水色のliberia florencia

肩の力を抜いてぼーっと読めるような物語ブログです。
毎日、少しずつ書いていきます。

ジャスティンの大砲 066

2008-12-31 23:15:34 | ジャスティンの大砲
「エシュラ王、私を信頼して総参謀に任命して下さった
 寛容の心に感謝しております」

貴族たちはざわめいた。
ジャスティンが、ここまで謙虚な言葉を口にするとは
誰一人、予想していなかったのだ。

「私は、他国の政治についてあれこれ言うことは
 好きではありません。国によって人も文化も違い、
 政治が異なってくるのは当たり前だからです」

ユーリは一息ついて、続けた。

「ですが、隣国のアスールでは、多くの国民が飢えて
 おります。明日の食事どころか、今日のパンにさえ
 困っている国民が数十万人もおります。
 なのに、かの国は無謀にもわがヴェルテに戦争を仕掛け
 飢えた人の数を更に増やしております。

 私は、本来この世に絶対の正義も悪もいないと思っております。
 ですが、アスールの現在ははっきり悪だと思います。
 数十万人の国民が飢えている一方で、貴族たちは
 贅沢な食べ物を食べ、贅沢を極めている。
 これほどの不条理は、悪だと思います。

 幸いにして、わがヴェルテの民は、飢えることもなく
 搾取されることもなく、幸せに暮らしております。
 それはわが代々の王と、偉大なるエシュラ王の寛大な
 御心により、穏やかな政治が行われているからです。
 私は王の治世と、この国が大好きです。
 これからもずっとこの時代が続くことを望みます」

エシュラ王を始め、貴族たちはうなだれた。
ジャスティンの言葉を裏返せば、国民を虐げるような
政治を行う為政者に対する、強烈な批判が隠されているのだ。
そしてもしエシュラ王がそのような苛酷な政治を行うようなら、
強烈なしっぺ返しを行うような、そういう雰囲気があった。

「次のアスールの侵攻は、今より更に強烈になりましょう。
 その時こそ油断せず守って守って、できれば反攻できるよう
 今から確実に準備を進めて行きましょう。
 私がいなくても仕事をきちんと積み上げ、成果を出せるよう、
 各自が一生懸命考えて行って下さい。
 私からは、以上です」

エシュラ王の瞳に、涙が浮かんだ。
メシウ総将軍や、メリル将軍、ユーリの瞳にも涙が浮かんだ。
ジャスティンの言葉は単なる感傷ではなく、仕事にどう取り組むべきか
どう向き合うべきかを教えてくれるものだった。

エシュラ王は、頬を伝う涙をぬぐいもせず、無理やり笑顔を作った。
「皆の者、この戦は終わりではないらしい」
貴族たちも、無理やり笑顔を作った。
「今日はゆっくり寝て、明日からまた仕事を始めよう。
 幸いなことに、次の目標はジャスティンが決めてくれた。全く・・・」

「人使いの荒い女だ」
その言葉を聞いて、貴族たちはどっと笑った。
それはからかいの言葉ではなく、彼女に対する最大の賛辞だと
ユーリは思った。
仕事を地道に行って、着実に成果を上げることこそジャスティンの
最大の美点なのだ。


ヴェルテの空はどこまでも青く、平和な雲が所々に浮かんでいるだけだった。
(完)
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ジャスティンの大砲 065

2008-11-21 23:55:45 | ジャスティンの大砲
「私が死んだことは、ヴェルテの将来にとって、取り返しのつかない
 大きな損失でしょう」

貴族はしん、と静まり返った。
もしこのアスール戦の前だったら、彼女の言葉は傲慢で不遜な
恥程知らずな物言いとして、大きな失笑を招いていただろう。

だが、今回の魔法のような圧倒的な勝利を経験した後だと、
彼女の残した言葉がしみじみと胸に沁みる。
ジャスティンがいなければ、今回のこの勝利はなかったろうし
今後もあり得ないだろう。
そして、彼女が自分自身を含めたどんな人間も過大評価も
過小評価もしないことをよくわかっていたから、彼女が
いなくなった苦しさをより一段感じられるのだ。

「が、もう終わってしまったことはどうでもよろしい」

ジャスティンは、彼女らしいドライな一言で自分の死を
締めくくった。

「アスールは、このまま革命が起きなければ1年半後に
 軍勢を整え直してこの『巨人の戦斧』にやってくるでしょう」

おお!
貴族たちは、さっきまで戦勝で昂ぶってていた背中に
冷水を浴びせられたような気分になった。

「ですが私は戦争が始まる前にアスールの反乱分子を集めて資金を
 提供し、戦略と戦術を授けておきました。
 もしその作戦がうまくいけば、半年後にアスールで
 革命が起こり、王政は覆るでしょう」

