平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

おんな城主直虎 第26回~瀬戸方久の策! 「殿は気賀の城主をお受けになりますか?」

2017年07月03日 | 大河ドラマ・時代劇
「気賀は面倒だ。
 城を造るのはやめようと今川に思ってもらうしかないでしょう」

 龍雲丸(柳楽優弥)はこう言って、材木を燃やし、牛や馬を放ち、ゲリラ戦をおこなう。
 何者にも縛られない〝無法者=自由人〟はこれが出来るんですね。

 一方、武家は不自由だ。
 主家の顔色をうかがい、気を遣い、命令に逆らえない。
 自分の意思を持てず、どんな理不尽なことにも従うしかない。
 家臣や先祖伝来の土地を守ることが最優先だから仕方がないのだが、どうにも窮屈だ。
 そんな直虎(柴咲コウ)に龍雲丸は言う。
「てめえは、おのれを守ることばかりじゃないかよ!」

 商人はしたたかだ。
 当初は城が出来ることに異を唱えるが、その中から、城から利を得ることを考える者が出て来る。
 城が出来ることは、武家との取引や消費を生むから、必ずしもマイナスばかりでないことに気づく。
 商人はマイナスをプラスに転じ、何とか利を得ようと考える。
 ……………

 無法者の〝自由〟
 商人の〝したたかさ〟
 これに加えて、政次(高橋一生)の説く〝いかにしていくさを避けるか〟を考える政治哲学。

 これらを踏まえて、直虎が出した結論は、
「城を築くことと引き換えに気賀の商いに干渉しないことを約束させること」だった。

 いいですね、これ。
〝戦うか〟〝従うか〟でもない第三の道。
 自由な発想による問題の解決。
 もちろん、これを実現するには、高度な交渉力と政治力がいるのだが、直虎はそれをやろうとしている。

 すると、この直虎のアイデアに、銭の犬・瀬戸方久(ムロツヨシ)が反応した。
「殿は気賀の城主をお受けになりますか?」
 見事な策だ。
 直虎が気賀の城主になれば、商いの自由は保障されるし、領主としての利も得られる。
 ウルトラCの策と言っていい。
 もっとも、これには、さらに高度な交渉力と政治力が必要とされるのだが、直虎は今川をどう説得するのか?
 ……………

 この作品には、<いくさではなく、政治力で現実を切り拓いていく>というテーマがあるのだろう。
 弱小であることが主な原因だが、井伊家は〝武力〟に頼らず、〝知恵〟と〝政治力〟で家を隆盛させていく。
 果たして、直虎は〝奪い合うことのない理想の土地〟をつくることが出来るのか?

 今までにない大河ドラマですね。
 経世済民。
 政治力を駆使しての生き残り。
 小さな箱庭の世界。
 領民や商人との関わりをこんなふうにに深く描いた作品もない。
 賛否はあるだろうが、オンリーワンの作品になりそうだ。

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2 コメント

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賛否 (TEPO)
2017-07-03 22:04:09
>弱小であることが主な原因だが、井伊家は〝武力〟に頼らず、〝知恵〟と〝政治力〟で家を隆盛させていく。
>賛否はあるだろうが、オンリーワンの作品になりそうだ。

「賛否」ということで思い出しますが、「篤姫」は批判をものともせず「幕末物定番」のチャンバラシーンをことごとくスルーしていました。
例外は「小松帯刀の親友」として登場していた坂本龍馬の暗殺場面くらい。

本作も「戦国物」でありながらいくさの場面はほぼ完全にスルー。
今川義元すらも「ナレ死」で、例外は敗戦の陣中での直盛や今回の龍雲丸の父の姿くらい。
「いくさはいやでございます」などという台詞は一切無い代わり、負けいくさで非業の死を遂げる側の「弱小武士」の視座で一貫しています。

現在のところ「いわゆる史実」とは全く異なった政次の人物像が際立っていますが、それは子役時代からの「仕込み」が開花したから。
子役時代の比重が大きすぎると批判していた人も多かったのですが。

現在、龍雲丸や「気賀」の描写に異様とも思えるほどの比重が注がれており、そのことを批判する人もいますが、おそらく「政次後」に向けての「仕込み」なのだろうと思います。
こだわりとチャレンジ (コウジ)
2017-07-04 08:09:47
TEPOさん

いつもありがとうございます。

おっしゃるとおり、いくさシーンないですね。
「いくさはいやでございます」もない。
これは、おそらく作家さんのこだわりなんでしょうね。

昨年の『真田丸』は勢力を示す俯瞰図が多用されましたが、これも少ない。
物語が半径5キロの世界ということもありますが、これも『真田丸』と同じことをしないというこだわりなんでしょうね。

これらのこだわりが最終的にどのように評価されるか。
僕は無難な作品より、チャレンジしているオンリーワンの作品が大好きなので、次はどんなふうに描くんだろうと楽しみにしています。

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