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漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)

アルツハイマー型認知症の初期徴候と漢方対策の考察

2011-09-01 | 老化・血流
アルツハイマー型認知症の初期徴候
・新たにインプット(記銘)できない:(記憶の3段階:記銘、保持、想起)
        例)電話が終わるとその会話を思い出せない
          電車に乗っていて目的地を忘れる
          駐車場のどこに止めたか思い出せない
・失語・失認・失行:人の話についていけない、物の名前が出てこない、道に迷う
          ネクタイを結べない・同じ服をなんども着てしまう など
・家事:手抜き、同じメニューの繰り返し、同じものをなんども買ってしまう など
・感情:うつ、アパシー(やる気がない)・おどおどした自信のない態度
・その他:体重減少

もちろん年齢とともに健忘は多くなるが(良性健忘)ある程度でおさまるもの。
それに対しアルツハイマー型の場合、症状がどんどん進行する。

(しかし、一緒に暮らしている家族などでは、歳だからとか性格がちょっと変わってきた
 などと決めつけ問題視せず、治療が遅れてしまうこともしばしばある)

アルツハイマーの脳の状態
年齢なりの萎縮とともに海馬領域の萎縮が目立ち、
そして海馬の萎縮を反映するような血流悪化が脳の広範囲にみられるそうだ。
またアミロイドの沈着も多い。

脳のリハビリ療法として、回想法、音楽療法、芸術療法などが行われている。
(穏やかに脳を反応させることが大切なのだそう。)

(2011/0825千葉大学医学部付属病院神経内科特任教授 平野成樹氏 講演から)


漢方薬対策について考察
最近「抑肝散」が認知症に良い効果があると発表されてから、
アリセプトと抗不安薬そして「とりあえず」抑肝散、という処方箋がしばしばみられるのですが、

認知症の症状や患者の体質をみていると、
大まかには、「痰湿」「陰虚」「腎虚」そして「お血」の改善かと思われます。
そこで抑肝散はというと、
平熄内風剤で、けいれん、歯ぎしり、イライラ、不眠など
よく子供のひきつけやむずかり、夜泣きなどいわゆる「疳が強い」症状に用いられる。
日本の経験方である抑肝散加陳皮半夏ならば、
痰湿証で紹介のある中医処方の転呆丹に似た生薬配合にはなりそうです。
強い精神的ショックや抑うつに伴って突然発生する場合は理気和血対策で
逍遥散合甘麦大棗湯などの紹介があります。
いずれにしても患者の状態を観察して処方を選ぶことが必要でしょう。

症状が長引いてくると、上記の処方だけでは本治にはならないと思われ、
高齢者の場合やはり欠かせないのは陰虚、腎虚、お血の対策だと思います。
陰虚によって陽亢症状(たとえば舌のこわばり、言葉がつまる、けいれん、
など)が現れることも考えられ、その場合は滋補肝腎に上記の処方を加える状況はあるでしょう。

滋補肝腎、活血という対策は認知症の予防にも充分役立つと思われ、
補腎についてはやはり有情之物が良く、参馬補腎丸などが候補となるでしょう。
これに活血対策として冠元顆粒や血府逐お丸そして水蛭を加えるなどが考えられます。
冠元顆粒については、脳の血流量増加や記憶の改善がラットの実験で確認されています。

認知症患者の服用について
認知症の人にとって、毎日薬を飲んだか飲まないかを管理するのはストレスです。
認知症がかなり進んだ状況であっても、頭の中は不安でいっぱいです。
患者に「薬飲んだ?」と尋ねなくてもよい服用環境をつくる工夫も必要でしょうね。
これからどんどん増えるであろう独居老人。
それが認知症を患った場合、今の介護環境ではなんとも悲劇的だ。
介護政策としてもっともっとグループホームの改善が望まれます。


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