はしご湯別館

晴れたら山、雨なら温泉。さぁ、きょうはどっち!?

北岳肩の小屋テント泊その3・肩の小屋テント場

2017年07月22日 | 【山】南アルプス
前回からのつづき



あれほど晴れていたのに、北岳山頂から戻ると肩の小屋はすっかりガスの中でした。ガスに包まれるとヒンヤリ過ごしやすくなるんで大歓迎です。その後はガスったり晴れたりの繰り返しになりました。


では北岳肩の小屋をうろついてみましょ~。




はいコチラが今回お世話になった北岳肩の小屋です。ごらんの通り山頂の近くという絶好の場所に建っています。画像がやけにギラギラしているのは、昼間に撮ったものだからです。



標高3000メートルもあるんですね。往路の右俣コースでは熱中症でぷっ倒れるんじゃないかってくらい暑かったのですが、さすがにここまでくると快適でした。


さて、テントですが、



設営前に先ずはコチラの屋外窓口でテント受付をします。ここは売店も兼ねています。お客さんの殺到する時間帯は向かって右側にテント受付の人が並び、左側に売店のお客さんが並ぶという具合になっていました。中ではテキパキとしたおねぇさんがお客さんを次々とさばいてゆきます。外では感じのいいおにいさんが接客をしていました。


訪問時の料金設定はこんな具合。テントはひとり700円でした。料金を支払うと、このようなビニールテープのタグを渡されるので、テントの目立つ場所に括りつけます。別の色のタグも見かけたので、連泊など日によって色を変えているんだと思います。



こちらがメインのテント場です。トイレや小屋が近くとても便利な場所にあります。画像ではわからないのですが、目の前には富士山、左手には鳳凰三山、右手に北岳を見る事ができます。夜景や日の出も見られる、かな~り眺めのいいテント場です。(この画像は設営ラッシュの12:45頃の様子です)



メインテント場を別の角度から撮影してみました。全体的に崖側に向かって斜めってますが、我家が到着した11時半頃では好きな場所を選び放題だったので、ほぼ平らな場所を確保する事ができました。その後続々と到着し1時間半ほどであれよあれよという間に満員御礼。

最初「さぁどこに張ろうか?」と迷いましたが、斜面に沿った端っこポイントは眺めがいいんですが、そそっかしい我家では夜中のトイレ時に転がり落ちる心配があったので、念のため内側に張る事にしました。

ペグは刺さりにくいです。どこか刺さりポイントがあるんじやないかと角度を変えつつ打ってみても、周囲の土がモリモリと盛り上がってくるだけでうまく刺さってくれません。最終的には無理やり叩き込んでみました。中にはペグを諦めて岩や石に括りつけているテントもあったので、どこも同じような状態なんだと思います。


これが例によって代り映えのない我家のテントです。相変わらず絶好調に虫に集られてます。季節柄か、このコガネムシの子供みたいな甲虫がいっぱいで、テントの中にも数匹侵入。けれど不思議な事に夕方になると、虫達はみんなどこかに飛んでっちゃうんですよね。



こちらはトイレまわりのテントスペースです。画像はガスってますが、抜ければ鳳凰三山・甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳など大展望が得られます。心配なトイレからの臭いは、訪問時ではトイレ正面は大丈夫だったのですが、両端の窓からちょっと臭いが漂っていました。その日の風向きにもよるかも?



こちらは仙丈ヶ岳・甲斐駒ヶ岳・北アルプスなどが目の前に広がるテントスペースです。強風や悪天候時は直に影響受けやすそうな印象もありますが実際はどうなんでしょうね?



そして登山道の脇にもテントスペースがありました。登山道脇というと落ち着かない印象ですが、夕方になれば往来はなくなるので静かに過ごせそうです。むしろ我家の張ったメインのテント場の方が、小屋前広場の声がワーワーと上から響いて一番賑やかだったかも。こちらも稜線上のど真ん中なのでガスが抜ければ大展望が得られそうですが、強風時はキツイのかな。



トイレはテント場に近いコチラと小屋の隣の計二か所ありました。小屋の方は一度も利用していないので詳細はわかりませんが、コチラは男女共用のポットンで、数個の個室と男性用小便器があり、トイレットペーパーも設置、不自由はありません。建物自体はまだ新しい印象で、山のトイレの中では快適な方だと思います。あとは利用者のモラルとお腹の具合で快適度が左右されますかね。外には手洗い場も設置されています。



