【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

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「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」

2012-02-21 | ★橋63系統(小滝橋車庫前~新橋駅)


おばあさんがおじいさんとヨリを戻す場面。おばあさんはおじいさんの姿を見とめて自分が持っていたショッピングバッグをドカンと床に卸す。おじいさんはそれを持つ。ただ、それだけ。言葉は何もない。
なに、いきなりディテールから入ってるの。しかも本筋とは関係がないようなニッチな場面。
だから話してるんだ。本筋と関係ないならこれから観る人が聞いても大勢に影響がない。
なら、話す必要もないじゃない。
いや、これから観る人にはこういうシーンをこそ記憶に留めてほしいんだ。言葉ではなく仕草で伝える。仕草が伝える。映画の基本がここにはある。
わかりやす過ぎる事例だけどね。
この映画自体、とってもわかりやすい構造だけどな。
うん、9.11で父親を失った少年が、父親の形見を求めて町じゅうを探し回るうち、いろんな境遇の人々と出会って心を開いていく。
教科書のような展開だ。
って、誉めてるの、貶してるの?
難しい問題だな。9.11をどうとらえるかと同じくらい難しい問題だ。
9.11を素材にしちゃうといろんな意味を持ってしまうけど、単純に父親を失った少年の喪失感を巡る物語だと思えば余計な意味合いをはさまなくてすむんじゃない?
そう。親子の物語だと思えば、父親が残した言葉や思い出が少年の成長を促した普遍的な話だってわかって胸に迫る。
外へ出ること。そのために父親が工夫したことが、父親を亡くして内に籠った少年を結局救うことになる。
つくりすぎの感もあるけど、悪い気のする映画じゃない。
ほんとは人情話なのかもしれないけど、「めぐりあう時間たち」「愛を読むひと」のスティーブン・ダルドリー監督だから、いかにも文学風に仕上げている。
もとは文学だからな。
そういう意味じゃなくて、映画の感触のことよ。
誰の感触?
誰の、じゃなくて、映画の。
お前の感触じゃないのか。
どうして?
ものすごくうるさくて、ありえないほど近づきすぎ。

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