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名古屋高速都心環状線

2005-12-11 04:33:50 | 名古屋高速
 前回は放射線の大高線についての記事を書いたが、いよいよ今回はメイン路線の都心環状線(以下長いので環状線)についての考察を述べる。
 いまや全国に様々な高速道路が整備されているが、完全な環状になっている路線は都市高速にしか存在しない。首都高、阪神高速、名古屋高速の環状線である。このうち、阪神と名古屋は時計回りの一方通行で、首都高のみが通常の双方向通行型の環状線となっている。これは阪神と名古屋は一周が短く、また阪神高速には環状線を丁度二分するような形態で丼池線が整備されている為である。

 交通量が多い路線ではできるだけ分合流が少ないほうが多くの車を捌ける。首都高環状線は用地制約や整備時期が早いこともあって、分合流が多く、また加減速車線が短いこともあって、随所で致命的な渋滞を引き起こしている。中でも竹橋~江戸橋間、外回りの浜崎橋などは終日渋滞が激しい。環状線が詰まると渋滞はどんどん放射線へ伸びていく。

 それに引き換え阪神と名古屋は環状線が一方通行で分合流が比較的シンプルに設計されていることもあって、環状線が飽和状態になることは少ない。阪神高速はさすがに渋滞が多いが、環状線の渋滞よりも大阪港線の西長掘、池田線の塚本、東大阪線の法円坂など放射線を起因とした渋滞が多い。名古屋は環状線の山王付近が道路構造の欠陥で渋滞するが、首都高の飽和状態の比ではない。


 名古屋高速環状線の路線図。直線が多く、分合流も至ってシンプルに設計されている。


 首都高は現在中央環状線の建設が進んでいる。通過交通の多い首都高は中環、外環、圏央道の3環状の整備で都心環状線の渋滞はかなり緩和されるだろう。しかし特に外環の西側部分は全く空想段階であり、中環も板橋~大橋間以南の開通にはしばらく時間がかかるだろう。大阪では近畿道が外環の相当し、名古屋では東名阪道がこれに相当する。また更に外縁に圏央道に相当する東海環状道がすでに開通して
おり、名古屋圏の高速道路網はほぼ完成の域に達している(但し、すでに散々述べてきたが東名阪の料金面の障害から需要に見合った利用がなされていない)。
 蛇足になるが、各環状線のルート番号は全て異なっている。首都高はcircular routeで、頭文字をとって都心環状線はC1、中環はC2となっている。阪神はloopでL、名古屋はringでRである。

 
 名古屋高速都心環状線東別院付近。この先で3車線から2車線に減少される。


 名古屋高速都心環状線は東新町を起点とした1周10kmの路線である。各放射線の起点となっており、東新町の先、丸田町で2号東山線と分合流する。東山線は市街の東部を結ぶ路線であるが、高針問題により未だに交通量は2万台程度と低迷している。今後機会があればこの路線についても考察する予定である。
 丸田町の1km先の鶴舞南JCTで3号大高線と接続する。前項で述べたとおり最も交通量が多い放射線であり、鶴舞南でも環状線へ進入する車より大高線へ進む車のほうが多くなっている。逆に環状線は鶴舞南の合流で急激に交通量が増加する。東別院で降りる車により若干交通量が減るが、車線減少と急カーブにより名古屋高速で最も渋滞が発生するエリアである。

 山王カーブ。今後東海線開通時にJCT化され、同時に環状線側は3車線化される。


 この急曲線で車のスピードが徐々に落ち、延々大高まで10km渋滞列が延びるのである。名古屋高速は基本的に直線が多く、環状線の四隅みにある90度ターンはかなりの障害になっている。山王カーブからは4車線になり、すぐに新洲崎JCTとなる。ここで5号万場線が分岐し、交通量は大分分散する。新洲崎分流で環状線側は2車線に減少するが、すぐに万場線からの合流で3車線に復帰する。山王カーブと同じく環状線側は2車線だが、万場線への分流があるため、ここを起因とした渋滞はない。むしろその先の錦橋出口や明道町カーブn方がネックになりやすい。


