平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

おんな城主直虎 第46回~瀬名と信康の悲劇が、おとわと万千代を結びつけた

2017年11月20日 | 大河ドラマ・時代劇
 おとわ(柴咲コウ)は南渓和尚(小林薫)言った。
「かようなことが、ずっと繰り返されるのでしょうかね? 武家の世は」

 万千代(菅田将暉)はおとわに言った。
「かようなことは、いつまで繰り返されるのでしょうね?」

 ふたりが共通の問題意識をもった瞬間だ。
 信康(平埜生成)と瀬名(菜々緒)の悲劇がふたりを結びつけたのだ。

 ただ、こうつぶやいただけでは世の中は変わらない。
 特におとわは波風立てないことを第一とし、現実と激しく戦うことをやめている。
 そんなおとわに南渓和尚は喝を入れる。
「できることしかやらぬのか? どうもしみったれたおなごじゃのう」
「瀬名は妻として母として命を使い切った! 妻でもなく母でもないそなたは何に命をかけるのじゃ!」

 これを受けて、おとわは気づいた。
「虎松を使い、徳川にさような世を目指していただくよう持っていきます」
 おとわ復活の瞬間だ。

 おとわの言葉に火をつけられた万千代も自暴自棄の家康(阿部サダヲ)に叫んだ。
「負け戦になった時はどこで間違ったか確かめる」
「負ける意味は次に勝つためにある」
「お方様が見ておられます。考えましょう! この先の徳川のために!」

 上手いですね。
 信康と瀬名の悲劇が物語を転換させ、グイグイと動かしている。
 おまけにこの悲劇は、直親や政次の悲劇とも通じている。
 前半、中盤に張られた伏線が見事に回収された。
 直親と政次の悲劇的な死は、おとわと万千代の心にしっかりと刻まれ、生きていたのだ。
 ……………

 今回クローズアップされた死んでいった人たちの思い。
 政次、直親、瀬名、信康──
 おとわ、万千代、家康はこれらを背負って生きていくのだろう。

「何に命を使い切るのか?」
 という問いかけもあった。

 これらのことは自分にもフィードバックしてみたいですね。
 僕の父と母はすでに亡くなっているんですけど、父と母は僕に何を望み、託したか?
 自分の命を何に使い切るか?

 ちょっと重くて、今の時代には合わないのかもしれないけど、生きることに真剣に向き合うとはこういうことなんじゃないかと思います。

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伏線回収と今後 (TEPO)
2017-11-20 22:06:19
>信康と瀬名の悲劇がふたりを結びつけたのだ。

おとわと万千代との「反目」はこれで終結し、今後は一致して「平和な世をつくる徳川家康」を盛り立てることに邁進するのでしょうね。
残りの回数から見ても、おとわの余命から見ても、「ラスボス」信長からの解放が終着点かと思います。

>この悲劇は、直親や政次の悲劇とも通じている。

「何故分かるか言うてやろうか。そなたと同じことをやった奴をよう知っておるからじゃ」

共に敢えて自ら濡れ衣をかぶった瀬名と政次。
ことによると森下さんは、「悪女伝説」のある瀬名をこの線で解釈することを最初に決め、そこから逆算して「通説逆転の政次像」という大構想を考えたのかもしれない、と思いました。

それにしても瀬名を演じた菜々緒さん、役柄と今回の運命のせいもありますが、美しかったですね。
瀬名 (コウジ)
2017-11-21 09:03:15
TEPOさん

いつもありがとうございます。

>「ラスボス」信長からの解放が終着点かと思います。
まさに信長は「ラスボス」ですよね。
信長は今後どう描かれるんでしょうね。
信玄のように、ある程度、人間味を描くのか?
魔王のままなのか?
あるいは、おとわの目にはどう映るのか?
僧のおとわとしては、比叡山焼き討ちの仏敵であり、非道をおこなった許せない存在になるのでしょうか?

>「悪女伝説」のある瀬名をこの線で解釈する
僕は瀬名をどう描くか興味津々だったので、今回の解釈はお見事でした。
小池一夫の『半蔵の門』では、ヒステリックな狂気の女性としか描かれていなかったですし。

菜々緒さんもお見事でしたね。
西洋的な顔立ちの方なのでどうかと思っていましたが、見事に瀬名を演じきりました。
降りたり乗ったりしています (megumi)
2017-11-22 22:55:05
コウジさん  こんばんは。

まだら視聴ながら見ておりました。
築山殿事件は興味が有りましたので 2週跨りでもきちんと見ました。

比叡山焼き打ちは1571年で  築山殿事件は1579年。
信長が本当に焼き討ちをしたとすれば おとわは知っている筈です。
本能寺の変とおとわ死去まであと3年ですね。

このドラマは 性善説に基づいて描かれたものですね。
・通説の悪人を善人として描き直す。
・芯から悪い人が登場しない。

家康が ここまで「非常に善い人」なドラマは珍しいと思います。

菜々緒さんは 一般的にイメージする築山殿の外見ですが
このドラマの解釈に相応しい演技だったと思います。

信長 (コウジ)
2017-11-23 11:29:16
megumiさん

お久しぶりです!

>比叡山焼き打ちは1571年で  築山殿事件は1579年。
そうなんですね!
ならば、焼き討ちに対するおとわのリアクションを描かなかったのはまずいですよね。
せめて「何とひどいことを……。信長様とはどのようなお方なのか」くらいは語らせてもよかった気がします。

>・芯から悪い人が登場しない。
これから唯一はずれるのが信長かもしれませんね。
おとわは信長についてどう考えるのか?
これが、この作品のラストの焦点ですよね。
1人だけ居たわ! (megumi)
2017-11-23 16:03:15
コウジさん こんにちは。

投稿した直後に気付きました。
このドラマにおける信長は救いようの無い悪人・・・なにせ『魔王』ですもんね。

ドラマに限らず 
視点の違いで全く違う人になってしまうのが面白いです。

役者さんでも (コウジ)
2017-11-24 09:09:10
megumiさん

>視点の違いで全く違う人になってしまうのが面白いです。
これが大河ドラマの面白さですよね。
幕末に例を取れば、長州視点なら徳川は悪ですが、徳川や会津視点では長州は悪。

あとは演じる役者さんによっても違ってしまう。
今回の阿部サダヲさんの家康は善良そうでいい感じですよね。

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