中国の状況に詳しい黒川君からのメールをご紹介します
中国の汚染度
10月26日、中国語のネットを見ていたら、見つかった写真2枚。
”中国東北部吉林省の省都、長春(旧満州新京)で、今年、暖房開始初日の様子。”
スゴイ大気汚染の状態がよく解る。
この辺はまだ地方なので、石炭暖房が主流。
それにしてもこの汚れようでは、あの国で生きて行くのも難行苦行!
2015.10.26 長春
2015.10.26 長春
中国の状況に詳しい黒川君からのメールをご紹介します
中国の汚染度
10月26日、中国語のネットを見ていたら、見つかった写真2枚。
”中国東北部吉林省の省都、長春(旧満州新京)で、今年、暖房開始初日の様子。”
スゴイ大気汚染の状態がよく解る。
この辺はまだ地方なので、石炭暖房が主流。
それにしてもこの汚れようでは、あの国で生きて行くのも難行苦行!
2015.10.26 長春
2015.10.26 長春
<再生可能エネルギーの現状と、電力のベストミックス想定(その4)>
7.今後の各種エネルギー発電の動向
2016年(平成28年)電力小売り全面自由化を前に、電力事業関連のビジネスチャンスが拡大している。自由化に向け多くの企業が新電力に参入し、既に6月時点で274社が登録されている。再生可能エネルギー発電は大型化を志向し、高設備利用率を持つシステムへの開発シフトが予想される。また、エネルギー自給率向上や環境に優しい新エネルギーの開発も加速される。さらに、エネルギーの地産、地消で市民発電所開発も進むと考えられる。
(1)原子力発電
再生可能エネルギー発電の導入、新エネルギーの開発が急速に進んでいる。一方政府はエネルギー基本法で原子力発電をベース電源として重要電源と位置づけ再稼働に向けて安全審査を実施している。しかし高いハードルの安全基準を容易にクリアー出来ず、また住民の理解を得ると云う難題もある。12発電所19基が審査申請しているが大幅な遅れとなっている。平成26年7月16日原子力安全委員会は再稼働に向けた安全審査を申請していた九州電力川内発電所1,2号機について事実上合格を決定した。8月15日まで国民からの意見公募を受け付け、8月下旬に正式に合格が決まる予定である。設備の検査や地元自治体の同意等の手続きを済ませれば再稼働が可能になり稼働は10月になると予想されている。また新しく建設準備中のプラントは着工が未定で、工事中の発電所の完成稼働も決まっていない。この様な状況下では、将来発電停止の状態のままで寿命を迎える発電所が出る可能性がある。
(2)再生可能エネルギー
太陽光の大型発電所の稼働、風力の洋上シフト、地熱、風力、中小水力の規制緩和、設備費の価格低下等で導入が加速すると考えられる。2016年(平成28年)から実施される電力自由化に向けて発電事業参入企業が大幅に増え、再生可能エネルギー発電稼働にも拍車がかかると予想できる。
(3)新エネルギーの実用化
2017年(平成29年)からシェールガスの輸入の見通しが付き、加えて水素の液体化、ガス化などの技術開発が実現し燃料電池車、大形発電用に適用されて新エネルギーの本命と脚光を浴びている。また日本列島周辺に豊富に埋蔵されている、メタンハイドレートは我国の自給燃料として大きな期待が掛かっている。今後、商業化に向けての開発が加速されるであろう。
(4)既存エネルギー適用機での技術開発
既存発電機の発電効率をアップしCO2発生削減・燃料の削減を実現する為、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた火力発電のコンバインド化、石炭火力の効率アップなど技術の改革が進んでいる。
(5)海洋エネルギー資源の開発
海に囲まれた日本は多くの海洋エネルギー資源に恵まれている。波力、潮流、潮汐力、海水温度差利用等の発電が急浮上している。2030年頃に実現する、壮大な計画が産学協同で始まっている。
(6)省エネ技術の進化
日本が得意とする省エネ技術は着実に成果を出し、GDPが上昇している環境で、電力使用量は大きく低下している。今まで取り組んで出来た省エネ意識は今後も継続し、また新しい技術が次々に開発され、エネルギー政策に大きく貢献すると考えられる。
8、将来の電力ベストミックスの想定(発電量ベース)
これ等を背景に、安全審査申請中の原子力発電が全て稼働し、かつ40年寿命を守られるとして、将来望ましい電力ベストミックスを想定した。
