【映画がはねたら、都バスに乗って】

映画が終わったら都バスにゆられ、2人で交わすたわいのないお喋り。それがささやかな贅沢ってもんです。(文責:ジョー)

「コンテイジョン」

2011-11-22 | ★橋63系統(小滝橋車庫前~新橋駅)


ゴホン、ゴホン。
観終わったらつい、セキをしたくなっちゃう映画よね。「コンテイジョン」って。
逆に観ている間は、他の人の視線が気になって絶対セキなんかできない映画。
接触感染により数日で命を落とすという強力な新種ウィルスが香港で発生。瞬く間に世界中に拡大していくというサスペンス映画。
その一部始終をあらゆる視点から描く。
グローバルに拡大していく感染。あっけなく命を落とす人、その家族の苦悩。医師たちの奮闘。政府のきなくさい対応。裏社会で暗躍するジャーナリスト。ワクチンの開発から収束にいたるまでのあらゆる様相をたった1時間46分で描き切る。さすがは「トラフィック」のスティーブン・ソダーバーグ監督、重層的な話を無駄なく仕切る手腕は相変わらず達者。
感染があっという間に世界中に拡大していくなんて、まるで「猿の惑星:創世記」のラストみたいな話だけど、ここでもサルが実験台になっていたのがご愛嬌。
出演は、マリオン・コティヤール、マット・デイモン、ジュード・ロウ、ケイト・ウィンスレットという錚々たるメンバー。
なんでこんな豪華な俳優を取りそろえなくちゃいけないんだと思ったけど、幾層にも渡る話を一気に見せようと思ったら、これくらいキャラのはっきりした俳優たちを使わなくちゃ観客が混乱しちゃうのかもしれないな。
おかげで、一度も頭が混乱することなく観終わった。
いま、ギリシャのような小さな国の財政破たんが世界中の経済を混乱に陥れていることを考えながら観ると、ほんとに世界はひとつにつながっているんだなあ、と悪い意味でぞっとする。
しかも、この映画、アメリカ人が中国で感染してそれが世界に広がっていくっていうのが、なにやら意味深。
世界を動かす二大国だもんな。
握手の意味を再確認するという観点では、実は二大国が握手することの大切さを描こうとした映画だったりして。
大統領と国家主席がキスするみたいに?
それはまた別の話。