EQペディア/エラリイ・クイーン事典

エラリイ・クイーンの作品(長編・短編)に登場する人物その他の項目を検索する目的で作られたブログです。

動機

2007年06月16日 | 短編ミステリ
動機/The Motive

『間違いの悲劇』(創元推理文庫)に収録。
*別訳はEQMM日本語版1959年4~5月号収録。

【ミッシング・リンク中編】

☆登場人物リスト

スーザン・マーシュ・・・図書館の若き赤毛の司書
フローラー・スローン・・・守銭奴の老嬢。独裁者
ウィル・ピース・・・中古車屋
トム(トミー)・クーリー・・・農夫の息子。読書好きの少年
ジョン・クーリー・・・トミーの父
リンク・ピアス・・・副保安官。スーザンの幼なじみ
(リンカーン・ピアス)
サンフォード・ブラウン・・・主席行政委員。第一捜索隊長
ローリー・フォーセット・・・老警官。第二捜索隊長
フレンチー・ラフォン・・・リンクの率いる第三捜索隊の隊員
バクストン博士・・・嘱託検死官
ビブ・ハドレー・・・ラフォンの店のバーテン
ウェス・バートレット・・・ノースフィールドの町の住人
ハウイ・グレープ・・・ガソリンスタンドの経営者
ハウランド・・・郡保安官
アート・オームスビー・・・町の住人
フレンチー・ラフォンの兄・・・カナダから来た男
ラフォン老夫人


☆事件

ある年の秋、ノースフィールドの少年トミーが行方不明になった。本好きな彼を心配した司書スーザンは幼馴染の保安官補リンクの事務所を訪ね、捜索を要請する。しかしトミーの消息は掴めず、残された父親ジョンの焦燥は募るばかり。
春になって少年の死体が発見される。彼の後頭部は完全に潰れていた。リンクは精力的な調査を行ったが、成果は皆無。動機も、犯行の日時さえも不明。
そして5月末、町は再び死神に襲われた。新たな被害者。沸き起こる恐怖。
更迭騒動のさなか、リンクが見つけた犯人の“動機”とは?

☆コメント

ノン・シリーズです。探偵役はエラリイや『ガラスの村』のジョニー・シンとはまた違ったキャラクターの保安官補、リンカーン・ピアース(リンク)。所謂普通の青年。物語が彼でなく、スーザンを中心に展開するせいもあって、よけいに凡人に見える。
初出は1956年。『クイーン警視自身の事件』の前後でしょうか。作者がそろそろ名探偵エラリイに見切りをつけていた(?)時期と重なるようです。
実際受けた印象は『ハートの4』のボニーとタイラーが、ジェシイ・シャーウッドとクイーン警視風に事件に乗り出した、と言った感じでした。
最後に明かされる動機はかなり意外。ただし、伏線がやや弱いかも。

(Matorjiska)



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