 錦橋出口手前。錦橋は名駅エリアの最寄り出口の為、出口渋滞が発生しやすい。左の高層ビルはミッドランドスクエアというトヨタの国際部門が入居予定のビル。現在名駅エリアでは高層ビルが続々建設中で、錦橋出口の需要も更に増加すると思われる。


 錦橋出口は本線右側から分流するが、すぐに今度は左から名駅入口が合流してくる。環状線は他に東新町、東別院、丸の内の出入口があるが、錦橋・名駅だけなぜか出入口名を区別している。理由はわからないが、以前環状線が現錦橋まで開業時には錦橋出口も名駅出口と称していた。環状時のルート番号導入の際名称変更が行われた。


 明道町カーブ。左の用地が将来の清洲線用ランプウェイである。


 名駅流入後、本線はまた2車線に減少し、明道町カーブとなる。ここでは将来6号清洲線が分岐する。構造的には山王カーブと似ているが、山王カーブが拡幅される計画があるのに対し、明道町カーブでは計画がない。これは私の持論であるが、現在の名古屋高速で最も深刻なのは山王カーブである。夕方大高線からの交通量増大が起因となっており、山王JCTで将来合流する東海線も大高線と同じく南方からの重交通を担うことが予想され、山王付近では両線の合流で現在よりも状況が悪化しかねない。山王カーブの環状線側を拡幅することで、両線の合流の簡素化を進める狙いがある。逆に明道町JCTでは都心から北方へ抜ける車が多いと考えられ、流れは減少するポイントとなる。もちろん清洲線からの合流もあるが、清洲線は都心まで7km足らずの短い路線である。10km以上も都心から離れた大高線や東海線と比べ、都心までは一般道を利用する車も多いと考えられる。以上の事から、明道町付近は大きな障害とはなりにくいのではないかと私は結論付けた。


 東片端JCT。楠線方面への流動が多いが、3車線中2車線が環状線側へ振り分けられている。


 明道町を抜けると3車線となる。左側にはお堀端に名古屋市役所や愛知県庁が並ぶ官庁街である。丸の内を過ぎると楠線と分岐する東片端JCTとなる。ここでは名神・東名阪方面へ進む楠線への流動が多いが、分岐直前まで楠方面は最左の1車線しか与えられず、滞留が起きやすい。現在の所渋滞は発生しないが、将来的なネックとして懸念される箇所である。逆に環状線側は2車線の為、ここで速度を上げる車が多い。
 東片端で楠線を分岐し、東新町出口への分流後楠線上りと合流する。この先丸田町JCTにかけての区間と丸田町~鶴舞南にかけての区間は最近車線形態の変更が行われた。流動よりも安全面を考慮した変更で、特に丸田町~鶴舞南間では若干流れが悪くなった感がある。但し、この区間は大高線下り方面へのシンプルな流れが主体の為、大きなネックポイントにはならないだろう。


 以上環状線を簡単にまとめてみたが、将来的な問題として「織り込み交通の発生」という懸念がある。現在の環状線は何度も述べたとおり大高線⇔楠線の南北間移動が中心である。それぞれ南北路線が1本ずつである為、流れはいたってシンプルである。通勤・所用での利用が大半で、多くの利用者が混むポイントを熟知している。しかし、今後の4号東海線と6号清洲線の開通で、南北路線が2本ずつになる。短い区間で分合流が続く路線だが、更に2箇所JCTが増える。山王→明道町間では顕著に車線変更が行われる。山王カーブの拡幅は、ここを起因とした渋滞の緩和には絶大な効果があるだろうが、その先山王→新洲崎間の1km足らずの区間が今後織り込み交通による滞留が大いに懸念される。
 また、明道町で合流する清洲線の利用者の大半は東片端で環状線方面へ移動するので、ここでの織り込みも問題ではある。
 なにぶん開通していない路線なので、全ては開通後なのだろうが、750円という対価を支払っているのは、速達・快適な移動を求めるからである。

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