水は小屋の外にセルフの販売所があり1リットル100円でした。蛇口が一つしかないので夕方などはかなりの行列ができていました。



水は滅菌した天水との事ですが不純物の混入もなく、普通にいただくことができました。

お湯・お茶も別料金でわけてもらえるようですが、テント泊でもOKなのかは不明です。

往路の登山道で出会ったご夫婦おすすめの水場は小屋から15~20分ほど下った場所にあるそうです。ご夫婦によると水場周辺のお花畑が綺麗なので「ぜひ行ってみて」とおすすめされたんですが、軟弱な私は結局、水は買って済ませてしまいました。


こちらは小屋内にある売店窓口です。お土産の雑貨はもちろん、ハイカーさんが「今」使いたいものを豊富に取り揃えていました。今回は汗ふきシートを持参したので買いませんでしたが、大判のからだ拭きウエットテッシュが気になるとこ。60×60って、かなり拭きごたえあると思います。



山バッヂは6番を購入しました。


軽食とドリンクメニューです。ベンチとイスの置かれた小屋前広場は常にハイカーさんで大賑わい、昼には軽食メニューも飛ぶように売れて小屋のスタッフさんは大忙しでした。



嬉しかったのがコレ、コレですよ~~。キンキンに冷やされたビールが売られていました。山小屋といえば電力事情ゆえに冷えていない飲料が売られている事も珍しくないので、これは本当に嬉しかったなぁー。しかも飲み終えたペットボトルや缶も回収してもらえるんです。ありがたや~~。テント場には残雪があったので、飲み残したコーラをを雪の中に突っ込んで冷やしたりもできました。


一通り小屋の周辺をウロついたあとはテント場でお昼寝タイムです。相当疲れていたので昼寝らしからぬ熟睡っぷりでしたが、しばらくして何やら賑やかな声に目を覚ますと、もう夕方近くになっていました。



本日の夕食は例によってフリーズドライで簡単に済ませます。今回はモンベルで発売されたリゾッタなる商品を試してみました。名前のごとくリゾット風の柔らかごはんですが、なんと熱湯を入れてたった3分でできあがるんです。これまでのアルファ米系は時間がかかるのが難点だったのでコレはいいですね。味も普通に美味しかったですよ。



食後は賑やかな声に誘われて小屋前の広場に行ってみました。皆さんあちこちで宴会真っ最中。ベンチに座れないグループはマットを広げたりと、まるで花見時期の上野公園のような賑わいでした。そんな賑わいをよそに独り空をしみじみと見つめる人もいて、山の楽しみ方はそれぞれです。



賑わう宴会の横でひっそりとたたずむクロユリさん。


その時、突然「わぁっ!」と大きな歓声があがりました。



ブロッケンです!丁度テント場の上にブロッケンが映しだされました。



ブロッケンは不思議で、大勢の人が並んでいるというのに他の人の影は映しだされず、自分だけのブロッケンが見えるのです。あの雲には本当は何十ものブロッケンが投影されているはずです。



やがてブロッケンが消える頃、夕方の陽が雲を照らし始めました。



雲が綺麗だなぁ。



空が輝いています。



時が止まったように、みんな空を見つめていました。



やがてテント場にも日没がやってきました。



いや~~今日は、長い一日だったなぁ。
誰もがあの暑さに苦戦したと思います。どちら様もおつかれさまでした。


この日は昼間の疲れと寝不足で、目をつぶって3秒後には寝てしまいました。



7月16日(日)


夜になり一度だけ目を覚ましたのですが、テントの外はいつの間にかガスが抜け、街の灯りと浮かび上がる富士山のシルエットが見えました。

富士山の中腹には小さな灯りが見え、あれが五合目なんだと思います。(先週はあそこにいたんだよなー)なんて思いながら再び眠りについたわけですが。


さてその後、周囲の大きな物音で目を覚まし時計を見ると、まだ午前2時でした。どうやらテントを撤収しているようです。おそらく夜明け前の涼しいうちに少しでも距離を稼ごうという計画なんでしょう。そういえば去年の常念岳でも高校山岳部の団体さんが午前2時にテントを撤収し移動を開始してました。