王の広間は貴族のざわめきで満ちた。
ジャスティンは戦争が始まる前から戦後のことを考え、
布石まで打っておいたのだ。

「反乱分子の面倒は、メシウが見てくれる筈です。
 が、彼らの活動がうまく行くかどうかは、ばくちのような
 ものです。私の見るところ、成功の確率は3割5分でしょう」

メシウはユーリが読み上げるジャスティンの言葉を聞きながら
静かに涙を流していた。
いつも陽気なメシウとしては、異例の事だった。

「革命があってもなくても、アスールはいずれ『古代柵』を
 侵すでしょう。そして次は、彼らは大砲の存在を知っています。
 命懸けで大砲を破壊しようと襲ってくるでしょう。
 次回は、大砲の存在を秘匿しなさい。
 絶対に見つからない場所に大砲を隠しなさい。そして、どこか
 わからない場所から撃たれる恐怖で、彼らの戦意を削るのです」

いつの間にか、読み上げるユーリの頬を涙が伝っていた。
自分の未来よりもヴェルテの仲間の将来のことを一番に考え、
未来を少しずつ築いていくジャスティン。
ジャスティンが自分の死を確信しながらも出来る限りの
準備を進めていた姿が、ユーリの脳裏に浮かんでくるのだ。

「そして、陛下。恐れながら、一言よろしいでしょうか」
「ユーリよ、それもジャスティンの言葉か?」
「仰せの通りでございます」
「・・・わかった。続けよ」
「有難き幸せ」

エシュラ王が、メシウが、メリルが、貴族たちが見守る中
ユーリが口を開いた。
「陛下。発言を許可して頂いた事を、ユーリの口を借りて感謝します」
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ジャスティンの大砲 064

2008-11-03 20:42:32 | ジャスティンの大砲
流星のような赤と青の光が1つずつ、地平線の向こうに落ちていくのが
古代柵からも見えた。
「フェン様・・・」
ユーリたちヴェルテ兵は、なす術もなくそれを見送った。



負傷者や捕虜を収容し、隊列を組み直し、ヴェルテ兵たちは
退却の準備を始めた。
古代柵は、城塞都市の機能と守備兵を残したまま元の静かな
遺跡に戻り、それを背にして兵たちは引き上げていった。


「皆、よく働いてくれた」
各部隊の将軍たちが整列した王の広間。
エシュラ王は、満面の笑顔を浮かべた。
「おかげで地上最強のアスール陸軍を完全に撃破し、彼らの部隊は
 霧散した。これは、近年にない大戦果である」
彼は行方不明の、甥のフェン将軍の事では密かに胸を痛めていたが
表面上はそれを微塵も表さなかった。

「メシウ総将軍」
「はい」
メシウは、相変わらずボロボロのマントを羽織って王の前に現れた。
「御身の力により、各将軍が粉骨砕身戦ってくれた。
 おかげで不満も出ず、それぞれの長けたところを顕し、
 各人が絶大な武力を発揮することができた」
「ありがたきお言葉」

「メリル将軍」
「はい」
メリルは、傷ついた甲冑のまま王の前にひざまづいた。
「御身は一番の苦境にあって、守るべきところを守り、
 攻めるべきところを攻め、手堅い戦果を上げた。なにより」
エシュラは慈悲深いまなざしをメリル男爵に向けた。
「負けない、ということの価値を我々に十二分に教えてくれた
 そなたの武勲を後世に伝えるべく、石柱を立てさせよう」
「身に余る光栄です」

エシュラの言葉は、聞く者の心を打つ。
そして同時に、その言葉はそのまま褒章の多寡も兼ねているのだ。
書記官が傍で羊皮紙にその言葉を写し、それによって
後に与えられる褒章を決めることになる。

将軍たち、下士官たちを順々にねぎらううち、エシュラ王は
副参謀のユーリを呼び出した。

「ユーリ」
「はい」
「今回は、そなたの大砲が本当に役に立ってくれた」
「お言葉ですが、あれは全てジャスティン総参謀が
 計画し、準備し、実施したものです。決して私の手柄では・・・」
「わかっておる。だが、現にジャスティンはもうこの世にはおらぬ。
 お主が代わりにわが言葉を受けてくれ」
「ですが王様。ジャスティン総参謀から、皆様に伝言があります」
「・・・!?」
「このような事があることを予想して、ジャスティン総参謀は
 私にこの手紙を託しました」
「何と・・・」
「皆の前で読み上げてもよろしいでしょうか」
「…わかった。本来ならジャスティンの言葉があってしかるべきだからな」
「ありがとうございます」


