馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

秋の1日 飛節OCD、上腕骨骨折、喉嚢膿瘍、大腿骨SBC、骨盤骨折

2017-10-11 | 日常

朝、1歳馬の飛節OCDの診察。

以前に関節鏡手術で骨軟骨片を摘出している。が、軟腫が再発している。

再手術はしないで馴致・調教してみることになった。

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当歳馬が前肢負重不能になって来院。

馬運車の中でX線撮影し、上腕骨骨折を確認した。

斜骨折だったが、破片があり、内固定は厳しそうだった。

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1歳馬の眼瞼、耳、顔の神経症状。

側頭骨舌骨関節症かと思ったが、反対側の喉嚢内に膿瘍?が見つかった。

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午後、1歳馬の大腿骨軟骨下骨嚢胞。

以前にやった症例が経過が良かったので、ステロイドの病巣内注入をやって欲しい、とのこと。

全身麻酔して、x線撮影して、患部を毛刈して消毒して、超音波で病巣を確認して、病巣内注射する。

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3歳牝馬がこの1週間かなりの後肢跛行をしている。

Dyson Grade で直線常歩は6/8 (重度の跛行だが、まったく肢を着けない、動けないわけではない)。

予後判定なので全身麻酔してX線撮影した。

骨盤が折れていた。

繁殖供用までなら回復する可能性があるか・・と思ったが、しげしげとX線画像を見ると、

恥骨、坐骨が股関節臼から離れ、大腿骨頭は股関節臼から内側へ出てしまっている。

これでは、繁殖供用も無理だ、と判断した。

剖検では、周囲がさらにひどい出血を起こしていた。

腸骨動脈が切れたのだろう。

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重症馬や難しい症例が次々来たが手術がなかったので”楽”だった。

DRや大型X線装置やvideo scope を使って診療できることはありがたいことだ。

剖検できる施設がそばにあるのもとても恵まれている。

感謝。

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6 コメント

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Unknown (はとぽっけ)
2017-10-11 07:49:30
 骨嚢胞にIPSが選択肢として登場する日もくるのでしょか?
 患馬さんのこれからを考えての治療の選択、同じ症状でも発症原因の違いを見落とさない、という視点は大事なんだな、と思いました。
 恵まれた環境に感謝できるのは「有効に利用できる」方々、ということでしょけど。
 「楽」とか「暇」とか言っちゃうと来ちゃう。そういうことってありませんか?

 
Unknown (piebald)
2017-10-11 21:42:45
「楽」なことって、大切ですね。楽になるまで、や、楽にするまでが大変なのでしょうが、楽になると、本当に楽でしょうね。
Unknown (WFKY)
2017-10-11 22:29:08
ご無沙汰しております。先生の投稿内容とは異なりますが、今年、当社の当歳馬2頭で後膝周辺に2cm以上の大きなシストが見られました。細菌感染によるものと診断、幸い予後は良いと判定。当社では初めてのケースでしかも複数頭。昨日Hagyard外科棟でシストから細菌検査のためのサンプリングを行ったのですが、担当医が今年は同様の症例がとても多いのだと聞きました。気象条件と環境常在細菌、疾病との関係について研究対象になるかもしれないとのことでした。
>はとぽっけさん (hig)
2017-10-13 21:48:10
いくつかの病気では、今考えられる究極の治療法はiPS細胞治療でしょうね。いつか動物でも始まるでしょう。

楽って、言っちゃっても良かったのは、あれから3日間お休みだったので;笑
>piebaldさん (hig)
2017-10-13 21:49:18
手術をしなかったので、結果的に楽だっただけで、楽しようとしちゃいけない仕事だとは自覚しています。
>WFKYさん (hig)
2017-10-13 21:50:39
ケンタッキーの最新情報、ありがとうございます。また奇病多発なのかもしれませんね。
こんどは毛虫じゃなくて、何なんだろ・・・・

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