馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

結腸の肥厚?を超音波検査で判断する

2017-03-15 | 急性腹症

前の晩、分娩した18歳の繁殖雌馬が、次の日の昼から疝痛で徐々にひどくなった。

3時半にフルニキシンを投与しても効果なし。

かなり痛みが強くなって、夕方6時に来院した。

立っていられなくて寝てしまう。

口粘膜は蒼白。

PCV52%、乳酸値2.8mmol/l。

子宮動脈破裂か?

超音波検査しても、腹腔内に出血はなさそうだ。

そして、

右下腹部で、かなり肥厚した結腸壁が見えた。

手術しましょうか・・・

開腹したら結腸捻転だった。

結腸の色はかなり悪かったが、捻転を整復したら色調は回復した。

結腸骨盤曲の切開部の粘膜はアズキ色。

                        -

翌朝、仔馬を連れて来て、まだ点滴中のおかあさんと一緒にした。

具合が悪いのにたいへんだが、いつまでも離しておくわけにもいかない。

ガンバレ。

                       ---

 翌日、現役競走馬が疝痛で運ばれてきた。

来院したときには、疝痛は治まっているようだった。

PCV46%、乳酸値も微増程度。

しかし・・・

右下腹部で見えた結腸壁は肥厚しているように見えなくはない。

う~ん・・・・・

入院厩舎に入れて1時間ほど様子を観たが、疝痛なし。食欲旺盛。

もう一度、直腸検査しても結腸壁の肥厚はない、とのこと。

そのまま退院していった。

結腸の肥厚を超音波で判断するのは難しいことがある。

ひどく肥厚しているときははっきりわかる。

しかし、微妙な場合は難しい。

結腸捻転でも、水腫は結腸動脈沿いにしかない症例もある。

難しい。

                 ///////////

オラはとうちゃんが出かけるのはすぐわかる。

白衣着てないからな。

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6 コメント

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Unknown (はとぽっけ)
2017-03-15 22:02:43
 超音波検査で救われる命が増えたことは確かド思います。でも、難しいものなのですね。
 この時期、おかぁさん患馬さんもあかちゃん馬も、牧場の方々も診療所のみなさんも、
 現役競走馬ともなると、早めに受診する傾向にあるのかな?大事なくてよかったですね。
 オラ君はぁ、hig先生専属だからさぁ、そりゃわかりやすくもあるでしょ!で、先回りして乗り込む技もありそうだし。いっしょにおでかけ、うれしいですか?
Unknown ( )
2017-03-15 22:37:57
 人間業界では 腸管エコー、関節エコー、肺エコー、皮膚エコー、気管エコー…一昔前は 絶対に超音波の対象じゃなかったものまで とりあえず当ててみる流れなので 付いていくのも大変です。
 腸管は もう本当に分かりません。
 機械があるのに 分からないのは悔しいのです。
 CTみたいに 後から症例写真で学習したり討論したりするわけにいかないのも 難しさを感じています。
Unknown (piebald)
2017-03-15 23:19:49
オラ君のまなざし。真剣ですね。
この目は、「白衣に誤魔化されません。」と、言ってるようにも見えますが。
>はとぽっけさん (hig)
2017-03-16 05:31:00
100%信頼できる所見が欲しいところですが、つまるところ総合的な判断、が必要なようです。

相棒はにおいをクンクン嗅いで、白衣じゃない!となったら、もう大騒ぎです;笑
>( )さん (hig)
2017-03-16 05:33:04
超音波は画質が向上してほんとうに使える診断機になってきた、ということなのでしょうね。しかし、いまだにわかりにくさが残っていると思います。過信は禁物ですね。
>piebaldさん (hig)
2017-03-16 05:36:52
相棒は匂いで90%判断して、見た目で100%確信するようです。
このところ、白衣じゃないときは100%同行してます;笑

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