ユーリは皆の前に行くと羊皮紙を開き、読み上げ始めた。
「皆さん、私がこんなことで死んでしまったことを残念に思います」
おお、と将軍たちはざわめいた。
ジャスティンは自分が死ぬことを予想していたのだ。
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ジャスティンの大砲 063

2008-10-13 23:05:09 | ジャスティンの大砲
「大事なのは『結果』です。『経過』ではありません」
ジャスティンの微笑み。
フェンは大声で叫んだ。
「お前の言った意味がわかったぞジャスティン!」

瞬間、巨大竜がその姿を消した。
フェンが真・竜言語魔法を解除したのだ。
向かい合った2人の魔術師たちは、重力に従って
落下を始めた。

「私の勝ちだ!」
足場を全く気にせず、巨大な炎を放つアリ。
フェンは全身を真紅の炎に巻かれ、のたうちながら
落ちて行く。

「チキティート!」
アリは、自分の竜を呼んだ。
白い翼を羽ばたかせてアリを追いかける白背の貴竜。
フェンとすれ違うようにして飛んでいく。

次の瞬間、竜の胸に氷の槍が突き刺さった。
氷の槍は竜の体を貫通すると、空中に消えていった。
「なにっ!?」
驚愕の表情を見せるアリ。
見ると、いつの間にか炎を脱したフェンが、その手に
氷の槍を構えていた。
足場を持たないフェンは、アリと同様に落ちていく。

胸の穴から大量の血が噴き出し、竜はのたうちながら
落ちて行った。
「・・・お前」
「私の魔力があなたの魔力より強かっただけです。そして・・・」
フェンはアリを指差し、まるでジャスティンのような口調で言った。
「今、あなたの竜を殺しました。これであなたは終わりです」
「お前・・・」

白背の貴竜を殺した、ということはフェンも足場を得る機会を
放棄した、ということだ。
アリは落ちていく。
フェンも落ちていく。

全ての終わりが、すぐそこに口を開けていた。
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ジャスティンの大砲 062

2008-10-01 23:04:35 | ジャスティンの大砲
「古代竜ミュランシャン!」
巨大竜の髭が、鞭のようにしなってアリを後ろから襲う。
アリは、まるで後ろに目が付いているように宙に
飛び上がって、その髭をかわした。

「ムダだ」
「北極海の蒼炎! 絶海の永久氷柱!」
フェンは、掌の中に小さな氷の柱を呼び出した。
真・竜言語魔法を発動しながらの通常詠唱魔法。
それを構えながらアリに対峙する。
「お前を討った後で、もう一度竜を呼び出す」

「ハッタリだ」
「何?」
「そんなに簡単に呼べるなら、戦いの序盤から呼んでいる筈だ」
「・・・」
「100回発動して1回成功するかどうかと見た」
「・・・」

フェンは涼しげな顔でアリを見た。
だが、アリの言葉は図星そのものだった。
真・竜言語魔法の発動確率は100分の1以下。
もしここで真・竜言語魔法を解除してしまえば
99%以上の確率で墜落死してしまうだろう。

「終わりだ」
アリの掌から、真紅の炎が噴き出す。
フェンはその巨大な炎に包まれた。
体中から無数の氷柱を出して防ぐフェン。

真・竜言語魔法を発動しながらの通常魔法。
フェンは体中の魔力をかきあつめて防いだが、
圧倒的に不利なことに変わりない。
髪の毛を炎に焼かれ、煙を吸い込み、フェンは
意識を失いそうになった。


その時、フェンの脳裏にジャスティンの言葉が蘇った。
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ジャスティンの大砲 061

2008-09-28 22:47:43 | ジャスティンの大砲
全速力で上昇するアリたち竜騎兵。
フェンの巨竜が、白い光に包まれた全身をくねらせて、
竜騎兵たちに腕を伸ばした。
兵士たちは、一心同体となった白背の貴竜の手綱を
巧みに引き、その攻撃をかわす。

鞭のようにしなる、巨竜の爪。
その先が、一騎の竜騎兵の竜の尾を掠めた。
「ぎゃあああああああああああああああああああ!」
瞬間、その竜騎兵は全身を青白い炎に包まれ、落ちて行った。

巨竜の顔の前まで上昇した竜騎兵たち。
額の上にフェン将軍が仁王立ちになり、一心に呪文を唱えている。
「竜言語魔法!」
アリ将軍が口を開きかけた瞬間、フェンの巨竜が大きな口を開けた。

