Enoの音楽日記

オペラ、コンサートを中心に、日々の感想を記します。

インキネン/日本フィル

2017年04月23日 | 音楽
 インキネンのブラームス・チクルス第2弾。メインプロは交響曲第2番。先日の定期では交響曲第3番と第4番が演奏されたが、消化不良というか欲求不満というか、腑に落ちない面があったので(会場のオーチャードホールのせいもあっただろう)、さて、会場を横浜みなとみらいホールに移した今回はどうか、という気持ちだった。

 1曲目はブラームスの「悲劇的序曲」。冒頭のトゥッティの2回の和音が張りのある音で鳴った。オーチャードとは明らかに違う鳴り方だ。その後もクリアーな音像が続いた。それがインキネンのよさだと思った。先日の演奏は、やはりホールのせいか、それとも他の要因もあったのか。

 「悲劇的序曲」は、慌てず騒がず、じっくりした歩みで演奏された。インキネンの音楽に対する素直さがよく表れていた。日本フィルとの歯車も、先日より噛み合っているように感じられた。

 2曲目はニールセンのフルート協奏曲。フルート独奏は日本フィルの首席奏者、真鍋恵子。この曲は真鍋自身の選曲だろうが、そのせいか、この曲を十分に理解し、持ち前の温かい音色で、穏やかに落着いた演奏を展開した。

 それにしても、この曲は面白い。インキネンは「時々ちょっとクレージー」といったそうだが(日本フィルのツィッターより)、まさにそんなところがある。独奏フルートの他にクラリネットが準・独奏のように扱われ、またファゴット、バストロンボーン、ティンパニの独奏も多い。ヴィオラの独奏もある。

 たとえば(全2楽章からなるこの曲の)第1楽章後半で、独奏フルートのカデンツァになるが、そのときティンパニが弱音のロール打ちを続ける。そのうちクラリネットとファゴットが介入してくる。この風変わりなカデンツァが、はっきりとは終わらず、その気分を引きずりながら、終結部に移行する。

 この曲を‘室内楽的’と感じる向きもあるようだが、わたしはむしろ‘室内オペラ的’と感じた。独奏フルートは美しいヒロイン。そこにしつこい求婚者(クラリネット)や老僕などが絡む。この想像の当否は別として、ともかく何か隠れたストーリーが存在するのではないか、という気がする曲だ。

 3曲目はブラームスの交響曲第2番。フレッシュな音が鳴り、内声部がバランスよく聴こえ、リズムが粘らない演奏。第4楽章フィナーレは眩いばかりの光彩を放った。
(2017.4.22.横浜みなとみらいホール)
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