
Last Destination
最終的にはこの山の茶屋が目的地であり、会いたい人が居る。ずいぶんと遠回りして来たがようやっと近づいて来た。
相変わらずの雨降りは変わらない……いや、山の方がしっかりと降ってる。
青森市街からゆっくりと坂を上り、霧に包まれた誰もいない萱野高原を過ぎ左へ折れる。冬しか来た事ないから、夏の景色を知らない。鬱蒼と茂る草木に目を奪われ、通り過ぎる所だった。
ここまで来ると寒い。先週までは暑くて根負けしそうだったのに、だ。
いつもの雪壁は草木の壁、冬はスカスカな木々も鬱蒼としていてなんだか八甲田っぽさを感じない。景色の開けないただ寒くて雨がうっとおしく、心までもが鬱蒼として来る。
冬には雪で埋まる銅像茶屋に辿り着く。左は冬期通行止めなので、雪の季節は交差点ではなくただ広いカーブなのだが、交差点だということに気づき右折。
しばらくすると田代平にでる。森林地帯から抜け、何となく視界が開ける感じがするが、あっちもこっちも濃い霧に視界を阻まれてるので残念。

3軒並ぶ一番右、「レストハウス箒場」
ここがこの旅の「Last destination」
目的達成の鍵となる人物ははたしているのだろうか……

非常に残念な事に、雨の為に他のお客さんは無く、じっくりと遊んでもらえた。
冬に八甲田山でスキーガイドをしているこの方に夏に会ってみたくて、わざわざ北海道を経由してここまでやってきた。
お昼ご飯を食べようにも先ほど山の様なマグロを食べたので、とりあえずはお茶でひたすらしゃべり続ける。冬にはスローな楽しい時間を提供してくれるtono-san、夏もスローな時間を共有させてくれる素晴らしいお方だ。ちなみに「箒場」の箒とは、箒(ほうき)で掃いたようにきれいな田代平の草原が語源だそうです。
初めの予定では、この茶屋の裏の素敵な林間でテント張ってキャンプの予定だったが、縦横無尽に容赦なく降る続ける雨、え〜いっ!と割り切って張っちまうか!とも思ったが、予報は今晩も良くはならない。テント張って八甲田山一周して、夕方には空いたビール瓶を並べるつもりだったが、その夢は叶わずである。

テーブルの横の柱に新メニューの張り紙、「焼干し風味ラーメン」とある。「焼干しラーメン」はゲレ食でこの時に食べた事ある。ま、普通だった。
対してこちらは、麺にイワシの焼き干しを練り込んだというものらしい。
夕刻になり、早めの夜ご飯にと食べてみる。
茶屋の母さんが丁寧に作ってくれる

焼干しラーメン650円也
見た目通りにファーストインプレッションは普通のしょうゆラーメンスープ。
麺を噛むと焼き干しの風味が鼻を抜けて行く。不思議なコンビネーションラーメン。

食べ進めるうちに少しずつ麺の焼き干しの風味がスープに移って、だんだんと風味が増して来る。サクッと食べてしまえばそんな感じで終わってしまうのだが、そこでPan-kun、ゆっくりとじわじわと麺を箸で揉んでる、すると焼き干しの風味がさらに増すのである。実際わたくしめのスープと彼のスープは違うものになっていた。新しい食べ方を見出した彼であった。
美味しいおにぎりも頂いて時間は17:00を過ぎた。実に4時間以上滞在してしまった。
テン泊したかった気持ちを抑え、再びカッパを着込み雨の中走り出す。
さて、今晩のお宿はどこにしましょうか?
とりあえず温泉地に行ってから適当に決めましょう。
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