Enoの音楽日記

オペラ、コンサートを中心に、日々の感想を記します。

パーヴォ・ヤルヴィ/N響

2017年02月13日 | 音楽
 パーヴォ・ヤルヴィ指揮N響の定期Aプロ。前半はパーヴォの祖国エストニアの作曲家の2曲。

 1曲目はアルヴォ・ペルト(1935‐)の「シルエット―ギュスターヴ・エッフェルへのオマージュ」(2009)。ペルトは西欧へ紹介された頃の輝きが失われているのではないかと、わたしなどは(失礼ながら)思っているが、さて、この曲はどうか‥。

 冒頭のヴィヴラフォンやタムタムの深い響きの中から、コントラバスが呻くように立ち上がってくる。オッと思ったが、しばらくしてワルツのリズムが出てきたときには拍子抜けした。シベリウスの「悲しきワルツ」のペルト流のパロデイまたは再解釈だろうかと思った。またそう思わないと、腑に落ちなかった。

 2曲目はエルッキ・スヴェン・トゥール(1959‐)の「アコーディオンと管弦楽のための「プロフェシー」」(2007)。連続して演奏される4楽章からなり演奏時間は約24分の立派なアコーディオン協奏曲だ。木管と金管は2管編成、弦は8‐7‐6‐5‐4、そして各種の打楽器が加わる。アコーディオンにはPAが使われたが、違和感はなかった。

 第1楽章は鋭く尖った(レーザー光線のような)音が飛び交う。第2楽章から第3楽章にかけては静かに沈潜した音楽。アコーディオンのモノローグが続き、そこに打楽器や木管が影のように忍び込む。第4楽章はノリのよいダンス音楽。音の鮮度のよさがこの作曲家の身上だろうかと思った。

 アコーディオン独奏はクセニア・シドロヴァというラトヴィアの奏者。抜群のスタイルと美貌とテクニックの持ち主だ。アンコールにエルネスト・レクオーナという人の「マラゲーニャ」が演奏された。スペイン情緒たっぷりの曲。アコーディオンの音が軽やかに飛び回る。アコーディオンのイメージを一新させるものがあった。

 プログラム後半はシベリウスの交響曲第2番。なぜかは分からないが、パーヴォ/N響の彫琢を究めた厳しい演奏を聴くことができず、もったりした重さが付きまとった。さすがに第4楽章の再現部からコーダにかけては高揚感が生まれたが、わたしにはそれで帳尻を合わせたような感じもした。

 今更ロマン的な演奏に逆戻りもできず、かといって(第3番以降とは違って)第2番で何をやればよいのか、今ひとつ方向がつかめない‥人気のある曲だからやるけれど、といった感じがする演奏だった。
(2017.2.12.NHKホール)
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