平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

緊急取調室 第1話・第2話~強者のみが守られ、弱者が理不尽な目に遭う社会

2014年01月17日 | 推理・サスペンスドラマ
 第1話は「名前のない男」
 第2話は「しゃべらない男」
 いずれも犯人の気持ちに共感してしまう。

 第1話「名前のない男」はえん罪。
 えん罪で男は家族を失い、職を失い、母親を亡くし、人生を棒に振った。
 有名弁護士は「事件として地味なので自己PRにならない」ということで弁護を引き受けない。
 この理不尽、憤り!
 第2話「しゃべらない男」は心臓病の娘を救うために、殺人の罪を被る父親の話。
 医者は「手術をしてやるからお前が殺人犯になれ」と父親に迫る。
 この医者のエゴと娘を思う父親の気持ち。

 主人公・真壁有希子(天海祐希)の主張は警察官としては正論なのだが、あくまで<警察官>としてのもの。
 もちろんやり過ぎはいけないが、<えん罪被害者>や<娘を思う父親>の立場から考えれば、犯人たちの主張は正しい気がする。
 第1話に関しては、犯人の主張どおり担当刑事や警視総監が記者会見を開き、謝罪すべきだ。
 第2話に関しては、ラストで娘の手術を引き受けてくれる医者が現れてくれたからよかったものの、もし、そうでなければ娘は死んでいた。

 この作品が提起する問題は
・警察や弁護士、あるいは医者が社会で正しく機能していないこと。
・強者のみが守られ、優遇され、弱者が理不尽な目に遭うという社会の実態。

 このことを現実に目に移せば
 たとえば、福島の原発事故では<想定外>という言葉のもと、誰も逮捕者が出ていない。
 東電の倒産に関してはいろいろな議論があるだろうが、少なくとも<株主>は株券が紙切れになることを引き受けるべきだし、<銀行>は東電に貸し付けてる4兆円を回収不能の不良債権にすべきだ。
 これらのことを無視して、国と東電は、税金投入と電気料金値上げという<国民負担>のみを強いている。

 大きなものが守られ、小さなものが切り捨てられる現実。
 こういう社会だからこそ、このような作品が出て来るんでしょうね。



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