表-6は2010年(平成22年)、2013年(平成25年)は実績で資源エネルギー庁の資料であるが、2020年(平成32年)以降は当研究会の想定である。原子力発電の発電設備容量は、表―5の稼働に向けた申請中の安全審査が全て合格して再稼働の実現(19基、1889.4万kw)を前提とした。発電電力量は、寿命の原則は40年を厳格に守るとして、日本原子力産業協会の詳細資料から発電炉運用年数を調べ6年後(2020年)、16年後(2030年)で稼働出来る発電設備容量を集計し、これに対応した発電電力量を推定し比率を出した。再生可能エネルギー発電電力量比率は、経済産業省有識者らによる総合資源エネルギー調査会、新エネルギー小委員会の資料を参照し、期待を込めて設定した。火力発電の発電電力量は、原子力発電電力量、再生可能エネルギー発電電力量合せて不足分を補う量とした。
表-6 将来の電力ベストミックス
|
2010年 |
2013年 |
2020年 |
2030年 |
2040年 |
2050年 |
|
原子力発電 |
30.8% |
1.0% |
10% |
7% |
1%
|
0% |
|
火力発電 石炭、石油、LNG、水力。 (新規にシェールガス、水素、メタンハイドレートに期待) |
68.0%
|
96.8%
|
76% (22.8%) |
70% (35.0%) |
74% (37.0%) |
75% (37.5%) |
|
再生可能エネルギー発電 太陽光、風力、地熱、中小水力、バイオマス、海洋エネルギー、(大規模化洋上風力、地熱に期待) |
1.2% |
2.2% |
14%
|
23% |
25% |
25% |
表-6 将来の電力ベストミックス
注)( )内は従来の火力発電燃料が水素、メタンハイドレートに転換する期待値(2020年は火力の30%、2030年は以降50%とした) 出典 総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会資料、資源エネギー庁資料参照
おわりに
表―1に示すように実に多くの再生可能エネルギーを原料とした発電システムの導入、開発が、国の支援も受け進んでいる。本稿は実現しつつある主要再生可能エネルギー発電の動向、課題を重点に取りあげたが、新しいエネルギーのシェールガス、水素ガスは再生可能エネルギーに加えて、大きなウエイトでエネルギー政策の中軸を担うことになると考えられる。また日本近海に多く眠っていると確認されたメタンハイドレートも大量の国内資源として有望視されている。これ等が実現すると現在のエネルギー自給率6%を大きく上昇させ、エネルギーの安定化、エネルギー安全保障、CO2の大幅削などが実現できると期待出来る。再生可能エネルギーに加え、水素ガスの国内生産体制確立、メタンハイドレートの商業化が実現すれば、自給率50%以上も実現の可能が出来ると考える。電力のベストミックスはエネルギー政策が収斂して行くと考えられる値と、期待を込めて作成した。本稿では詳細には触れなかったが、平成25年エネルギー白書によると、東日本大震災と言う大きな変化はあったが、日本の得意とする省エネ技術が浸透し、平成22年に比しGDPは0.66%上昇しているが、電力消費量は8%減少して居り、省エネの効果大である。仮に平成26年から年率1%削減で2030年(平成42年)まで続くと、現状の16%削減となり、発電設備容量の抑制、燃料費の削減、CO2削減等、あらゆる面で利益拡大に繋がると思われる。再生可能エネルギー、新エネルギー開発、省エネルギー技術向上などで、燃料の自給率向上、輸出競争力の強化、CO2大幅削減などを実現し、豊かで住みやすい素晴らしい日本の実現を夢見て本書を執筆した。
本資料作成にあたって、経済産業省資源エネルギー庁、電気事業連合会、NEDOの白書、経産省の講演会資料等を参照させて頂いた。原稿作成にあたって新エネ研究会東日本の小林副理事長、小向事務局長にお世話になった、この場を借りて厚くお礼を申し上げます。
参考文献
・平成22年度再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査報告書, 平成22年度環境省委託事業 株式会社エックス都市研究所 他
・再生可能エネルギー.省エネルギーの現状と課題
資源エネルギー庁 省エネルギー 新エネルギー部 平成26年2月・再生可能エネルギー設備利用率 :NEDOエネルギー技術白書2011年
・発電のために使われる1次エネルギーの内訳 電気事業連合会「電源別発電電力量比率」2013年5月17日
・再生可能エネルギー発電設備導入状況公表:資源エネルギー庁 平成26年5月16日
・総発電量に占める再生可能エネルギーの割合 :資源エネルギー庁
・我が国の原子力発電の現状と原子力政策 :資源エネルギー庁
・電源別発電電力量構成比 :電気事業連合会 2014年5月23日
・経済産業省 有識者による総合資源エネルギー調査会 新エネルギー小委員会
・平成25年度エネルギー白書概要 :資源エネルギー庁
・日本の原子力炉(運転中、建設中、建設準備中など ):日本原子力産業協会国際部2014年7月