「逃げろ!」
「ふしゅううううううううううううううううう!」

うなり声とともに、巨竜の大きな口から目にも止まらない速さで舌が繰り出された。
「ぎゃ!」
悲鳴を上げる間もなく、竜騎兵たちはその舌に巻き付かれ、
次の瞬間にはその口の中に引き込まれていった。
「ぶぎゃあああああああああ!」
竜の口の中から、くぐもった悲鳴が聞こえた。


そして。
竜騎兵たちのうち、その場に残ったのはアリ将軍ただ一人。
大陸最強・アスール軍八軍のうち、最強の魔術軍団が
弱小・ヴェルテ軍に惨敗し、ついに最後の一騎になったのだ。

「おのれ! よくも俺の兄弟たちを墜としてくれたな!」

巨大な蛇のようにうねり、しなり、暴れまわる巨竜の舌。
アリはその不規則な動きをことごとくかわし、ついにその額の上に降り立った。
フェンとアリの距離はわずか10歩。
竜言語魔法を使うには威力があり過ぎて使えない距離。

「チェックメイトだ」

竜言語魔法を発動していたフェン。
一瞬、呪文を唱える口を閉ざした。

「竜言語魔法を止めるか? やめればお前は足場を失い、地面に激突する。
 俺は自分の竜がいるから構わないが、お前はそうはいかないだろう?」

フェンは苦渋の表情で竜言語魔法を続ける。
アリは掌に通常魔法の炎を呼び出した。

「地獄の業火に呑まれろ! 第七煉獄の紅蓮火炎!」
炎は大きさを増し、その赤い色がフェンの瞳に映った。
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ジャスティンの大砲 060

2008-09-15 22:23:34 | ジャスティンの大砲
アリたちがかろうじてその炎をかわした、その瞬間、

「うぎゃああああああああ!」

竜騎兵の一人が、竜とともに全身を青白い炎に包まれ、
のたうちながら落ちて行った。
その体は、端から端からぼろぼろと崩れ、粉のように
なって宙に溶けていく。
青白い炎はどこまでも無限に伸びていって、遠くの
山に当たり、中腹を溶かし、巨大な穴のみを残した。
それは、アリ将軍以下アスールの龍騎兵たちが
一度も見たことのない種類の竜言語魔法だった。

「竜言語魔法『削除』!」
アリは、渾身の力で竜言語魔法を搾り出し、フェンの
巨大な竜に向かって放った。

白い光の柱が、フェン将軍の乗る巨大な竜に当たった。
他の竜騎兵たちの竜言語魔法も次々にその体に当たり、
その腹をずたずたに引き裂いた。

「やった!」

白い光に包まれた巨竜が、ぐらりと揺れた。
アリたちは、竜の背中の上で小躍りした。

「もう一息だ!」



フェンは、竜の額の上で瞳を閉じ、静かに呪文を唱えた。
瞬間、引き裂かれた巨大竜の腹に白い光が満ち、
傷跡がみるみる塞がっていった。

「ジャスティン、お前の言った通りだ」
巨大竜は、再び青白い炎をアリに向かって吐いた。
よけ切れない竜騎兵たちが2人、炎に包まれながら
落ちて行った。

「本物の竜言語魔法は、無敵だ」

フェンは、アリ将軍率いるアスールの、
無敵の竜騎兵たちを次々に落としていく。

アリは、急旋回で飛び回りながらかろうじて避け、
あと4人になった部下たちに向かって怒鳴った。
「竜の額に乗ってるヤツを落とせ!」
「了解!」

竜騎兵たちは、編成を組み直すと巨大竜の
額に向かって急上昇を始めた。
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ジャスティンの大砲 059

2008-08-25 22:46:22 | ジャスティンの大砲
「フェン、『竜言語魔法』という言葉は何かおかしくないでしょうか?」
「何だ? 唐突に」

5年ほど前の魔術軍事学校の校庭。
フェンとジャスティンは一緒に昼食のパンをかじりながら
雑談をしていた。

「『竜言語魔法』とは、文字通り解釈すれば竜の使う言葉の筈です」
「・・・そうだな」
「とすれば、古代の遺跡に残された竜言語魔法の呪文は、元々
 竜たちが使っていたものではなかったのではないでしょうか」
「・・・わからんでもないが、初めて聞く説だな」
「竜言語魔法は強力無比です。ですが成功しても、我々には、それを
 制御できる幅があまりにも狭すぎます」
「何が言いたい?」
「我々は、その本質をわかっていないように思われるのです」
「本質・・・?」
「そうです。竜言語魔法は、我々が制御できるものではありません」
「・・・」
「最近の発掘で、竜言語魔法にはその裏の章が見つかったのです。つまり」
フェンは唾を飲み込んだ。
「本物の竜言語魔法は、竜ごと召還するものなのです」
「まさか・・・」
「私は戦術の勉学に専念するため、これ以上竜言語魔法に関われません。
 ですがあなたならきっと、その先にたどり着けましょう」
ジャスティンはフェンに羊皮紙の束を手渡した。


