平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

おんな城主直虎 第15回~直虎、今川と外交をおこなう。その外交手腕はいかに?

2017年04月17日 | 大河ドラマ・時代劇
 井伊家の後見問題。
 直虎(柴咲コウ)は闘っている。
 その闘い方はこうだ。

①味方と敵を欺く。
 今川の襲撃を受けて直虎は言う。
「但馬、直虎は後見から引くことにしたと駿府伝えてくれ。
 かように怖ろしいのはもうたくさんじゃ」
 だが、これは敵の襲撃をかわすウソだった。

②法律で闘う。
 直虎は、寺社領には手を出せないという『今川仮名目録』の定めを使って、自分の判断の正当性を主張した。
 そう、闘うというのは武力を使うことだけではないのだ。
 法律も立派な武器になる。

③論理で攻める。
 寿桂尼(浅丘ルリ子)が「すみやかに徳政をおこなわれよ」と言ったことを受けて、直虎は「わたしに徳政をおこなえと。それは、わたしが徳政をおこなうに相応しい者、後見とお認めになったということですが、さように受けとめてよろしいのでしょうか?」
 いさかか屁理屈に聞こえるが、ディベートとしては悪くない。

④正論を言う。
 国を治める方法を問われて、直虎は言う。
「民が潤うことがなければ国が潤うことはない」
「民が潤えば井伊が潤い、井伊が潤えば今川が潤う」

 そして最後は、
⑤民の信頼を得ている。
 民は、直虎が後見になることを望む書状を書いた。
 直虎が民の支持を得ている証拠だ。
 まさに『民の信なくば立たず』

 これが<外交>であり、<政治>なんですね。
 問題があれば言葉で説得し、説明をする。
 武力で解決するのは最後の手段。

 このように直虎は政治家として少しずつ成長している。
 民の書状に助けられるなど、まだまだ頼りない部分はあるが、立派な領主になりつつある。
 今回は部下の中野直之(矢本悠馬)の心も掴んだみたいだし。

 この作品は、直虎が人として、政治家として、成熟していく様をていねいに描こうとしているようだ。
 前回も書きましたが、ちょっと教科書的なんですけどね。
 今回、出てきた<新しく耕した土地を自分のものにでき、年貢が一定期間、免除される>というのも〝蓄財〟〝資本の集積〟という教科書に出てくる経済理論だし。
 来週は、木綿を育てて新たに産業を興すらしい。
 この作品、1話~13話は<仏教講座>で、14話~は<政治経済学講座>って感じですかね。
 ………………

 政次(高橋一生)に関しては、その真意がなつ(山口紗弥加)よって語られた。
「兄上は、井伊を今川から守る盾になろうとしている」
 南渓和尚(小林薫)もこれを受けて、
「本意を読まれれば盾にはなれぬ」

 政次の行動は、すべて、おとわと井伊を守るためだったようだ。
 そう言えば、政次はこんなことを言っていた。
おとわ、今からでも遅くはない。
 後見をやめると言わんか?」
 〝殿〟ではなく、〝おとわ〟と言ってしまう所に政次の本音が現われている。
 政次の中には、幼少期の〝おとわ〟〝鶴〟〝亀〟の関係がしっかり存在しているのだ。

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5 コメント

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「政次後」に向けて (TEPO)
2017-04-18 01:55:35
>この作品は、直虎が人として、政治家として、成熟していく様をていねいに描こうとしているようだ。

森下さんは「Jin(またですが)」でも主人公を「無敵のスーパーヒーロー」にはしなかったですね。
直虎についても「非凡さの芽」と「まだまだ」の感じとをほどよいバランスで描いているように思いました。

>政次の行動は、すべて、おとわと井伊を守るためだったようだ。

守る相手から憎まれながらも守り続ける「二重スパイ」という点で、「ハリーポッター」のスネイプ先生を連想しました。
「スネイプの真実」は毎巻どんでん返しを仕掛けていたローリング女史が全編の最後に仕組んだ最大のどんでん返しでした。
しかしスネイプとは異なり、政次の真意については視聴者にも分かりやすく示され、おそらくいいずれ直虎にも理解されることでしょう。
政次の死に際しては、おそらく泣かせる仕掛けが満載だと思いますが、スネイプのように物語の終わりではなく、遅くとも夏くらいだろうと予想されます。
だとすると、総入れ替えでほぼ白紙状態の今から「政次後」を支えられるだけの魅力的なキャラをどう育ててゆくかに注目したいと思います。