図 キャプション
図―1 2013年度 我が国の発電電力量の構成
図―2 再生可能エネルギー等(大規模水力を除く)による設備容量推移
図―3 再生可能エネルギー発電別発電量比率 (2013年3月末まで)
以上
筆者プロフィール
<再生可能エネルギーの現状と、電力のベストミックス想定(その3)>
5.有望な新エネルギー源
(1)シェールガス
表―1に示した中で、最も大きな期待が出来る。2017年(平成29年)から輸入開始の見通しが付き、火力発電の燃料費削減、CO2削減に大きな期待がかかる。アメリカはシェールガス革命となり、経済に大きな影響をもたらしている。電力分野では、石炭火力新規建設の凍結や原子力発電の新規建設の凍結、老朽炉の廃炉などに向かい、加えて余剰シェールガスの輸出に動いている。日本は国を挙げて輸入体制を推進しており、商社、プラントメーカー、輸送メーカー、電力会社、各分野の企業は体制と整えている。世界的にみると現状の生産量はほぼ100%が北米である。シェール革命は大きな効果を出しているが、半面生産過剰になり価格低迷で倒産企業も出ている。その他採掘時の環境汚染問題や従来の原油では生産出来ていた化学製品がコスト面で生産出来なくなるなどの問題も出ている。尚、フランス、ドイツでは地下水汚染懸念で開発禁止の政策をとっている。最大資源国は中国(米国の約1.8倍)であるが2020年(平成32年)頃の商業化見込みと言われている。その他2位にアルゼンチン、3位アルゼリア、4位アメリカと続いており、中国を筆頭に世界各地に(40カ国)埋蔵が確認されており、膨大なシェールガスの埋蔵量を保有している。ヨーロッパでも採掘が始まろとしている。
(2)水素ガス
水素エネルギーの活用はエネルギーセキュリティや環境負荷低減などの観点から、有望なエネルギーの一つであり、我が国が競争力を持てる分野として産業政策上意義がある。現在水素関連では省エネ、省CO2に資するエネファームが普及拡大している。新しく燃料電池車が平成26年度中には発売される予定で、これに伴って水素インフラ拡大に関連企業共同で取り組んでいる。関連企業は2018年度(平成30年)メドに100カ所以上のステーションを設置する計画が出され、その他企業も数拾ケ所の計画を表明している。国もステーション設置費用を1か所に2.8億円を上限として補助を出しており、加えて燃料電池車の購入価格補助を1台当たり200万円も検討している。補助金や規制緩和で後押しする方針で普及に向けた体制整備が動きだしている。一歩先に走っている電気自動車の普及についても、充電ステーションを拡大する計画が進んで居り、電気自動車、燃料電池車がそれぞれ特徴を生かし、用途に応じて住み分けしたニーズ開拓に向かっている。油田、ガス田、石油精製工場等で大量に発生する水素ガスを常温常圧で液化し専用船で輸送輸入。難問であった液化水素のガス化技術が開発され、大量のガス供給の道が開けた。燃料電池車、バスその他 の自動車、航空機、水素ガス発電などに拡大しようとしている。初めての水素発電所は、既に東京湾岸に容量9万kwの発電所を建設中で、平成26年商業化が実現する。川崎市はメーカーと共同で「水素エネルギーフロンティア国家戦略特区」を国に提案していいい。将来再生可能エネルギーで発電した電力を使い、無尽蔵である海水の電気分解で水素を取り出し、蓄電池の様に水素を蓄え、自動車や発電の主要燃料となる可能性を持っている。豊富な太陽光と大きな空き地を持つ地域で発電し、天然ガスをパイプラインで送る様に海岸に設置した水素プラント迄送電ラインで送り、この電力で水を電気分解し水素を効率よく製造、輸出や直接水素ステーションに配送と言ったことが国内外で考えられる。水素関連の技術は世界に先駆けており、大きな可能性を持てるエネルギーである。
(3)メタンハイドレート
西日本太平洋沿岸に豊富な埋蔵量がある事が判明している。平成25年3月に愛知、三重県沖で採掘に成功し、新たな国の「海洋基本計画」では平成30年代を目途に、商業化の実現に向けた技術の整備を行う。平成30年後半に民間企業が主導する商業化のためのプロジェクトが開始されるよう技術開発を進めている。日本周辺の南海トラフ、(東海地方沖から宮崎沖)、北海道周辺海域に日本の天然ガスは国内使用量の100年分に匹敵する埋蔵量があると言われている。平成26年度は隠岐周辺、上越沖、最上トラフ、日高沖で調査を進めている。太平洋側は砂層型、日本海側は表層型と言われ、昨年度から資源量掌握に向けた調査を開始している。資源ポテンシャルは大きく、日本は世界最大のエネルギー資源大国になる可能性を持っていると言われている。
6.原子力発電の状況
(1)原子力発電所の状況