アリたちの目の前に現れたもの。それは、竜だった。
白い光に包まれた、竜だった。

しかもそれは、アリたちが乗っている竜たちとは
比べ物にならないくらい大きかった。
光の竜の巨大な翼は、1枚ずつが山よりも大きく
その巨大な尾は、アスールのティグレ大河よりも太く、
その胴体は、アスールの巨大宮殿より大きそうだった。

その竜の額の上には、ごま粒ほどの大きさに見える
フェン将軍が乗り、アリたち竜騎兵に対峙していた。
フェンは、古代高等魔法で光の竜に命じた。

「真・竜言語魔法!」
巨大な竜は、その口を大きく開き、中から青白い
炎を吐いた。

おおおおおおおおおおおおおおおおおんんんんん!

炎は積乱雲よりも大きな塊となってアリたちに襲い掛かった。
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ジャスティンの大砲 058

2008-07-24 23:35:48 | ジャスティンの大砲
しゅん。
しゅん。
しゅん。

いくら封印を解放しても、魔術騎馬兵たちは
竜言語魔法を発動することができない。
アスール兵たちが軽々と発動しているのに比べ
ヴェルテの魔術が明らかに劣っているのは明らかだ。
ヴェルテ兵たちは、歯ぎしりをして天を仰ぎ、
鎧を打ち鳴らして悔しがった。

ぎょおおん!!!

古代柵が、青白い光に包まれて削り取られていく。
巨大な岩で築かれた古代の建造物が、まるで
砂の城のように軽々と削られていく。
エシュラ王が、メシウが、フルボが、フェンが、ユーリが
空を見上げて悔しさのあまり涙を流した。
あれほどの叡智と予測と計画とをもって備え、
あの強大なアスールを追い詰め、守り抜いた
ジャスティンの古代柵が、最後に突然現れた
竜騎兵たちに砕かれていくのである。


(あとは、仕上げだけだ)
アリ将軍は、古代柵の上空を軽々と飛び回りながら
ヴェルテの様子を見下ろしていた。
あの強固だった古代柵に、既に2箇所大穴を開けた。
穴はそのままでは渡れないが、水なり土なりで塞げば
アスールの大軍は、やすやすとヴェルテ側に渡れるだろう。
あとは、ヴェルテに立ち直る気力さえ与えないくらい
徹底的に古代柵を砕いておくだけで良い。

アリは、更なる呪文の詠唱を竜騎兵たちに命じた。
刹那、背中に圧倒的な光の圧力を感じた。
「なにっ!?」
振り返ったアリは信じられないものを見て、恐怖のあまり
悲鳴を上げた。
「わぁあああああああああああああああああああ!!」
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ジャスティンの大砲 057

2008-06-25 23:15:57 | ジャスティンの大砲
ジャスティンがいた空間は、古代柵ごと
白い光に包まれ、完全に見えなくなった。
やがて、白い光は少しずつその輝きを減らし、
ふっつりと消えた。

残ったのは、何もない空間。
円筒状に削り取られた古代柵、そしてその空間は
地面にも達し、暗くて深い穴がぽっかりと空いている。

「魔術騎馬兵! 早く竜言語魔法を!!」
フェンは自らも呪文を唱えながら、悲鳴のような
命令を下した。

「第128の封印を解放! 竜言語魔法『蒸発』を発動!」
「竜言語魔法『蒸発』を発動!」
「最後の封印を解放!」

魔術騎馬兵たちは次々に呪文の詠唱を終え、天に向かって
両手を突き出した。

しゅん。
しゅん。
しゅん。

前回と同様、魔術騎馬兵たちの竜言語魔法は次々に失敗していく。
フェンは、雲の上の、先程と少し違う場所で新たな光が
きらきらと発生するのを見た。

「急げ! 次の光の柱があっちに立つぞ!」
先程、ジャスティンを消し去った竜言語魔法の跡には
巨大な穴が空いていて、古代柵は完全に分断されている。
その穴の向こうの魔術騎馬兵たちは、穴のこちら側に
やってくることができない。
フェンを除く魔術騎馬兵は64人。
そのうち33人が穴の向こうに残されてしまった。

「残りの者! 目標を確認して竜言語魔法を撃て!」
魔術騎馬兵たちは掌を天にかざしながら、目標地点に向かって
馬を飛ばした。
「急げ!」
雲の上、一本の光の筋が地上に向かって伸びて、古代柵に達した。
ジャスティンが死守した古代柵がまた一箇所、崩れていく。
「最後の封印を解放!」
次の瞬間、魔術騎馬兵たちが、天に向かって竜言語魔法を
一斉に発動した。
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ジャスティンの大砲 056

