【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

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「海角七号 君想う、国境の南」:大関横丁バス停付近の会話

2009-12-26 | ★草63系統(池袋駅~浅草雷門)

ここ三ノ輪橋駅が王子電気軌道の駅としてできたのは、大正二年にさかのぼる。
戦前、戦中、戦後と日本の歴史をつないで、戦争で負けた日本人が南方から帰ってきたころにも健気に走っていたんでしょうね。
台湾で大ヒットした「海角七号 君思う、国境の南」もまさしく、そういう歴史と現在をつなぐ映画だ。
終戦で引き揚げざるを得なかった日本人男性と台湾に残った女性との引き裂かれた恋。そして、現代の台湾人男性と日本からやってきた女性との恋。二つの恋が並行して描かれる。
ちなみに「海角七号」って台湾にあった住所のこと。
英語でいえば、“Seaside 7th Street”みたいなもんかしらね。
なんか、雰囲気違わない?
そんなにおしゃれな映画じゃない。
過去を語る部分の重さと現代を語る部分の軽さが、バランスいいんだか悪いんだかわからないような仕上がりをみせる奇妙な映画だった。
構造は考えられているのに、描写は大雑把でち密さに欠ける。
戦後と現代をつなぐ感動的な歌が「野ばら」なんだけど、実はこの歌でなければならないっていう、のっぴきならないエピソードがあるわけでもない。
でも、まあ、そういう杜撰なところも、南方特有のおおらかさと思えば、まったく観ていられない映画でもない。
現代の日本人女性を演じたのは、田中千絵。
日本ではほとんど無名よね。
水川あさみになりそこねたような女優で、演技がどうのこうのっていう段階ではない。
相手の台湾人男性、范逸臣も、韓流の美男子たちに比べれば、騒ぐほどの容姿でもないしね。
台湾では、映画史上に残る大ヒット作らしいけど、どこがそんなに彼らの琴線に触れたのかな。
じつは、台湾の人たちってものすごい親日家なのかも。
俺たちも、日本と台湾の関係にもっと関心を持たなきゃいけないな。
そして、主人公の男性がバンドのボーカル役だっていうのが案外、映画のミソかもね。
おじいちゃんから無愛想な女の子まで世代を超えたバンドメンバーが織りなすドタバタが愉快だっていうことか。
映画を身近に、親しみやすくしているのはたしかよ。
シネコンというより近所の映画館にサンダル履きで行ったころの感覚の映画。
古き良き時代の映画みたい。そこが安心できるのかもね。
終盤、海辺でバンドが演奏をするシーンに映画が集約していくに従って、観客にも高揚感がもたらされてくる。
音楽の力ってやっぱり侮れないなあ。ボロが出そうなところをうまく隠してくれる。
終戦時の悲恋は、物語を動かすというより、映画にうま味を出すための材料になっていた。
そして、何度も出てくる引き揚げ船の風景。船上で何かが起こるわけではないんだけど、懐かしい抒情をかきたてる。
乗り物はいいよな。船でも路面電車でも、出てくるだけで絵になる。
都バスもよ。忘れないでね。





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