「みんな本気モードだなぁー」と感心しつつ眠りにつくも、再び物音に目を覚まします。時計を見ると今度は午前3時台、しかもなにやらあちこちで物音がしています。「んん?何事だぁ?」と外を見ると、みなさんアタックザックを背負って北岳へ向かうようです。



「そうかぁ、ご来光を見に行くんだぁ・・」



小屋には早くも灯りがともり、ヘッドランプをつけたハイカーさんが続々と動き始めています。北岳はいくつもの灯りが山頂に向けて揺れていました。



・・・というワケで、周囲の流れに乗って我家も起きる事にしました。
空が薄っすらと明るくなってきました。どうやら日の出は鳳凰三山あたりのようです。



テント場の夜明けです。



オベリスクの空が染まってきました。



淡い空に富士山が浮かんでいました。



小屋前広場でも、たくさんの人が空を見ています。



雲がかかっていましたが、それでも美しい山の朝焼けでした。


朝食は例によってアルファ米でチャッチャと済ませ、そしてテントを撤収。



お世話になりました。



6:35では名残惜しいけど帰ります。この景色をしっかり眺めておきましょう。



この時間は下山する人、そして早くも登ってくる人の擦れ違いで登山道はやや混雑気味です。

それにしても、この時間にここまで登ってくる人って、バスやタクシーを利用して広河原から入山したにしては早すぎるし、いったいどこから来てるんだろう?と思い何人かに聞いてみると、皆さん「昨日は御池小屋に泊まりました」とのこと。なるほど御池小屋を早朝出発してきたって事ですね。


帰りは、その御池小屋を通るルートで帰ります。


稜線での景色を満喫した後は、昨日暑さに苦しんだ樹林帯に突入。まだ時間が早いためか暑くなく快適、快適。



そうこうしているうちに、御池小屋が見えてきました。・・とすると、この草地の急坂が「草すべり」ってところですね。いつの間にかオベリスクが、あんなに上に。



草地にはミヤマハナシノブが花を咲かせています。



8:00白根御池小屋です。草すべりから下りてくると、先ずは池に到着します。



この時間ではだいぶ撤収も進んでいると思いますが、こちらも肩の小屋に負けず、たくさんのテントが張られていました。



こちらが小屋です。まるでどこかのビジターセンターのようなしっかりとした造りで、なんとソフトクリームや、自動販売機まで稼働しています。スタッフはお揃いのポロシャツを着て、なんとも山小屋らしからぬ雰囲気がぷんぷん。ちなみに、ここに来るまでてっきり「みいけ小屋」かと思っていたんですが、どうやら「おいけ小屋」と読むらしいことが判明しました。



御池小屋で楽しみにしていたのがコレ、コレですよ~。南アルプスの天然水!まずは一口飲んでみると、冷たくて雑味が無くとても美味しい!家でも飲もうと持ってきた空のプラティパスに6リットル頂戴しました。料金箱を探すため周囲をキョロキョロしても見当たらず、どうやらなんと無料のようです!こんなに美味しい水が無料だなんて・・ありがたや~~。


御池小屋で少しばかり休憩の後、最後の樹林帯を歩きます。


・・・と、この先でちょっとしたハプニング勃発!前を歩いていたカップルさんに道を譲ってもらったので、ちょっと急いで横を通り抜けようとしたその時、三昧が谷側に足を滑らせ転び、あわや落ちる寸前!なんとか登山道の縁にしがみつき体をふんばり落ちずに済みました。危なかった・・アレは本当に危なかった。道を譲ってくれたカップルさんも、かなりビックリされていました。焦らずゆっくりと登山道は歩きましょう。欲張って大量に南アルプスの水を持ち出したバチがあたった!?


そして、



9:40広河原の吊り橋まで戻って来ました!



広河原からは、往路同様に乗合タクシーで帰ります。人数が揃ったら出発って事でしたが、丁度同じ時間帯に下山された方が何人かいて待たずに出発する事ができました。


去年富士山に登った日から「次は標高第2位の北岳だ!」とは決めていましたが、マイカー規制を面倒に感じなかなか足が向きませんでした。今回思い切って来てみましたが、早め早めに行動すれば交通移動もスムーズに行えて、それほど面倒ではないなと思いました。

なによりこの二日間天気良く(初日の猛暑はタイヘンでしたが)、心配していた雷雨もなく、風もなく、最高の山日和でした!


あと、ちょっと本音を言えば、あまりの人の多さに疲れた・・。