Enoの音楽日記

オペラ、コンサートを中心に、日々の感想を記します。

鈴木秀美/読響

2017年07月13日 | 音楽
 鈴木秀美が客演指揮した読響定期は、プログラム前半がハイドン4曲、後半がベートーヴェンの交響曲第7番だったが、わたしは急用ができて、前半だけ聴いて帰らなければならなくなった。結果的には急いで帰らなくてもよかったが、それは後の祭り。仕方がないと自分に言い聞かせた。

 1曲目はハイドンのオペラ「真の貞節」序曲。そんなオペラがあったのか、というのが正直なところ。序曲は3つの部分からなり、交響曲のミニチュア版のようなもの。演奏時間約7分の可愛らしい曲だ。

 演奏は、弦が8‐8‐4‐4‐2の編成で、ヴァイオリンの比重が高く、しかも対抗配置なので、ステージの前面をヴァイオリンが占めるため、弦全体が軽く、明るく鳴った。正直にいうと、先日聴いたミンコフスキ/都響のハイドンの交響曲第102番よりも好ましい音だった。

 鈴木秀美は最近、在京のオーケストラをよく振り、わたしも何度か聴いたが、粘らないリズムの心地よさ、風通しのよさという面では、今回が一番だった。

 2曲目はハイドンのホルン協奏曲第1番。ホルン独奏は1984年生まれのフランスの奏者ダヴィッド・ゲリエ。先回りしていうと、ゲリエはこの曲と4曲目のトランペット協奏曲との両方で独奏を務めた。ホルンとトランペットの二刀流の奏者!

 楽器のせいか(楽器そのものの特性というより、楽器の選択のためだろうが)、ホルンでは渋みのある素朴な音がし、トランペットでは甘く艶のある音がした。その対比はあえて意図されたものかもしれないが、ともかく演奏会の構成として効果的だった。

 プロフィールによると、ゲリエは19歳でミュンヘン国際音楽コンクールのトランペット部門で優勝したそうだ。しかも「同時期にホルンを学び始め、すぐにフランス国立管の首席奏者に抜擢された」。トランペットでコンクールを制覇した後、ホルンで名門オーケストラに入ったという、驚くほかない経歴の持ち主。ちなみにフランス国立管のホームページを見たところ、今は名前が載っていないので、すでに退団しているようだ。

 3曲目はハイドンのオラトリオ「トビアの帰還」序曲。これもわたしには未知の曲だったが、1曲目の「真の貞節」序曲と比べて、劇的な深みのある曲だった。次のトランペット協奏曲は有名曲だけあって、明るく輝かしい。アンコールに第2楽章がもう一度演奏された。滑らかな歌いまわしの名演。
(2017.7.12.東京芸術劇場)
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