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『社長の時間の使い方』吉澤大・著

2008年03月01日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534043597

「売上高も従業員も増えた。でも、よく考えるとカミさんと二人で
商売をやっていたときのほうが儲かっていた気がするんだよ」

多くの中小企業で聞けそうな言葉ですが、優秀な従業員を雇い、売
上も伸びたのに、なぜ、こんなことが起こるのでしょうか?

それは、社長がコストと時間をよく考えていないからです。

本書は、税理士の吉澤大さんが、会社を儲かる体質に変える、社長
の時間の使い方を説いた一冊。

既にネット上では話題となり、アマゾンは在庫切れのようですが、
なかなか面白い本なので、紹介することにします。

本書が説いているのは、トップマネジメント限定の時間管理術です。

世に出されている多くの時間管理本は、サラリーマンのための時間
管理術ですが、本来、時間の裁量が多い社長と少ないサラリーマン
では、自ずから時間管理術にも違いが生じるはず。

社長の時間管理は、あくまで費用対効果で測られるべきであり、本
書はまさにその点にズバリ切り込んでいます。

単なる時間の節約ではなく、どうしたら同じ時間でもっと稼げるか。

また、業務のマニュアル化や内部統制など、後々時間がとられそう
な仕事も、あらかじめ着手しておく必要性が説かれています。

内容はベーシックではありますが、トップマネジメントの時間管理
本として、有用な一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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中小企業の固定費の大半は「人件費」「支払家賃」「支払利息」

従業員を雇うとその従業員を収容するためにオフィスの家賃を支払
う必要があります。さらに、よい従業員を採用するためには一等地
のオフィスが必要で、そのためには多額の保証金を支払う必要がある

人は時間に余裕があると、その時間数に合った業務処理スタイルに
変えてしまう

一見パッチワーク的な対応のほうが結果的には組織効率を向上させる

損益分岐点までの売上高をつまらない「メシの種」で稼ぐことがで
きれば、それ以上は多少利益率に目をつぶってもワクワクする仕事
に取り組むことができる

もしあなたがワクワクする仕事にチャレンジしつづけたいのであれ
ば、固定費の小さな組織での成功を目指したほうがはるかに近道

社長が費やすべきは「ビジネスモデルの考案・選択」「他人にやっ
てもらうためのしくみ作り」「人脈形成と情報・知識習得」である

マーケットの大きさよりも粗利益率の大きい商材を選択することが
中小企業には必要

高い付加価値をつけるために中小企業が取るべき戦略は、専門分野
に特化し、その分野でナンバーワンになる「専門化」戦略

既存顧客に継続的に購入してもらうしくみを考えることこそ、時間
効率よく稼ぐ手法の一つ

「インフラ」のできあがったビジネスのなかで「他人ではなく自分
を選んでもらう」しくみを考える

マニュアル化によって、「自分で問題を解決する手法を見つけるた
めの基礎知識を提供する」

「問題児の間違い」も失敗事例としてできるだけマニュアルに取り
込む。そもそも他人には成功事例よりも失敗事例のほうが役に立つ

「従業員を犯罪者にしない」ために内部統制を意識した組織風土を
作ることも、社長にとって優先順位の高い時間の使い方

「異業種の常識」を取り入れることで効率的なアイデア創造が可能

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『社長の時間の使い方』吉澤大・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534043597
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◆目次◆

第1章 なぜ、社長の時給は下がりつづけるのか?
第2章 社長は昼にランチを食うな!
第3章 まず、効率よく稼ぐ手法を考案・選択する
第4章 できる社長は「他人にやってもらう」しくみ作りに時間をかける
第5章 「人脈形成」「情報・知識習得」も時間効率よくこなす
第6章 自由に動ける「社長ならでは」の時間管理術

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