表4は停止中の我が国原子力発電所の状況である。現在、保有原子力発電炉は48基、安全審査申請中は19基、安全審査未申請29基である。その他48基以外に建設中(現在中止)4基、建設準備中8基、廃止決定11基である。
|
発電炉基数 |
発電能力 (万KW) |
現在保有 |
48 |
4426.4 |
内安全審査申請中 |
19 |
1889.4 |
内安全審査未申請 |
29 |
2537.0 |
建設中(現在中止) |
4 |
442.1 |
建設準備中 |
7 |
1158.2 |
廃止決定 |
11 |
641.9 |
表―4 日本の原子力発電炉の状況 出典:日本原子力産業協会 国際部 2014年7月
表―4のように48基を保有しているが、2012年9月(平成24年9月)より大飯原発の停止で、日本の原発は総て停止している。再稼働を目指し原子力安全基準にしたがって原子力規制委員会で審査を進めている。政府の方針である規制委員会の「審査合格」の条件を容易に満たす事が出来ず、平成26年7月時点では再稼働は実現していないが10月に稼働の予測が出ている。各発電所の再稼働を目指した安全審査申請状況や、各発電設備の運転年数、40年寿命を前提に、表―4の元資料である「日本の原子力発電炉(運転中、建設中、建設準備中など)」を発電炉毎に分析し、運転開始後の運用年数を5区分に分類して見た。これにより残存寿命で今後どの程度の発電能力が保持できるか判る。
表-5から40年寿命を厳格に守るとして現保有の設備容量4426.4万KWから20年後には2817.7万kw(63.7%)、30年後には3966.6万kw(89.6%)が減少となる。
単位万kw
設備状況 |
基数 |
設備容量 |
運用年数.基数.設備容量 |
|
||||
0~10年 |
11年~20年 |
21年~30年 |
31年~40年 |
41年~ |
||||
廃止 |
11基 |
641.9 |
|
|
|
6基 389.7 |
5基 252.2 |
|
現保有設備 |
48基
|
4426.4 |
4基 459.8 |
11基 1148.9 |
18基 1724.2 |
12基 973.8 |
3基 119.7 |
|
内:安全審査申請中(12発電所) |
19基 |
1889.4 |
2基 201.2
|
7基 792.4
|
9基 785.8 |
1基 110.0
|
|
表―5原子力発電炉の保有基数、運用年数(平成26年7月現在)
出典 日本原子力産業協会(平成26年7月17日)
<再生可能エネルギーの現状と、電力のベストミックス想定(その2)>
(5)各種発電の設備利用率比較
発電設備の利用率は既存発電では、大規模水力発電を除いて非常に高い。導入が順調に拡大している太陽光発電は、天候・日照時間に影響され12%と利用率は特に低くい。試算として、利用率70%の原子力発電一基100万kwを太陽光発電で賄った場合、これをカバーするには、約5.8倍の580万kwの設備を要することになる。一日24時間平均が12%なので、発電する昼間を約12時間とすると、2倍の24%となる。従って2.9倍の290万kwの設備で対応できることになる。
表-2は色々な種類の発電設備の利用率比較である。
既存発電 |
再生可能エネルギー発電 |
|||||||||
火力 |
原子力 |
水力 |
地熱 |
太陽光 |
風力 |
地熱 |
中小 水力 |
バイオマス木質 |
||
LNG |
石炭 |
石油 |
||||||||
80% |
80% |
50% |
70% |
20% ~30% |
80% |
12% |
陸上20% 洋上30% |
80% |
60% |
80% |
表―2 発電設備利用率比較
出典:コスト等検証委員会及び水力は経済産業省.資源エネルギー庁電量調査統計(平成22年7月)
(6)固定価格買い取り制度の概要
国は平成21年に余剰電力買取制度を施行、平成24年7月には固定価格買取制度を施行し、再生可能エネルギーの拡大を図っている。固定価格買取制度の内容は下記の通りである。
(a) 太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスについて、電気事業者に、国が定めた調達価格、調達期間での再生可能エネルギー電気の調達を義務付け。
(b)調達価格・調達期間は、調達価格等算定委員会の意見を尊重し、経済産業大臣が決定。
(c)調達価格は再生可能エネルギー電気の供給の効率的な実施に通常要する費用等を基盤に、再生可能エネルギー発電業者の適正な利潤を勘案し算定される。 また、集中的に再生可能エネルギー導入拡大を図るため、法律の施行から3年間は、特に利潤に配慮することとされている。
