平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

アテンションプリーズ 第1話

2006年04月19日 | 職業ドラマ
 火曜9時は女の子の正統派ドラマが多いですね。
 「アテンションプリーズ」もそう。
 「ナースあおい」のあおいは病院の枠からは外れていましたが、看護士としては優等生。
 でも、この作品の美咲洋子(上戸彩)は完全な劣等生。
 主人公のキャラクターは違いますが、ドラマの作りは正統派です。

 正統派というのはこういうことだと思います。
 「ひとつのテーマでドラマが統一されていること」

 そして、今回のテーマとは
 「あなたにとってキャビンアテンダントとは何か?」
 この問いに美咲がどう結論を出すかで1時間が描かれています。

 今回、美咲が出した結論はこう。
 「キャビンアテンダントとは何か?なんて全然わかりません。キャビンアテンダントの仕事にどんな意味があるのかもわかりません。ただ、負けるのは嫌なんだよ」

 キャビンアテンダントの仕事の意味はわからないが、研修から落ちこぼれて「負け犬」になりたくない。
 そのためにキャビンアテンダントになる。

 これがこの1時間で美咲が出した結論でした。
 そして、恐らく全話を通したテーマになるでしょう。
 最終話で卒業する時に美咲がどんな答えを出すか?
 これに向かって物語は作られていくと思います。

 まず問いかけがあり、その答えを探すために物語が進行していく。
 実に正統派のドラマです。

 また、もうひとつのサブテーマは
 「あなたはキャビンアテンダントに向いてると思う?」というテーマです。
 実は美咲は彼女をバカにしている優等生たちよりずっと向いているのだと思います。
 今回は描かれませんでしたが、あんなハチャメチャな美咲の素質とは何かはちょっと知ってみたいです。
 比較になりますが、「トップキャスター」では飛鳥が抜擢された(向いていると判断された)理由は、「あなたが真っ白だから」とすでに答えを与えられています。
 事件の真相をニュースとして追う「トップキャスター」と「少女の成長を追う」この作品とはタイプが違うので一概には言えませんが、「トップキャスター」のこのせりふは少し直接的過ぎるような気がします。

★研究ポイント
 正統派ドラマとは?

★キャラクター研究:美咲洋子
 1.型にはめられるのが大嫌いな少女。自分流を貫く。
 その意味で、お辞儀の仕方まで決められるキャビンアテンダントの仕事は本当に彼女に向くのか?
 2.本質を見抜く力がある。
 彼女の悪口を言う同期の研修生を彼女はこう理解している。
 「エリート意識の強い女たち」
 「人の悪口を言うことでストレスを発散させている」
 ※なかなか鋭い!
 キャビンアテンダントをこう理解している。
 「空のお茶くみのくせして」
 「制服好きの男にモテてるだけじゃん」
 ※教官の三神たまき(真矢みき)には見方が浅いと怒られるが。 
 3.わりと純情
 ボーイフレンドに「制服姿を見てみたい」と言われて、キャビンアテンダントに。
 ボーイフレンドつかさに会いに行くと、彼には彼女が。
 彼の何気ない言葉、軽い気持ちでプレゼントしてくれたペンダントを信じている。
 4.物の見方は浅い。独断的。
 電車の切符が整備士・中原翔太(錦戸亮)の本にまぎれ込んでいると信じている。
 先程のキャビンアテンダントの理解もそう。
 5.負けず嫌い

★名セリフ
 三神に
 「できないのを逃げているだけでしょう?」
 「認めちゃいなさい。自分の負けを」
 いじめせりふ
 「キャビンアテンダントのレベルが下がるわ」
 「なんであなたみたいな人がここにいるのかわからない」
 「うちのクラスでなくてほんとよかった」

★名シーン
 面接試験。
 スーツで来なかった美咲は若村弥生(相武沙季)をトイレに引っ張り込むと、着ている物を交換して面接に。
 ※こんなひどいめにあっても「あの時の?面接受かったんだ。よかった」と言ってしまう弥生に拍手。

 ミスの理由を他人のせいにして中原に「すげえ格好悪い」と言われる美咲。
 負けず嫌いの美咲は通勤する中原を待ちかまえていて「2度と格好悪いなんて言わせねえ」。
 ※空港の塀に片足を乗せて、中原を待っている姿が絵としてよかった。

 ラストシーン
 たまき「美咲さん」
 洋子「何ですか?」
 たまき「ファスナー開いてます」
 洋子「きえぇぇ!」

★ディティル
 キャビンアテンダントの研修
 ・研修の教室は飛行機のキャビン、廊下は空港ロビーだと思え。
 ・座る時は背もたれにはもたれない。
  こぶしひとつぶんを開く。
  膝を揃え、少し右に傾ける。
 ・Enjoy the flight. と Enjoy the fright.
 操縦士は制服の腕に4つの線。副操縦士は3つの線。
 研修生には線はなく「カラス君」と呼ばれる。

★名バイプレイヤー
 南海キャンディーズのしずちゃん演じる同室のちいちゃんがいい。
 彼女が出るシーンは本編の物語には関係ないのだろうが、息抜き・遊びのシーンとしては秀逸。
 恋人にふられたらしく「旅に出る。止めんといて。探さんといて」
 旅に出る時に「あのドアは絶対開けんといて」
 ※部屋の中には何があるのか?

コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TBありがとうございます (さとちゃん)
2006-04-19 23:07:43
はじめまして、コウジさん。

TBありがとうございます。



コウジさんのご意見はどれも納得のいく内容で参考になりました。



>名シーン 面接試験

確かに。これは面白いシーンでした。



一つ気になったのが、教官の三神たまき(真矢みき)が、

教官というより宝塚風のハリのあり過ぎる台詞回しです。



>美咲の素質とは何か

ナゼ試験に合格したかの理由が、後で判ってくる「素質」と絡んできたら面白いですね。
Unknown (まこ)
2006-04-20 01:08:54
はちゃめちゃな設定でありながらも、

さほど不快感も無く楽しめたのは、

正統派のドラマの流れを感じられたせいかもと

記事を拝見してそう思いました
コメントありがとうございました (コウジ)
2006-04-20 14:21:01
さとちゃん様

まこ様



コメントありがとうございました。

それにしても天海さん、黒木瞳さんといい、宝塚出身の女優さんが活躍されていますよね。



はちゃめちゃさについていけないという意見をブログで書かれている方もいらっしゃいましたが、ぼくも大丈夫でした。

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