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『アブラクサスの祭』/玄有宗久

2008-04-02 22:32:31 | 玄侑宗久

【2007.09.24】
玄有宗久 著『アブラクサスの祭』読了。
(新潮文庫)

仏教モノを読みたくて、手を出してしまったんです。
玄有さんの本は『アミターバ 無量光明』に続いて、今回が2冊目です。

以前は、少し読みづらかった印象でしたが、それは登場人物の特徴を受けてのことだと思えたので、今度こそ当たりを期待していました。

▼印象
やっぱり読みづらかった。
『アミターバ』以上に。
とにかく早く読み終えたくて、ページを捲るも、文章自体がパニックを起こしているような。その一因は、主人公である浄念という僧侶の精神状態がある。躁と鬱の入れ替わり。その語りには、ホント追いつけない。

読みづらさの原因が、著者の文章自体にあるのか、躁鬱の語りとしてのパニックなのか、僕には判断できません。
躁鬱に関する知識をもっていない僕にも原因はあるけど、ここまで複雑な文章にしなくてもいいでしょ。

▼比較
『アミターバ』は読みづらいながらも、一つの流れがあって、物理と仏教をなんとか合わせようとする試みが非常に面白かった。
一方、本作では、音楽と仏教と精神病が並立していた。どれも(?)馴染みがないので、ルー・リードなんて言われても、僕にはさっぱりわからない。それが残念。
そういう意味では、本作が『アミターバ』より劣っているのではなくて、僕の嗜好が本作に一致しなかっただけのこと。これは運。

▼表現
"浄念は自分が禅宗の僧侶であることを意識した。幽霊はいない、という立場。あるいは霊については語らない、という禅の立場を頭のなかで確認し(P.33)"
禅宗っておばけは認めてないの?!
これは初耳でした。禅宗ってそんな特異なんだ。
「精霊送り」とかするじゃん。どうなってるのかな。

"すべては心が造るというのが世界のルールなのだ。(中略)浄念は声が心を整えるのだと思い直し(P.35)"
なるほど。これがお経を詠む理由か。
「お経」という技を使って、「心」を整える。
「心」が全てを造る、つまり、祈る対象・信じる対象を造り出すのですね。
一理ある。

▼総じて
とにかく読みづらかった。
でも、仏教的な発想は、パニックしているなりに時々面白い表現が出てくる。
読んで損した、なんて思わないけど、なかなか手を出しづらい作家さんであるというイメージは払拭できない。

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