(d)電気利用者(家計や企業)にとって賦課金が過剰な負担にならないよう、①新規参入者向け買取価格の毎年見直し、②定期的な法律の施行状況の検討、平成33年3月31日までの抜本的な見直し、③電力多消費産業に対する賦課金の軽減処置(その補填として、平成25年度は191億円を処置)を法定している。
表―3は各種再生可能発電の平成25年度26年度の調達価格と調達期間である。
太陽光 |
価格(円) |
調達 期間 (年) |
地熱 |
価格(円) |
調達 期間 (年) |
||
|
25年 |
26年 |
|
25年 |
26年 |
||
10kw以上非住宅用 |
36 |
32 |
20 |
1万5000kw以上 |
26 |
26 |
15 |
注)ダブル発電(自家発電併用)
|
注)中小水力25年の( )内は既存水路活用の場合、( )なしは総て新設の設備。
バイオマス (25年を据置) |
メタン発酵ガス (バイオマス由来) |
間伐材料等由来の 木質バイオマス |
一般木質バイオマス、 農産物残さ |
建設材料廃棄物
|
一般廃棄物その他 バイオマス |
価格(円) |
39 |
32 |
24 |
13 |
17 |
調達期間(年) |
20 |
表―3 各種発電平成26年度の買取価格 注)太字は平成26年3月26日公表の値、その他は据え置きの値
出典 経済産業省資源エネルギー庁 平成26年度買取価格.期間(平成26年4月~27年3月)
4.各種エネルギー発電の特徴、課題
前述のようにいろいろな種類の再生可能エネルギー発電が導入拡大、開発されているが、主要な発電についてその特徴と課題について概要をあげる。
(1)太陽光発電
(a)他の発電システムに比較して、コスト安、設置上の規制が少ない、設置場所が広範囲に存在するなどで順調に拡大している。平成24年度末の実績では729万kwに拡大、それまでの集計は住宅用が80%を占めている。しかし平成25年に運転開始した設備は、10月末時点で、住宅用が87万kw、非住宅用が312.3万kw。今後は遊休地の活用規制緩和等で、大型プラントの開発が加速すると予想される。大型プラント例では長崎県宇久島では43万kw(計画)、岡山県瀬戸内23万kw(開発中)等がある。近い将来、これ等を筆頭に大型プラントが次々に稼働を始め、太陽光発電の比率が高まることが想定できる。尚、現在稼働中の最大プラントは鹿児島県七つ島の7万kwである。
(b)日本製太陽光パネルは住宅用、非住宅用も含めて国内では80%のシェアを占めている。住宅用は高効率、軽量で屋根の形状に合わせた設置、非住宅用では保守サービスの優位性などが挙げられている。
(C買取価格は,2000年(平成12年)に固定価格買取制度を開始したドイツでは2012年(平成24年)以降買取価格が家庭用電気料金を下回り始めている。日本でも、量産効果、技術開発などで年率1割の水準でシステム単価が下落しており、今後もこの ペースでシステム単価の下落が続いた場合、5~6年程度で発電コストが家庭用電力料金を下回る事になる。加えて国は次世代の太陽発電モジュール(太陽光発電パネル)の技術開発支援で発電コストを現状では30円~40円/kwhと言われているが、2020年(平成32年)迄に14円/kwh、2030年(平成42年)以降に7円/kwhを目指すほか、モジュール以外の周辺機器のさらなるコストダウンを目指す。一方海外勢も日本市場に進出し、関連製品販売から発電所建設にも参入している。韓国、カナダ、中国、ノルウエ-などが進出している。1~4割安い価格を武器に拡大してきたが、円安で一部値上げに動き、日本メーカーもコストダウン強化で価格差は少なくなっている。この他海外ファンドの投資が多くなり、太陽光バブルの恐れもあると言われている。
(d)固定価格買取制度導入後、多くの企業が稼働認定を受けたが、①稼働実施率が低い、②資金の問題、③土地確保の問題、④太陽光パネルの値下がりを待っている等の理由で未着手の企業も多い。
また認定書の売買も有り、経産省は2月に実情調査結果を報告し、認定取り消しの検討に
入っていた。稼働前認定件数4699件(1332万kw)の内、3月時点で条件を満たしてない672件(393万kw、総認定の23%)について取り消した。また条件の一部を満たしていない案件は8月31日までに聴聞して決定する。今後、認定条件は早期実行率向上に向けて厳しくなると考えられる。しかしながら、多くの認定済案件の開発が進んで居り、大きな伸び率が予想される。
(2)風力発電
(a)大規模開発した場合そのコストは、既に火力、水力と比較し遜色ない水準とされている。風力の適地は、北海道、東北に集中して、2地域で全国適地の66%を占めている。出力が変動する太陽光発電や風力発電の電気を、各地域内の需給調整力を超えて受け入れるには、充分な調整電源を持つ他のエリアとの広域連系が必要。北海道-東北エリアについては、北海道-本州連系線追加増強を進めている。地域内では電力系統の強化や太陽光、風力発電の受電能力を高めるため大型蓄電池導入実証事業の実施などが進んでいる。
