タゴールについてメモ その2
タゴールは英語圏で読まれているの?
昨年、米国西海岸訪問のおり、バークリーに数日間滞在しました。
バークリーといえば大学町であり、こういう町では本屋さんに立ち寄るのも楽しみです。
店内でいろいろな本を見て、最後にタゴールの本を探しました。
見当たらないので店員さんに「タゴールの本を買いたいのだけれど・・・」と訊くと、「ない」と言う。
「インドのすばらしい詩人なのに。だれも読まないのかしら」とつぶやくと、
「電子書籍で読むんでしょう、たぶんね」と、とりなしてくれました。
そういえば、アマルティア・セン著『議論好きなインド人・・・対話と異端の歴史が紡ぐ多文化世界』に、「タゴールとかれのインド」という章があり、興味深い記述があります。
これは秀逸な論考なので、後日あらためてご紹介したいと思います。
最後に、英語文学大事典*から一部を引用します。
*『オックスフォード世界英語文学大事典』 出版社DHC 2000年発行
ラビンドラナート・タゴール
ベンガル地方の詩人・小説家・劇作家・・・・・・・(中略)・・・・・・タゴールが最初に世界的な名声を得たのは、ある種の神秘家として、また賢者としてであった。1913年にノーベル文学賞を受賞するきっかけとなった散文詩集『ギーターンジャリ』は、Geetanjali(1912), The Gardener(1913), Lover's Gift and Crossing(1918)などを著者自らが英訳し、イェーツやパウンドら文学界の重鎮によって絶賛されたことによる(今日では、これらの英語版はベンガル語の原著に比べてあまりにもお粗末であるといわれている)。
原典:The Oxford Companion to Twentieth-Century Literature in English 1996