平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

「僕は友達が少ない」 平坂読~三日月夜空の屈折! やっぱり夜空は可愛いっ!

2016年10月14日 | 小説
 ラノベの名作『僕は友達が少ない』(平坂読・著/メディアファクトリー)。
 語り部の主人公・羽瀬川小鷹と美少女・三日月夜空の関係は、次のようなやりとりで始まる。

「……エア友達?」
 こくん、と不機嫌そうな顔のまま三日月は頷いた。
「なんだそれ?」
「……言葉通りの存在だ。エアギターというのがあるだろう。それの友達版だ」
「……えーと……」
 俺は思わずこめかみを押さえた。
「つまりその場に友達がいると仮定して喋ってたってことか? なんでまたそんな……」
 俺が言うと三日月は少しムキになったような口調で、
「仮定じゃない。トモちゃんは本当にいる。ほらそこに」
 エア友達とやらの名前はトモちゃんというらしい。
 もちろん、俺にはトモちゃんの姿など見えなかった。
「トモちゃんとお喋りしているととても楽しくて、いつも時間が経つのを忘れてしまう。友達とは本当にいいものだな」
 ………………………………

 容姿以外はいろいろと残念な三日月夜空。
 エア友達の<トモちゃん>の設定も夜空の中ではしっかりできている。
 小鷹にエア友達のトモちゃんのことをからかわれると、
「ト、トモちゃんを馬鹿にするのか? トモちゃんは可愛くて顔も良くて運動神経抜群で優しくて話し上手で聞き上手で、それに……絶対に裏切らないのだ」

 現実に夜空みたいな子がいたら結構イタい。
 でも、三日月夜空はたくさんの読者の共感を得た。
 せりふの最後に「……絶対に裏切らないのだ」という言葉があるが、ここがポイント。
 おそらく夜空は現実の友達にたくさん裏切られて、<トモちゃん>を友達に選んだのだろう。
 夜空は語っている。
「私は一人でも平気だ。学校での友人関係なんて上っ面だけの付き合いで十分だ」
「上辺だけでない真実の友情で結ばれた友達同士なんて、世の中にどれだけいることやら」
…………………………………

 そして、夜空は<友達がいない者たち>が集う「隣人部」というクラブを作ることにする。
 その時、夜空が部員募集のためにつくったポスターのキャッチがこれ!

〝とにかく臨機応変に隣人
 とも善き関係を築くべく
 からだと心を健全に鍛え
 たびだちのその日まで、
 共に想い募らせ励まし合い
 皆の信望を集める人になろう!〟

 何ともわかりづらい文章だが、これには暗号が隠されている。

 にかく臨機応変に隣人
 と善き関係を築くべく
 からと心を健全に鍛え
 たびだのその日まで、
 共に想いらせ励まし合い
 皆の信望をめる人になろう!

『ともだち募集』www
 こんなのわかるやつはいないだろうと小鷹はツッコむが、夜空は真剣で、
「普段から友達を求めている者なら、このポスターに隠された『ともだち募集』という文字に目ざとく気付くはずだ」
 これに対して小鷹は、
「このポスターを理解できる残念な感性の奴とは友達になりたくないなあ……」

 ところが後日、このポスターの暗号に気づいて、柏崎星奈が入部してくるwww
 上手い導入ですね。
 ともかく〝三日月夜空〟というキャラクターが魅力的!
 夜空の孤独や寂しさや願望は、誰もが多かれ少なかれ抱いていること。
 物語は、隣人部に友達が少ないキャラクターたちが集い、心を通わせていく姿が描かれる。
 読者も隣人部の一員になって、バカをやり、笑い、恋愛し、作品世界に癒やされていく。

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