(b)拡大策として、風力発電適地には、国有林、保安林、農地等立地規制が多いが、これらの規制緩和や、環境アセスメントの迅速化があげられる。現状の3~4年程度要する環境アセスメントの手続き期間を半減する対策が進んでいる。
(c)今後期待されている洋上風力発電は適地が広範囲で、設備利用率が高い。
国が中心となり洋上風力発電の実証実験を始めている。洋上風力発電には水深50m未満の遠浅海岸に適した着床式(基礎を海底に固定して建設)及び水深50m以上に適した浮体式(沖合に浮かべた浮体上に設置)の2種類が有る。日本近海には水深50m以上の海洋が広がっており、今後浮体式が有望視されている。着床式は銚子沖・北九州沖で、浮体式は福島沖・長崎県沖などで実証実験が始まっている。福島沖では第一次は2000kwで検証し、続いて7000kw次世代機を設置、大型タンカー並の浮体構造、固定用のチエーン、ライザーケーブル、揺れても安全な浮体式変電設備技術など、オールジャパンで技術の総合力を問はれるプロジェクトが進んでいる。メンテナンス、漁船の航行安全、漁礁効果による漁獲量の向上など漁業と共生についても実証予定。新しい方式で課題は多いが、実用化されれば大容量で、高い設備利用率(30%)、海上では風力が強く適地が多いなどで大きな発電量が期待出来る。
(3)地熱発電
(a)古くから実用化されている発電であるが、いろいろな規制で開発が進んでいない。固定価格買取制度が平成24年度導入され地熱も対象にとなった。火山国日本の地熱資源量は世界第3位で2,340万kwを保有しているともいわれているが、既存発電容量は約52万kwで新しい開発はしばらく実現していない。地熱資源の8割が国立公園内で一部開発の規制緩和がなされ、支援制度創設などで、北海道、東北、九州で開発が進捗している。 (b)地熱開発は10年程度と開発期間が長期にわたり、開発投資も約260億円と大きな初期コストがかかるので、国は調査の支援や出資、債務保証、技術開発など開発段階に応じた支援を実施。加えて、開発の為には地域の理解が必須。このことから、地熱熱水を活用したハウス栽培など、地熱開発に対する地元の理解を促進する為の事業を展開している。(地方公共団体との地熱資源活用連絡会議発足)
(c)先に述べたように設備利用率は80%で、国の支援、温泉地との共生対策などで開発が進めば、安定した大なベース電源になる。
(4)中小水力発電
(a)安定した設備利用率の高い電源で、分散電源として大きなポテンシャルを持っており、2011年(平成23年)環境省の(再生可能エネルギー導入ポテンシャル報告書)によると1,525万kwであり、多くの未開地点がある。しかし高コスト構造、水利権の調整などが課題となっている。
(b)水利用手続きの簡素、円滑化に向けた検討が進んでいる。国土交通省で既に水利用を得ている農業用水などを活用した小水力は、水使用を許可制から登録制度へ変更。
(c)規制改革実施計画(平成25年6月閣議決定)に則り、①慣行水利権が設定された水路における設置の簡素化、②豊水時における最大取水量の増量における水利手続きの簡素化、③非かんがい期間における水利権取得の簡素化など、水利権手続きの簡素化や円滑化の取組み推進が必要。
(5)バイオマス発電
石炭火力混焼や廃棄物発電等大規模発電から、チップボイラー、畜産糞尿ガス発電に至るまで、種類、規模は多岐にわたり設備利用率は高い。ただし規模メリットの追求と、原料安定供給の確保、既存マテリアル利用との競合の調整などが課題となる。原料供給が安定している製紙企業や商社などが大規模発電所を保有し、平成28年度電力完全自由化に向けて数万kwの発電所建設を表明している。設備の稼働率は80%で地熱と同じく大きな安定電源になる。
(その3に続く)
NPO法人 新エネ研究会東日本理事長 小島四朗君からの「建設機械施工10月号」に掲載した投稿です。長文ですので3回に分けて掲載させていただきます。
<再生可能エネルギーの現状と、電力のベストミックス想定(その1)>
アブストラクト
再生可能エネルギーの固定価格買取制度が導入され、実にいろいろな再生可能エネルギー発電が急速に導入されている。これらの導入実績や開発中の発電システムの状況を確認し、今後の動向を調べた。
キーワード
再生可能エネルギーの動向
1.はじめに
