☆ tsubuyaki ☆

OL&主婦の忙しい毎日 だけど楽しく暮らしたい
そんな私junochoの日々の出来事や
ふと思ったことを・・・

「終末のフール」

2008-07-03 12:20:52 | 本・雑誌
図書館で借りてきた本シリーズ

『終末のフール』伊坂幸太郎著

・・・もし、あと8年で地球に小惑星が衝突して
地球が滅びてしまうとしたら、あなたはどうしますか?
残された時間をどう過ごしますか?
  ・
  ・
  ・
そういうお話です。

仙台のとある街のマンションの住人を中心として、
それぞれの住人が、多少の関わりを持ちながら
残された時間をどう過ごすか・どう生きているかが
短編の様に綴られていきます。

地球が滅びてしまうと分ってから、最初の数年は
治安も何もあったものじゃない、とんでもない
荒れた世界になってしまっていたようですが、
それから5年ほど経ち、あと3年・・・という頃から
物語は始まっています。
街は穏やかさを取り戻しつつありますが、
それが平和というのか、単に人々のあきらめなのか。

その穏やかさを取り戻した街で、何とか生き延びた人々が
残された時間をどう捉え、どう考え、どう過ごしていくか。
その時気づいた事とは。。。

全部で8つのお話になっています。
どれもとても素敵なお話ですが、特に
最後の「深海のポール」ではボロボロ泣きました。
恥ずかしいほど泣いてしまいました。
8つのお話の集約にもなっているように思います。

本当に追い詰められた時、人は何を考え
何を感じ、そして何を見つけられるのか。
生きる意味?意義?権利?義務?

*****

数年前に息子に自殺され、その重荷を背負ったままの老夫婦


ずっと子供ができなかったのに、世界はあと3年という時になって
妊娠。。。産む?産まない?
その時、ずっと優柔不断だった夫が初めて自分で出した答えは・・・


地球が滅びる前に、復讐しようと押し入った相手の家では
丁度その相手が一家心中をしようとしているところだった。


両親は混乱の中自殺してしまい、残された娘は
一人でずっと父の書斎で、父の残した何千冊もの本を
すべて読み終え、次の目標の為に街へ出る。
そこで出会った人たちと。。。


たとえ地球が滅びると知っても、毎日のトレーニングを
何事もなかったかのように続ける、キックボクサーと
ジムの会長。そして、その姿の中に何かを見つけた少年


自殺しようとしたその時、大学時代の友人からの一本の電話で
過去を振り返った元会社経営者。


家族を失った役者志望だった女性が、
同じように家族を失った人のところで
偽家族を演じるうちに、そこにはやがて・・・


ずっと変人だと思って距離を置いていた父。
子供のころ自殺をしようとしたときにその父に言われた
「恐る恐る人生の山を登ってきて、つらいし怖いし、疲れたから
もと来た道をそろそろ帰ろうかな、なんて事はむりなんだよ。
とにかく登れ。登れる限りは登れ。」という言葉


・・・お話の最後では、地球が滅びるまで
あと2年ほどとなっています。もう目の前です。
それなのに、マンションを見上げるとベランダには
可愛い子供が手を振り、他の人の姿もあって。。。
清々しく、力が湧いてくるようなエンディングです。

生きることに余計な意味を求める必要なんてないと思います。
生きてることこそ素晴らしいし、意味があることなんだと。

エンディングの雰囲気を書いちゃったらネタばれかとも
思いましたが、でも題材からして、悲観的な・悲壮感あふれる作品だと
思われたら悲しいので、思い切って書いちゃいました。

ある意味、ありがちなストーリーかもしれませんが、
そこへ持っていくまでの話の作り方が、さすが伊坂さんです。

やっぱり伊坂作品を読むと清々しい気持ちになります。
ますますはまってしまいそうです。



7/2 ジョギングお休み・・・

あちゃ~やっちゃいました。
仕事帰りにデパート寄ってお中元の手配。
そしたら、ちょうど昨日からセールが始まってて・・・
ついついあれこれ見てたらすっかり遅くなって、
(涼しげなワンピース買っちゃいました!
さらにこの本を読むのに夢中になり

・・・気づいたらもう
出かけられる時間じゃありませんでした
今日は天気もつかなぁ~


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2 コメント

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8年っていうのが (エリ)
2008-07-04 22:46:42
ニクイ設定ですね。
あと数時間とかあと数日ならば、
思いつくことも限られているでしょうに。
年単位でこられると、たっぷり考える時間はあるし、とりあえず、死ぬまでは生きてかなきゃならないし・・。

そんな厳しい状況に、自分だったら耐えられるでしょうか。
家族や周りの人も生を全うすることができるのかなあ。
想像してると涙が出そうです。
くすん。

カリスマ性をもった救世主的存在が
「みんな、死ぬまでフツーに生きようぜ~」
とか言ってくれたらいいんですけど。
(できれば男前さん希望。)
Unknown (junocho)
2008-07-07 00:44:29
エリさん、こんばんは。

本当に井坂さんの作品にはやられっぱなしです。
私だったらどうするだろう。
何が出来るだろう。。。

本当の人間の強さって・・・
幸せって・・・
色々なことを考えさせられる作品です。
機会があったら是非読んでみてくださいね。

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