【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

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「神様のカルテ」

2011-09-05 | ★橋63系統(小滝橋車庫前〜新橋駅)

単なるアイドル映画だと思っていたでしょ。
だって、観客は若いカップルばっかりだぜ。俺たちのとやかく言う映画じゃないだろ。
ところがどっこい、人間こういう風に死にたいね、っていう映画でもあった。私たちおとなも他人事じゃない。
シニア料金には、まだまだだけどな。
それに、夏目漱石とか昭和の古い旅館とか出てきて、いまどき懐かしさも漂う出来。
ただ、「コクリコ坂から」と同じで、そういう古い建物で繰り広げられる挿話が生死を扱う全体のテーマとうまくからんで来ない。
物語を紡ぐ縦糸と横糸になっていないってことね。
でも、岡田善徳のエピソードには泣けたな。
挫折する文学青年。
コクリコ坂から」にはそういう挫折が足りない。
あれは基本的に若者向けの映画だから。
これだって若者向けの映画だ。
彼を送るシーンは、今は亡き黒木和雄監督の「祭りの準備」みたいな展開になっていく。
それを言うなら、その若者版の「突然、嵐のように」だろう。
こちらも今は亡き、山根成之監督。
演出が平板でそういった映画ほどの動的パッションはないけど、ふと思い出させるだけのものはある。
深川栄洋監督って真面目だから、映画が勢いのまま突っ走ることなく、きっちりと話が進んでいく。
あえて技巧を凝らさない姿勢は、長所でもあり短所でもある。
櫻井翔と宮崎あおいの夫婦だって、いまどきあんな夫婦いないだろうと思いながら、でも微笑ましく見てしまう自分がいる。
宮崎あおい、ひたすらの笑顔が嫌味にならない。宮崎美子じゃ、ああはいかない。
へんな例え。
櫻井翔の髪型だけは何とかしてほしかった。主人公の真面目一途な性格を表わそうとしているんだろうけど。
さすがに、ご両人登場の保険のCMではこんな髪型していない。
エンドクレジットもこの手の映画だからどうせとってつけたような主題歌が流れるんだろうと思ったら、いまどきちゃんとした映画音楽なのには驚いた。
それにしても、あの病院の待合の場面。長時間待たされ、うんざりしている人々の顔。ああいう場面から始めただけで、映画の誠意を感じる。
あれが病院の本当の姿だもんな。病気だから病院に行ってるのに、病院に行くから病気になるようなもんだ。
万人向けの映画ね。
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