アチャコちゃんの京都日誌

サラリーマン人生を、4

㉖ アチャコのアキレス腱断絶日誌 株屋の独白

2017-04-18 09:19:35 | 日記

㉖ アキレス腱切った

 

・拳を振り上げた

 

高々に振り上げた吾輩の拳を、担当者の顔めがけて全力の一撃を与えた。仁王立ちの吾輩は、さらにもう一発殴った後、足元に転がっている工具の一つを拾い上げ担当者に向けて叩きつけんばかりに振り上げこう言った。「馬鹿野郎!お前のお陰でとんでもない事になったぞ!これはお客様の言い分が正しい。お前の負けだ。これでお前は首だ。わしも相応の処分になるだろう。それは良い。お前は懲戒免職だ。」「お客様に謝れ。謝れ!」そう言って、まさに工具を打ち付けようとした瞬間。

 

なんとお客が止めに入って来た。「ちょっと待て。」「止めないでください。」吾輩はもう一撃本気で振り下ろすつもりで構え直した時、お客は本気で吾輩の前に立ち、こう言った。「話を聞け。」「こいつは首になるのか?」「当然です。懲戒免職は再就職も出来ない、日雇いしか出来ない。サラリーマンの最もきつい処分です。場合によっては証券取引法違反の容疑で逮捕されるでしょう。」お客の空気が変化したのを感じた吾輩は、彼に「子供が二人いるんだろう?可哀想に一人は確か思い病気を抱えていたなあ。奥さんにもこれから大変な苦労をさせる事になるだろうなあ。」「とにかくお客様に謝れ。せめて潔くしろ。」彼は泣いていた。本当に泣いていた。吾輩も不覚にも本気の涙が流れていた。

 

お客は、この雰囲気に耐え切れず、「もういい。帰れ。」

以上が事の次第だが、いまだに人をダマシタことの罪悪感がよみがえる。部下である彼は、即医者に診てもらい全治1週間のけが。会社に戻りどう説明したか、覚えていない。株屋も投資家も昭和の人情味あふれるよき時代だった。

「吾輩のアキレス腱は、全治3か月だ・・・・・・。」

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