>今回は部下の中野直之の心も掴んだみたいだし。

まずは、この人と前回の奥山六左衛門との二人ですが、おそらく両者を互いに対照的な人物として描くことでメリハリをつけてゆくのではないかと予想します。
六左衛門の方は「優しさ」パートの受け持ちで、新野左馬助の再来という感じがしています。
今回今川館を出る直虎を六左衛門が迎えた場面は、幼少時のおとわを迎えた左馬助と構図的にも似ていたように思います。
魅力的な家臣団の登場 (コウジ)
2017-04-18 09:15:13
TEPOさん

いつもありがとうございます。

>主人公を「無敵のスーパーヒーロー」にはしなかったですね。
僕も同じことを思いました。
直虎は完成された主人公ではないんですよね。
作品は、一種のビルディングスロマンになっている。
「後見を譲る」という発言も、まあ、今の直虎なら、そう言うかもしれないな、と思いましたし。

>「政次後」を支えられるだけの魅力的なキャラをどう育ててゆくか
後半のポイントはこれですよね。
この頃には、直虎も大きく成長しているでしょうし、家康、秀吉、他の戦国大名との絡みも見られそう。
家臣たちも魅力的になってほしい。
後半は、戦国時代の大河ドラマっぽくなっていくと思われます。

>今川館を出る直虎を六左衛門が迎えた場面は、幼少時のおとわを迎えた左馬助と構図的にも似ていたように思います。
僕も気づきました。
これ、森下さん、確信犯としてやっていますよね。
これで、六左衛門=左馬助になった。

瀬戸方久を始め、家臣団に魅力的なキャラがどんどん増えていってほしいです。
ここからがスタートかな? (健太)
2017-04-22 17:56:11
 どうも健太です。直虎復帰二回目ですが、この回の見どころは、政次の本心が見え隠れする部分と寿桂尼との対決ですかね。
 政次の本心は、解っていた部分はあるにしても、寿桂尼との対決は見応えがありました。やはり、浅丘ルリ子さんは迫力があった。
 直虎が領民や家臣に支えらえて成長してきいるのよくわかりました。今までのマイナスを清算する状況から、より豊かにしていくのを書く話になっていくでしょうね。やっと井伊家はスタートラインに立てたって感じですね。
 家臣団に個性と魅力のあるキャラが増えていくとこれからもっと面白くなるとおもいます。あと、敵キャラにも魅力的なのがでてくるといいんですけどね。

 しかし、寿桂尼との対面のシーンで、平清盛での白河院との対面のシーン(忠盛と清盛のそれぞれ二人が対面した時の事です。初回と二回目ですね)を思い出した。銀河盛もいよいよ来週で、おしまいですね。
 しかし、主人公が闇堕ちするのをあそこまで、書くとはすごいことしたもんだ。(銀河盛では、清盛が完全に白河院化しているところですね。)
 本放送時にその時期の松山ケンイチさんをみて、ほんとに伊東四朗の子供かと思ったっていっていましたね。ほんとにのり移っていたんですね。

 最近の大河ドラマで本当にはまったのは「平清盛」なんですよ。だからどうしても、大河みていると「清盛」でいうとどんな場面かとか考えてしまうんですよね。そんなんでご容赦願います。
訂正があります。 (健太)
2017-04-22 18:06:53
>本放送時にその時期の松山ケンイチさんをみて、ほん>とに伊東四朗の子供かと思ったっていっていましたね。>ほんとにのり移っていたんですね。

 ここの部分ですが、この時期の清盛を演じてた松山ケンイチさんをみて、うちのお袋が松山ケンイチさんを本当に伊東四朗さんの子供かと思ったって言っていたんですね。文書の内容が意味不明になってしまいました。申し訳ありません。
大河ドラマのダイナミズム (コウジ)
2017-04-23 08:59:30
健太さん

いつもありがとうございます。

>今までのマイナスを清算する状況から、より豊かにしていくのを書く話になっていくでしょうね。

僕もそういう作劇になっていくと思います。
これから豊かで強くなっていく井伊家。
優秀な家臣団も形成されて、戦国時代に名乗りをあげていく。
大河ドラマなんですから、こういうダイナミズムがほしいですよね。

銀河盛もいよいよラストですか。
時折現われるWEB広告に拠ると、次のチャンネル銀河は『天地人』のようですが、寂しいですね。
松山ケンイチさんは『清盛』の圧巻の演技が印象に残っていて、前クールの『ライフ』の若い医師役なんかは物足りなく感じてしまいます。
おっしゃるとおり、あの時の松山さんは完全に〝清盛〟に乗り移っていたんだと思います。

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