【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

「レッドクリフPartⅡ-未来への最終決戦-」:赤坂高校前バス停付近の会話

2009-04-11 | ★品97系統(品川駅~新宿駅)

お墓の隣にある高校ってどうなのよ。
死者を敬え、死人に学べってことだろ。
まあね、学問、とりわけ歴史っていうのは、先人たちの行いを知るっていうことだからね。
死屍累々の歴史と言えば、まず思い浮かぶのは三国志だろう。
たしかに。中国的なスケールだから何人死んだかわからない。
映画の「レッドクリフ」とか観ても、その数は想像のしようがない。
「レッドクリフ」は戦いの残酷さを描くというよりは、講談としての面白さを狙った映画だからね。死者に涙する場面もあるけど、基本的には大河ドラマ。
でなけりゃ、周瑜とか孔明とか、あんなにかっこいいわけがない。
ほんとはもっとドロドロした軍師だったんでしょうね。
ドロドロドロンジョ。
でも、監督のジョン・ウーは、あくまでかっこいい男たちの物語にしたかった。
男も女も含めてな。
敵も味方も含めてね。
そういう意味で、登場人物たちの性格や特徴が描き分けられた「PartⅠ」を受けて「PartⅡ」では、どんな濃密な人間ドラマが待っているのかと期待していたら、あらら、割りと想像の範囲内だった。
そうかしら。合戦の迫力は圧倒的だったし、トニー・レオンや金城武が知力を駆使して敵を欺く姿はPartⅠ同様、やたらかっこよかったじゃない。
PartⅠ同様で、それ以上ではなかった。彼らの魅力はPartⅠで十分描き尽くされているんじゃないのか。
いやいや、孔明が風を読む挿話なんてどうよ。
そうだな。終わってみれば、気象予報士の大切さを思い知った映画だった。
そう、明日のお天気には注意しましょう・・・って、そんなレベルの映画じゃないわ。主演者たちが最後に相まみえるシーン。みんながみんなに狙われる三すくみ、四すくみになるラストなんて見ものだったじゃない。
「レザボア・ドッグス」の昔からよくある設定のバリエーションだけど、なにか香港映画みたいな独特の空気が漂っていた。ああいうシーンをもっともっと観たかった。
最近でいえば、「エグザイル/絆」みたいな雰囲気かしら。
それは誉めすぎだろう。
とにかく、圧倒的に物量を誇る敵を頭脳プレイで追い詰める姿には身が踊るわよね。
しかし、要するに相手が間抜けだったっんじゃないかという気もして、敵をやっつけてもWBCで日本が勝ったようなスカッと感がいまひとつ足りないんだなあ。
周瑜が七人の侍ばりに最後にひとことつぶやくように、単なる勧善懲悪ものじゃないんだから、それでいいのよ。
そう、そう。ヒーローものじゃない。歴史ものだった。
お墓の隣の高校生が観ても学ぶところが多いんじゃないかしら。
明日の天気には気をつけよう、とかな。
そればっかり。




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2 コメント

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TBありがとうございました (シムウナ)
2009-04-12 21:24:05
TB有難うございました。
中盤からのアクションの見せ場の連続に、時間を
忘れて見入ってしまいました。
前半がもう少し締まってくると最高だったのですが。
しかし、勇気、愛、結束力、信じる心。
胸が熱くなる要素たっぷりの映画でした。

今度、訪れた際には、
【評価ポイント】~と
ブログの記事の最後に、☆5つがあり
クリックすることで5段階評価ができます。
もし、見た映画があったらぽちっとお願いします!!
返信する
■シムウナさんへ (ジョー)
2009-04-19 10:19:33
仰るとおり、アクションは手慣れたものですが、
前半は中だるみっぽい部分もあり、
前後編合わせて
3時間くらいの一本の映画にしたほうが
よかったかもしれませんね。
これからもよろしくお願いします。
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