旅の淡彩スケッチ便り

水絵描きと申します。旅と絵を描くことが好きです。国内外を旅行した思い出とともに旅先で描いた絵を載せています。

グレ シュル ロワン にて その2

2017年02月24日 | スケッチ
日本人画家として初めてグレの村を訪れて絵を描いたのは近代絵画の巨匠若き日の黒田清輝です。フランス留学中の彼はこの村で家を借りて住み、「読書」、「婦人図」、「赤髪の少女」など、留学中の代表作となるような作品を描きました。
この村には彼の名前を付けた通り(Rue KURODA seiki)まであります。芸術家を愛するフランスならではですね。
黒田の滞在以後、浅井忠、和田英作、岡田三郎助、白瀧幾之助、児島虎次郎、都鳥英喜、安井曾太郎などの画家たちが、この地を訪れ創作活動を行いました。

絵はグレの教会前の通りです。




グレ シュル ロワン にて その1

2017年02月17日 | スケッチ
孫が中高一貫校の試験にパスしました。フランス、シンガポールと転校して日本に来たのは小学3年生から。ハンディがあった筈ですが、頑張ってくれました。春休みになると泊りがけでやってくるので好きな卓球に付き合うことになりそうです。膝が痛いなんて言ってられません。

モレ シュル ロワンに宿泊した3日目の午後はグレに移動しました。パリからずっと私たちの足となってくれている運転手さんが不思議がって「なぜこんなマイナーな観光地ばかり巡るのか」と我々に尋ねました。スケッチをする私たちには最高の旅なのですが、彼にしてみればフランスにはもっと素敵な見どころが一杯あるのに時間がもったいないではないかと思ったようです。ちなみにフランスの地名によく出てくるシュル(sur)は「~に面して」という意味を表す前置詞で英語のOnに相当します。訳すと「ロワン川のほとりにあるグレの街」となります。

絵はセーヌ川の支流 ロワン川に架かるグレ橋です。シスレーもこの橋をモチーフにして描いています。





モレ シュル ロワン にて その2

2017年02月10日 | スケッチ
3連泊したモレ シュル ロワンの2日目は雨の降る悪天候。それでも夕刻近くには雨も小降りになったのでみんなと離れてロワン川沿いの道を歩いてスケッチポイントを探しました。しばらく歩いていくと人家が建つ傍にボートが係留されているところを見付けました。ここで描こうと構図を決めて描き始めましたがまた雨です。仕方なく写真を撮った後、ラフスケッチだけして現場を離れました。帰国してしばらくしてから私の敬愛する奥津国道先生のスケッチ集を見る機会がありました。ページをめくるうち、まったく同じところで先生が絵を描いているのに気づきました。当時私が撮った写真と比べてみると川沿いの道を歩くアベックがないのと係留されたボートの数が違うくらい。絵はまだまだ未熟ですが構図の取り方だけはプロの先生と一緒だと喜びました。絵は写真を元に奥津先生の絵を参考にしながらリメイクした一枚です。

モレ シュル ロワン にて  その1

2017年02月03日 | スケッチ


オン フルールに連泊後またバスに乗り今回の旅行の最大の目的地モレ シュル ロワンに向けて出発しました。「印象派の画家シスレーが愛した宝石箱」といわれる小さな街です。晩年の彼がここに住んで創作活動を行っていた家も残っています。ここで絵を描いているとき先生に引率された小学生のグループにどっと取り囲まれました。絵を覗きこんできたので歳を聞くと8歳とのこと。日本でいえば小学3年生くらいでしょうか。好奇心旺盛な子供たちに取り囲まれるのはレザンドリーに次いで二回目です。絵を描き終えてから絵はがきを出すために行った郵便局で、東洋人らしい男性から声をかけられました。「どこから来たのか」と訊くので「日本から絵を描きに来ました」と答えてから「あなたはどこの国の方ですか」と尋ねると「この町に住む中国人です」とのことでした。おそらくフランスに多い中国料理店で働いているのでしょう。絵はロワン川に架かる橋と教会です。