さて、日産のBEVサクラも発売されたことなので改めてこの話題を。
エンジンの「最大出力」とはどういうことか? これはレシプロエンジンの特性に依存した言い方で、『新型ロードスターのすべて』から引用した特性グラフは以下の通り。
kWで表される出力の値は、エンジンの回転速度(エンジン回転数)に伴って右肩上がりになっている。これは機構上の特徴から“各部品が最高の連携をするタイミングで動いている限りは最大の力を発揮する”が、“それ以外の時は能率が落ちる”ことの結果と言える。
では、前回の「990 kgの物体を2秒間で100 km/hに加速する」ことはこのエンジンには可能なのか? ということを考えると、それは不可能とは言えない。一方で、「マツダロードスターを、自走で2秒間で100 km/hに加速する」というのは不可能になる。
この差を生むのが、自動車がエンジンの力をどう使うように設計されているかという制約によってくる。それは主に下の二つで、
1. 車輪とエンジンを、変速機を介して接続して駆動する
2. 変速機は6段のものを使う
ということになる。
それを踏まえて、理論的なNDロードスターの加速感をグラフ化すると、以下の通り(こちらの力不足で、X軸が時間になっていない)。
そして、例としてこの中でエンジンが90 kW以上を発揮している部分を抜き出すと
これだけになってしまう。
自動車の加速においてエンジンの最大出力が使われるポイントは、各ギアにおいて“エンジンが吹け切る”直前に限られるのだ。
エンジンの「最大出力」とはどういうことか? これはレシプロエンジンの特性に依存した言い方で、『新型ロードスターのすべて』から引用した特性グラフは以下の通り。
kWで表される出力の値は、エンジンの回転速度(エンジン回転数)に伴って右肩上がりになっている。これは機構上の特徴から“各部品が最高の連携をするタイミングで動いている限りは最大の力を発揮する”が、“それ以外の時は能率が落ちる”ことの結果と言える。
では、前回の「990 kgの物体を2秒間で100 km/hに加速する」ことはこのエンジンには可能なのか? ということを考えると、それは不可能とは言えない。一方で、「マツダロードスターを、自走で2秒間で100 km/hに加速する」というのは不可能になる。
この差を生むのが、自動車がエンジンの力をどう使うように設計されているかという制約によってくる。それは主に下の二つで、
1. 車輪とエンジンを、変速機を介して接続して駆動する
2. 変速機は6段のものを使う
ということになる。
それを踏まえて、理論的なNDロードスターの加速感をグラフ化すると、以下の通り(こちらの力不足で、X軸が時間になっていない)。
そして、例としてこの中でエンジンが90 kW以上を発揮している部分を抜き出すと
これだけになってしまう。
自動車の加速においてエンジンの最大出力が使われるポイントは、各ギアにおいて“エンジンが吹け切る”直前に限られるのだ。