぺろんぱさんへ (ジョー)
2011-03-05 12:06:21
お久しぶりです。
イーストウッドは、お久しぶりどころか、毎年毎年、水準の高い映画を送り出してすごいですね。
サラリとした空気・・・悟りを開いてしまった感じもちょっとありますが。

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