東日本大震災から3年以上が過ぎた。福島第一発電所の事故以降原子力発電所は全面停止し、2012年7月(平成24年7月)に大飯原子力発電所が再稼働したが、2013年9月(平成25年9月)に定期点検のため停止し、現状は総て停止している。原子力安全規制委員会が発足し原子力安全基準制定、12発電所19基が再稼働に向けて安全基準にそった審査を申請し、審査を継続している。本年7月16日原子力安全規制委員会は、九州電力川内発電所1号・2号機について合格を決定したが、地元自治体の同意等解決すべき課題も多く再稼働に至っていない。原子力発電の全面停止で、約4,426.4万kwの発電能力低下があり、我が国の発電はやむなく燃料 費の高い化石エネルギーの火力発電に頼らざるを得ない状況にある。化石燃料の増加、円安も加わり貿易赤字の大きな要因にもなっている。
国はエネルギー源を自国で賄い、かつCO2削減で有効な再生可能エネルギーの開発とその導入促進に取り組んでいる。具体策として2012年7月(平成24年7月)から再生可能エネルギー固定価格買取制度を施行し、強力に拡大を促進している。発足から2年経過し太陽光発電、風力発電を中心に導入拡大が進み、また新たな発電システムも次々に開発が進でいる。新エネ研究会東日本では新しいエネルギーの調査、情報の共有などで、知識を磨き、新エネルギーの普及拡大に貢献すべく活動をしている。
本稿は研究会で得た知識、情報を基に、再生可能エネルギーの種類、導入状況、課題などを研究し、今後の動向をまとめたものである。
2.再生可能エネルギー発電の種類と新エネルギー源の種類
2013年(平成25年)発表の電源別発電量構成比の内訳では、火力発電が約88.3%を占める。これらは、ほぼ総てが海外調達のエネルギーである。再生可能エネルギーは表―1のように実に多くの種類がある。固定価格買取制度以前の環境省委託事業調査報告書(平成23年3月報告)では、エネルギーの採取、利用に関する種々の制約要因による設置の可否を考慮したエネルギー資源量を①「導入ポテンシャル」と定義、その中で事業収支に関する特定のシナリオ(仮定条件)を設定した場合に、具現化が期待される資源量を②「シナリオ別導入可能」とし、再生可能エネルギーの発電量を試算すると非住宅系太陽光発電は①1.5憶kw、②0~7,200万KW、風力発電は陸上、洋上を合わせて①19億kw、②2,400~4.1億kw、中小水力発電は①1,400万kw、(河川部と農業用水路、3万kw以下)、地熱発電は①1,400万kw、②110~610万KWが推計され、巨大なポテンシャルの保有が報告されている。
表-1は再生可能エネルギー発電、新エネルギー源の種類を示す。
生可能エネルギー |
新エネルギー源 |
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実用化している発電 |
開発中の発電 |
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太陽光発電 |
浮体式洋上風力発電 |
シェールガス |
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陸上風力発電 |
水素発電 |
メタンハイドレート |
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着床式洋上風力発電 |
波力発電 |
地熱温度差 |
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地熱発電 |
潮汐発電 |
水素 |
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中小水力発電 |
潮流発電 |
トリウム |
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バイオマス発電 |
海水温度差発電 |
核融合 |
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燃料電池 |
ミドリムシバイオ発電 |
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海草バイオマス発電 |
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表―1 各種発電の種類と新エネルギー源
3.再生可能エネルギー発電の導入状況
(1)2013年度(平成25年度)の再生可能エネルギー発電量の構成割合
図―1は大飯原発が稼働時中の2013年度(平成25年度)の我が国の発電電力量の構成割合である。再生可能エネルギー発電電力量は固定価格買取制度施行後、2012年度(平成24年度)から2013年度(平成25年度)1年間に1.6%から2.2%に上昇している。
(3)再生可能エネルギー別発電設備容量の推移