2008-04-06 23:46:32 | ジャスティンの大砲
「私の一番の望みは、このヴェルテを守ること。
 今あなたがすべきは、私を助けることではなく、
 この古代柵を守り抜くことです!」
「しかし・・・」

フェンが苦しげな表情で呟いたとき、上空から
「どおん!」
という爆音が聞こえ、白紫色の光が更に太くなった。
古代柵の上で仁王立ちになり「削除」の竜言語魔法を
受け止めるジャスティンに、更に重圧が加わる。

「ぐっ・・・」
こらえ切れず、ジャスティンは膝を地面に付く。
「魔術反射」の魔術防御板が、白紫色の光に浸食され
更にぼろぼろと崩れていく。

彼女が頭上にかざす両腕から血管が浮き出しその表面に
ぴっ、ぴっ、と傷ができる。
ジャスティンの顔に、生暖かい血がぽたぽたと滴り落ちる。

「ジャスティン!」
フェンの悲鳴に近い叫び声が響く。
詠唱魔法…石投げ機・・・大砲・・・
フェンの知っている魔術も、それを生かす兵器たちも
上空高く、雲の上に隠れた竜使いたちを撃ち落すことはできない。
そもそも詠唱魔法は、効果こそ絶大なのに影響範囲が
あまりにも狭すぎるのだ。

「魔術騎馬兵! 竜言語魔法を!」

竜言語魔法に対抗するには、竜言語魔法を使うしかない。
たとえどんなに成功率が低くても、発動までに時間がかかろうとも
他に竜使いたちを撃ち落す方法がない。

ジャスティンは、荒い息を吐きながらフェンをたしなめた。
「フェン、戦場で竜言語魔法を使うのは愚かです。
 私を救うために使うのはやめておきなさい」
フェンは竜言語魔法の最初の呪文を唱え始めた。
(愚かだろうが何だろうが、お前を放っておけるかよ!)

ジャスティンは竜言語魔法の重圧に押しつぶされ、ついに
その両膝を地面についた。
「魔術反射」の光の板は、もはや紙の厚さしかない。

「第68の封印座標を宣言!」
竜言語魔法を発動するには「世界の扉」という複数の封印を
順番に説く必要がある。
「世界の扉」は、大きいものから小さいものまで合わせて128個。
これらの封印の座標を正確に宣言した上で、それぞれの「解放」を
行わなければならない。

封印の座標は、星々の運行によって常に変化している上、それらを
正確に宣言したかどうかは「解放」してみなければわからない。
ジャスティンが「ばくち」と表現するのも無理はない。

「第69の封印座標を宣言!」
フェンは次々に宣言していく。その目の前で、白紫色の光に包まれた
ジャスティンは、ゆっくりと崩れ落ちていった。

「ジャスティィン!」
「フェン。私の娘のことをよろしくお願いします」

瞬間、「魔法反射」の光の板がふつっと掻き消えた。
どおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおんん!
大轟音を立てて、ジャスティンのいた空間が、古代柵ごと
ふっつりとかき消えた。

「ああああああああああああああああああああああ!」
フェンの悲鳴が、空に響いた。
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ジャスティンの大砲 055

2008-03-20 19:47:43 | ジャスティンの大砲
「敵襲!」

見張りの兵士たちが叫ぶ。
灰の森の上空、竜たちがくさび形に隊列を組んで、
こちらに向かって来るのが見える。

魔術騎馬兵たちは、馬にまたがったまま等間隔で古代柵の上に立ち
詠唱魔術を唱えながら敵襲を待つ。

やがて。
竜たちは白い雲の中まで上昇して、姿が見えなくなった。

「最大警戒!」
ジャスティンは少しでも早く敵を見つけようと、白い雲を
見上げたまま叫んだ。
ぎりぎりと胃を締め付けるような沈黙がその場に漂う。
白い雲の、どこから敵襲があるのかわからない。

「分散!」
ジャスティンは魔術騎兵たちを更に分散させた。
フェンの騎兵なら、たとえどんなに分散されてもすぐに
一箇所に集まって仲間を援護できる。
それぐらい優秀な馬と、それらの馬を操れる騎兵たち。

