平成エンタメ研究所

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軍師官兵衛 第37回「城井谷の悲劇」~城井谷をどう攻めるか、お前が策を考えろ

2014年09月15日 | 大河ドラマ・時代劇
 秀吉(竹中直人)をコントロールできなくなった官兵衛(岡田准一)。
 中国大返しの時まではそうではなかったんですけどね~。

 権力とはかくも人を変えるものなのか。
 権力を持つと、万能感が生まれる、同時に逆らう者や自分の地位を脅かす者を怖れるようになる。
 あとはまわりに、石田三成( 田中圭)のようなイエスマンばかりを集めるのも困りもの。
 完全に<裸の王様>になってしまう。

 官兵衛もつらいでしょうね。
 秀吉なら寛容で笑いがいっぱいの世の中をつくれると思って手を貸してきた。
 秀吉という人間を信じてきた。
 ところが、今は決裂寸前。
 ふり返って考えてみれば蜂須賀小六は幸せだった。
 秀吉が一番いい時代の時に死ぬことができた。
 長生きが必ずしも良いわけではない。

 アンダーコントロール出来ないのは長政(松坂桃李)も。
 城井谷を勝手に攻めたのもそうだが、宇都宮鎮房(村田雄浩)を謀殺したのも官兵衛の本意ではなかっただろう。
 今回は「黒田が生き残る道はただひとつ……」というせりふで先送りになったが、官兵衛は秀吉を説得するどんな策を考えていたんだろう?

 官兵衛は中間管理職で支店長。
 しかも、ちょっと有能でない。
 社長の理不尽な命令には従わざるを得ず、部下は勝手な判断で動いてしまう。
 これはドラマのヒーロー像としてはイマイチ。
 今のトレンドは理不尽なことには敢然と立ち向かう半沢直樹ですからね。
 そんな中、作家は官兵衛をいかに魅力的に描けるか。

 長政が城井谷を攻めて敗走して来た時は、官兵衛は怒っていませんでしたよね。
 若さゆえの過ちとして許していた。
 演じた岡田さんの表情もそんな感じだった。
 官兵衛が怒ったのは、長政が「今は敵が油断しているから城井谷を攻める好機」と言った時。
「また同じことを繰り返すか! なぜ負けたかを頭を冷やして考えろ!」
 長政は勢いだけで、深く考えることをしない。失敗から学ばない。
 だから、じっくり考える機会を与えた。
「城井谷をどう攻めるか、お前が策を考えろ」
 今の長政に必要なのは、じっくり考えたことに拠る成功体験。
 失敗から学べないのであれば、成功から学ぶしかない。

 こんな長政と対照的に、糸(高畑充希)はデキる子ですね。
 光(中谷美紀)が長政の無事な帰還を告げると、
「当たり前です。殿がたやすく死ぬ者ですか」
 長政が落ち込んでいると、
「つらくても前に進むのが上に立つ者の役割です」
「私も家臣たちも殿とともに戦っているのでございます」

 宇都宮鎮房の娘・鶴(市川由衣)を迎える黒田家もやさしい。
「私もよく叱られました」「私もです」「私も」「私も」「私も」。
 明るくて他者に寛容なのが黒田家の家風。
 職隆(柴田恭兵)や官兵衛が大切にしてきたもの。
 しかし、外の世界では……。

 官兵衛の苦労はさらに続く。

 人間、上り坂の時は苦労も楽しいんですよね。
 一方、その人間の真価が試されるのは、下り坂の時。
 さて、どのように描かれるか?

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長政 (TEPO)
2014-09-15 12:29:50
>宇都宮鎮房を謀殺したのも官兵衛の本意ではなかっただろう。

鎮房謀殺については
(a)官兵衛による「黒田が生き残る道はただひとつ……」との決断の意を受けた長政が肥後の陣を動けない官兵衛に代わって実行した。
(b)長政の独断。
の二説に解釈が割れているようですが、コウジさんは(b)説をとられるのですね。私はどちらかと言えば(a)説に近い感じで見ていましたが。
ただし、たしかに宇都宮氏の帰順の場や官兵衛が朝房に優しい言葉をかける場での長政の冷ややかな視線が描かれていました。自分が討たれる寸前だった恐怖体験から、宇都宮一族を信じることができなかったのでしょう。

(a)(b)いずれが正しいのかは来週明らかになるでしょうが、いずれにしても今回のことが長政にとって大きな変化の契機となるように思います。それが「成長」なのか「傷」なのかはまだ分かりませんが。
宇喜多直家のような「怪物」なら顔色一つ変えないでしょうが、通常人、まして長政のような若者が人を「謀殺」するということはかなりのストレスとなる筈です。
実行の瞬間まで殺意を-少なくとも形の上だけでも-秘めておかなければなりませんし。
その意味で、今回の鎮房謀殺の場はなかなか迫力のある描写でした。「太平記」で尊氏が直義を謀殺した場面を思い出しました。

>今のトレンドは理不尽なことには敢然と立ち向かう半沢直樹ですからね。

「半沢直樹」-私はあまり見ていませんでしたが-は現実では満たされない思いを投影したヒーロー像なのでしょうね。一種「水戸黄門」的な。

>官兵衛の苦労はさらに続く。

先週の言葉を使うならば、官兵衛は益々「継ぎ接ぎだらけ」の道を歩むのでしょう。しかし、辛いですね。

>宇都宮鎮房の娘・鶴(市川由衣)を迎える黒田家もやさしい。

鶴ばかりでなく、朝房も、そして一徹者の鎮房自身までもが黒田家に馴染み、心を開きかけている描写があり、悲劇性を強調していました。

>権力とはかくも人を変えるものなのか。

今や「諸悪の根源」と化した秀吉、最近はまったくいいところなしですね。
見事な「悪の大魔王」ぶりです。
次回が楽しみです (コウジ)
2014-09-15 20:07:59
TEPOさん

いつもありがとうございます。

そうなんです、僕は(b)説でとらえています!
官兵衛がどのような策を考えていたかはわかりませんが、小寺の大殿の時のように、『目を離した隙にといったウソの理由をつけて宇都宮鎮房を逃がす。逃がしてしまった責任をとって自分は隠居する』みたいなことを考えていたのでしょうか。
でも、宇都宮鎮房は子も家臣もいますし、さすがに全員が逃げたというのは信憑性がなく、甘すぎますかね。
いずれにしても次回が楽しみです。

>「半沢直樹」-私はあまり見ていませんでしたが-は現実では満たされない思いを投影したヒーロー像なのでしょうね。一種「水戸黄門」的な。

そうなんです。
だから官兵衛の方がリアリズムの作品なんですよね。
現実は半沢直樹のようにはいかず、官兵衛のように苦労しなければならないことを世のサラリーマンは知っていますから。
なので、何とか<継ぎ接ぎだらけの主人公>も魅力的であってほしいと思っています。

鶴たちに関しては、その変化の過程が描かれていないという部分はありますが、一方でいい感じの省略のされ方だったと思っています。

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