漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

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不妊対策のポイント・卵子の質

2007-09-26 | 子宝・妊娠体質つくり
前回の「妊娠する確率の変化」で、「卵子の質がよければずいぶん妊娠率はよくなる」という話に続いて

卵子の質を高めるために

女性は生まれたときすでに数十万個の卵子になれる細胞を備えています。
そしてその細胞の中から選りすぐられ、ほぼ1個ずつ生理周期とともに育てて卵子となり、排卵するのです。
女性の生理年数でざっと計算すると、無事育って卵子となるのは数十万個のうちわずか400~500個です。

年齢とともにこれを育てる力は低下して、卵子の質は劣化してくるようです。

体外受精
この事態に、ホルモン療法という西洋医学的方法では、数で勝負というところでしょう。ホルモン剤で刺激して卵子を採れるだけとり体外受精に賭けるということになります。確かにデータをみると妊娠率は高くなっています。しかしこれも繰り返すとすぐに卵子採取ができなくなります。

体外受精の場合、早産や先天異常の割合が増える傾向にあるのも事実です。
これは高齢であるまたは不妊体質であるということ自体に原因があるだろうと考えられています。
高齢だから不妊体質だからしかたがないという判断です。


さて、ここまでの方法を再考すると、
西洋医学の発想には養生するとか育てるという概念が少ないと思います。事後処理は得意ですが。
(たとえば糖尿病になったらこのクスリ、ガンになったらこの手術といった考え方はあるが、ならないようにするためにこの方法という概念はまだ不十分)

そのため、卵子が老化しないためにとかもっと言えば若返らせるにはどうしたら良いだろうという発想や対策がありません。(若い女性から卵子をもらうという方向にしか行き着かない)

しかし現場では、ホルモン治療を半年以上連続して行うと基礎体温も乱れがちで反応性が低下するので、その後数ヶ月休んだほうが、ホルモン治療の反応が再びよくなるという事実があるようです。
この「休む」は、体を養生すれば卵子を作る力は再び増すということではないでしょうか

そこで中国の漢方療法ですが、
中国では、国を治める王が病気をしないように、歳をとらないように・・・等等を目指して食事や漢方の研究が積み重ねられてきた歴史があります。(この点は、戦争の怪我を手当する外科から発達した西洋医学と大いに異なるところです)

漢方は「究極の食事療法」だろうと考えているのですが、これを行うことによって確かに生理周期がみごとに整って基礎体温表がきれいになったりしています。

ホルモン剤で攻める方法ももちろん有効ですが、一方でこのような養生を行うことによって西洋医学では仕方がないという判断を下される年齢の問題や不妊体質の改善をすることができているのではないかと思っています。

次回は子供ができないからといって、それが何か?について書いてみようと思います。


不妊を考えるシリーズ(1)日本の出生率の現状
不妊を考えるシリーズ(2)妊娠する確率の変化
不妊を考えるシリーズ(3)不妊対策のポイント・卵子の質
不妊を考えるシリーズ(4)子供ができないからといって、それが何か?


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