彼女は、一番中央に仁王立ちして掌に青い光を集める。
「警戒をゆるめるな!」

竜たちの飛行速度ならもう到着していてもおかしくない。
だが上空は沈黙したままで、一見のどかな風景がどこまでも広がる。

「さらに分散!」
さすがのジャスティンも、敵がどこに来るかわからないこの状況では
手探りで相手の出方を伺うしかない。

刹那、
どおおんん!
という爆音と共に、ジャスティン周辺の古代柵が
白紫色の光の柱に包まれた。

「!!!」
とっさに「反射」の詠唱魔法を唱えて自分の上に「魔術反射」の板を
呼び出したジャスティン。
しかし、白紫色の光の柱はその板を端からゆるやかに溶かしながら
光の輝度を上げていく。

「これは…「削除」の竜言語魔法!」
アスールの竜使いたちは、その姿が見えない上空から竜言語魔法を
打ち下ろし、ジャスティンごと古代柵を「削除」し始めたのだった。

「…持たない…」
ジャスティンの詠唱魔法「魔術反射」が端から端からぼろぼろと
崩れていく。
彼女の顔に苦悶の表情が混じり始めた。

とっさに助けに入ろうとするフェン。
「来てはいけません!」
苦しそうな表情で、しかし声だけは冷静にジャスティンが言った。
「近寄れば、あなたも巻き込まれましょう」
「だからって…」
「絶対に私のそばに来てはいけません。私を助けては、いけません」

フェンが泣きそうな表情で叫んだ。
「見捨てられるかよ!」
「見捨てなさい。それが、私のためでもあるのです」
ジャスティンは、うっすらと微笑んだ。
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ジャスティンの大砲 054

2008-03-02 21:48:37 | ジャスティンの大砲
「相手のことがわからないからです」
「はぁ?」
「アスールの陸軍のことなら調べました。ヴァド総将軍のことなら
 出身地から朝食のメニューから隠し子のことまで知っています」
「…なるほど」
「ですが、いきなり現れたこの竜使いたち、白背の貴竜の部隊のことは
 全く知りません」
「…」
「隊長の名前も性格も、竜たちの魔術特性も兵士たちの性格も、
 わからないことだらけです」

ジャスティンは、軽くため息をついた。
「敵の隊長が普通の器なら、真っ先に我々がいる中央を狙うでしょう」
「そうか? 守りが堅くてそれは難しいと思うぞ」
「ですがここを落とせば、大軍が簡単に我がヴェルテに侵攻できます」
「そうだな…確かに」

ジャスティンは古代壁の向こうを指差した。
「敵の隊長の頭が良ければ、この古代壁の、あちこちに穴を開けるでしょう」
「なるほど…だがアスールの大軍はそこまで迂回するのは大変だぞ」
「穴がいくつも開けば、我々はそれぞれに注意を向ける必要が出てきます。
 実際にそこを通って侵攻する必要もありません。そこで中央突破します」
「確かに…」

フェンはジャスティンに向かって尋ねた。
「お前が敵の隊長だったら、どう攻める?」
「難しい質問です」
ジャスティンは腕を組んで、じっと考え込んだ。
「私なら大砲の弾が届かない上空からそっと下に降り、古代壁のあちこちに
 穴を開けておいて、反撃される前に逃げるでしょう」
「それで?」
「それぞれの穴から密かに兵士を忍び込ませておいて、最後に全力で正面に
 大穴を開け、ヴェルテ兵を前後から挟み撃ちにします」
「…我々の対策は?」
「壁の上で魔術騎馬兵たちを騎乗のまま散らばって待機させます。
 敵襲があれば、その場所に数人が集合して、力を合わせて敵を落とします」
「それは…可能なのか?」
「厳しいでしょう。集合したところで他の場所を襲われるかもしれません」

「それでいこう」
見ると、メシウがにこにこしながらジャスティンとフェンの前に立っていた。
「今の状況は、いまだに敵が圧倒的に有利。我々は後手後手に回るしか
 方法がない。でも、それが最良の選択肢ならそれでいこう」

ジャスティンが、珍しく自信なさそうに反論した。
「でも、この方法は『比較的』良いというだけです」
「わかってる。我々も彼らの恐ろしさをまざまざと見せ付けられた。
 だが、総参謀殿がそれより良い方法を思いつかない上に、
 恐らく検討している時間もない。その方法で行こう」
「メシウ…」
「俺は、お前の才能を信じてる。あと、俺はラッキーな男なんだ」
「ラッキー…ですか? ……わかりました。私はあなたの運を信じましょう」

ジャスティンはフェンの助けを借りて魔術騎兵をまとめ、
それぞれを古代壁の上、全体にまんべんなく配置した。
そして、自らは壁の中央に仁王立ちになった。

間もなく、見張りの兵士が大声を挙げた。
「注意!!! 敵襲!!!! 戦闘準備を!!!!」
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ジャスティンの大砲 053

