Enoの音楽日記

オペラ、コンサートを中心に、日々の感想を記します。

イヴァン・フィッシャー/ベルリン・フィル

2016年11月02日 | 音楽
 ベルリン・フィルの定期。指揮はイヴァン・フィッシャー。フィッシャーはベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団の首席指揮者なので、ベルリン市民にはお馴染みの指揮者だろう。

 1曲目はエネスクの「管弦楽組曲第1番」から第1曲「ユニゾンの前奏曲」。コントラバスを除く弦楽合奏とティンパニというとても変わった編成の曲だ。弦がユニゾンで息の長い旋律を弾く。東欧的な香りを放つ。途中からティンパニのロール打ちが加わり、劇的に盛り上がる。

 フィッシャーはなぜこの曲を取り上げたのだろう。前例のないユニークな曲だから、という理由からだろうが、次に演奏されるバルトークの「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」の第1楽章との関連が意識されてはいなかったろうか。バルトークがこの曲を知っていた可能性は十分あると思うが、関連はあるのかないのか。

 演奏はベルリン・フィルの弦の底力を発揮したもの。徐々に熱がこもり、厚みを増し、ついには大きな身振りで東欧的な叙情を歌い上げる。わたしは思いがけない深淵が口を開けるような感じがした。

 2曲目はバルトークの「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」。イヴァン・フィッシャーにとっては‘お国もの’なので、名演を期待していたが、意外に使命感や切実さは感じなかった。ベルリン・フィルならこの位はできて当然という感じの演奏。

 プログラム後半はモーツァルト・プロ。まずクリスティアーネ・カルクのソプラノ独唱でオペラ「ポントの王、ミトリダーテ」KV87から「愛する人よ、あなたから遠く離れ」。ホルンのオブリガートを伴う曲で、ホルンは若い奏者が吹いた。安定感のある演奏。カルクもホルン奏者とアイコンタクトを取りながら歌っていた。

 もう1曲はコンサート・アリア「哀れな私はどこにいるの!ああ、語っているのは私ではない」KV369。シャープで劇的な歌唱。カルクの実力を示した。なお、余談ながら、アンコールはなかった。日本ならアンコールに1曲位やるのではないだろうか。不満というのではなくて、習慣の違いを感じた。

 最後は交響曲第38番「プラハ」。エネスク、バルトークと組み合わせて東欧プログラムということだろうか。演奏は弦の音が澄んでいてクリアーだったが、この位はベルリン・フィルの日常的なレヴェルかもしれない。フィッシャーの指揮は遠慮がちに感じられた。
(2016.10.27.フィルハーモニー)
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