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愚鈍雑記

肖像画を描く・気味悪いわたしのなかの他人

2016年10月15日 | 日記・エッセイ・コラム

 

筆が走る。何気なく、なかば無意識に描かれた顔。せつない生命の不安げな表情。虚ろな眼差し。描かれたこの顔は内面にある外界への複雑な心情と同時に見知らぬ他人が塗りこまれている。ああ、いつもこんな顔がわたしを見つめている。二律背反する自己嫌悪とナルシシズム。肖像画は気味が悪い。いつまでも鏡の中を覗き込むように、わたしのなかの他人が嘲り笑っている。極めて個人的な感傷に覆われた肖像画という描写行為は、顔の中心に果てない遠近法の空洞に向け叫び続ける、何の意味もない壊れた音律が立ち上がるのだ。不条理な顔という領域をあてどもなくなでまわし、壊れかけた感性とやらが顔をコピーする。醜いわが顔を掻き回しながら何度もコピーするのです。

HIRAO ENDO( 画材=アクリル絵具とパステル)

 

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