2008-02-14 23:01:08 | ジャスティンの大砲
「ありえん…」
アリ将軍は、真っ青な顔をで天を仰いで呟いた。

彼の脳裏に、先程までの情景がちらつく。
白い光に飲み込まれ、追い散らされ、逃げ惑うヴェルテ兵。
弓矢も槍も、石投げ機も到底届かない上空から
最強の「竜言語魔法」を何発も打ち下ろした。
彼ら、アスールの竜使いに反撃することなど、不可能な筈だった。
しかも、副隊長のフォズは百戦錬磨。
あらゆる通常攻撃・魔術攻撃に対処する方法を知っている筈だった。
一体何が起こったのか…

「フォズがやられた経緯を報告せよ」
「はっ!」

竜騎兵の報告は不可解だった。
人の手は勿論、石投げ機でさえ及ばない上空に石を投げる「何か」が
ヴェルテに存在し、しかもそれが正確に狙いをつけながら
魔法弾を撃ってくる。
その魔法弾は「誘導」の効果のみを持つ、不思議な代物だった。
その意図は何なのだろうか?

唐突にヴァド総将軍が口を開いた。
「だが、我々はそれを経験した」
「…らしいな」
「方法はわからんが、ヴェルテは遠距離に魔法弾を撃つことができるらしい」
「その通りだ」
「その方法が、道具を使うのか魔術を使うのか、未知の生き物を使うのかは
 わからん」
「…」
「どうする?」
「決まっている」

アリは、ティーカップをお茶ごと投げ捨てて勢いよく立ち上がった。
「魔法弾が飛んでくる方に行けば、その正体は掴める。
 あとは我らの全力でその敵を叩くだけだ」
彼はひらりと自分の白竜にまたがった。
「全竜騎兵に通達。隊列が揃い次第、敵に強襲をかける」


「敵はすぐにここに飛んで来るでしょう」
ジャスティンは、いつものようににこりともせずに断定した。
「頭の良い敵なら、この『古代柵』のどこかに大穴を開けます」
「ジャスティン、お前が『どこか』なんてあいまいな言葉を使うのか?」
フェンはいぶかしそうにジャスティンを見た。
「いつも正確に未来を予言してきたお前が」

ジャスティンは、滅多にないことに眉をしかめて答えた。
「断言はできません。なぜなら…」
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ジャスティンの大砲 052

2008-01-20 23:24:40 | ジャスティンの大砲
ちょうどその頃。

アリ将軍は、白背の竜騎兵たちの悲鳴も聞こえない森の奥で
ヴァド総将軍と向かい合って座り、お茶を飲んでいた。

「これからどうするつもりだ?」
「どうもこうもない。一旦シエロに引き上げる」
「俺たちがヴェルテの奴らを蹴散らしているのにか?」

ヴァドは苦笑した。

「ああ。地上でヴェルテ兵を追撃しようにも、もう息が続かない」
「どういうことだ?」
「兵站だ」
「兵站?」
「ぶっちゃけて言えば、食料が来ないんだ」
「…」
「まず、俺たちはシエロで準備を整えるのに苦労した。
 小麦の値段が異常に上がっていたからな」
「みみっちい話だな」
「ああ。みみっちい話だ。だが宰相の物価引下げ命令さえ効かなかった」
「…」
「何者かが、食料の買占めを行ったんだ。最終的には王宮の租税貯蓄庫を
 2棟空にして、急場をしのいだ」
「…」
「だが、我々が遠征に出てから、『灰の森』を抜ける補給路を
 山賊が再三襲い、輸送部隊の食料を奪いやがる」

アリは白い歯を見せて笑った。
「俺たちが山賊を追い払おうか?」
「ありがたい申し出だが、無理だ。守るべき道はすさまじく長いのに
 山賊たちは森に隠れ、長い道のどこからでも襲ってくる」
「…」
「古代柵を破って敵から食料を奪えればいいが、こうやって散り散りに
 森の中に逃げ込んでしまっては、隊列を組むだけでも一日かかる」
「気の毒なことだな」
「隊列を組んで命令を再確認し、ヴェルテに反撃できるようになるまで
 更に一日かかる。それだけの大軍だ。だが情けないことに、たった
 二日間、まともに行動できるだけの食料がまだ届いていない。
 新手の山賊にやられたらしい。つまり…」
ヴァドは自嘲気味に笑った。
「我々には、退却以外の道は残されていない」
「なら、俺たちが古代柵に大穴を開けて、全軍の行軍を…」
「アリ将軍!」

彼らの上空から、竜騎兵が一騎、血相を変えて降りてきた。
「フォズ副隊長が!」
「何だ!?」
「敵に撃たれ、戦死しました」
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