2009年(平成21年)住宅用太陽光を対象に余剰電力買取り制度を開始して以来、再生可能エネルギー発電による発電設備の年平均伸び率は9%、2012年7月(平成24年7月)に固定価格買取制度開始後急激に伸び、特に、2013年度(平成25年度)は非住宅用太陽光が中心で32%と急速に伸びた。今後も大型プラントの稼働で更に大きな伸びが予想される。
(4)再生可能エネルギー発電別発電量推移
2011年から太陽光発電が大幅に伸びている。2013年度(平成25年度)はグラフにはないが、再生可能エネルギー合計(水力除く)は図-1に示すように、2012年度(平成24年度)1.6%から2.2%に上昇している。
(その2)に続く
黒川君から次のメールとともに投稿がありました。
ご無沙汰しております。 お元気ですか?最近、また中国上海に行って来たけれど、その時の感想をブログに投稿します。
投稿内容は別として、今の上海は<物価高><交通混雑>がひどく、普通の日本人が旅行に行くには適した場所ではありません。
それでも高さ650m、世界第2の高さと言う新ビルが建設中でした。
(2014.1.18 横須賀11会にて 左から黒川・藤高・関口)
1.大気の汚れ
上海の大気汚染は予想していたほど悪くはなく、誰もマスクをしていないし、こちらも咳き込むような事は無かった。しかし、日本人の感覚からは正に汚れている。 滞在中、ほぼ毎日ジトジトと雨が降っていた。濃霧(スモッグ)が発生し、500m先のビルの輪郭がぼやけ始め、1km先だとビルが見えなくなる。現地に長年住む友人に言わせると“以前はもっと汚れていたが最近、キレイになって来ている。北京の大気汚染よりはずっとまし”。 しかし、数年前にできた上海ペニンシュラー・ホテルの外壁、窓ガラスも既に黄色く薄汚れ始めていた。
あの空気は絶対に体に悪い。もともと中国は喫煙大国だから、それも合わせて考えると、中国人の肺ガンを始めとするガンの発生率は、今後、急速に増加するのではないか?
黄浦江の対岸から浦東金融センター街・真ん中は建設中の高さ650M・世界第2位のビル
2. 車の買い替え
あの汚れた空気は人間だけでは無く、車のエンジンにも悪いはず。 もともと中国ガソリンの精製率は悪く、硫黄分が欧州基準の15倍あると言われる。 これが大気汚染の一因と疑われている。 汚れた空気とガソリンを使用する中国の車の耐用年数は短いと予想される。 年間2,000万台を超える販売は世界第1の車市場だ。 数年後のある日、車が買い替え時期に入り、2,000万台の車が廃車となったら、どうやって、どこで、この膨大な産業廃棄物を処理するのだろう? 考えるだけでも不気味!
黄浦江を南側に 2枚の写真はともに<晴れ>の日、晴れていてもこのように霞んでいる。
そのうち、公害汚染された祖国を逃れ、空気のキレイな日本に、中国人が大挙して移住して来るかもしれない。 そのために、尖閣諸島だけではなく、沖縄も九州も中国の一部と言い出すかもしれない。 まあ、あまり考えたく無い未来図ですけどね!
(2014/3/5)
ゴッツァンは、1944年6月に生まれたので、2012年9月には68歳になっていた。
2002年夏に静岡で、日本児童英語教育学会全国大会に出席するために 常葉学園大学を訪れた折に脳内出血で倒れ、市内の総合病院に救急搬送された。 幸いに目立った後遺症は認められなかったが、以後10年以上にわたって地元の総合病院に通院し 循環器を専門とする内科医のお世話になっている。 定期的な検査の実施は厳格を極め、脳のMRI は言うに及ばず、胃腸の内視鏡検査も複数回ずつ体験した。
2012年夏には、大腸のS状結腸の付近に2個のポリープの存在が確認され、いくらか涼しくなる9月に 切除することとなった。
切除に向けての準備は絶食に始まり、さらには大量の下剤を一定の時間内に飲み干さねばならない。結果、排泄物中に固形物が認められないほどに、大腸内を「浄化」するわけである。検査着もユニークなもので、犬に着せたとすると、尻尾が飛び出すような構造である。前開きの男物パンツを後ろ前に穿く感じ。
担当の医師は外科医で、シェアの高い国産メーカー製と思われるファイバースコープを胸の高さに構え、獲物であるこちらを待ち受けている。大腸内の様子はリアルタイムでモニターに映し出される仕組みだ。腸管の内側は、思いのほか複雑で、件のポリープになかなか辿り着かない。 やがて視野に入ると、ただちに投げ縄よろしくリングをポリープに引っ掛けて電流を流し、ポリープの麓から 焼き切る。立ち上る煙に「まるでホルモン焼きだわい」と感心していると、ジュルジュルと吸われたわがポリープは、一瞬のうちに外科医の手元に引き寄せられていた。
ポリープの切り株にはおそらく抗生物質のようなものが噴射されたに違いないが、おおむね That's all.下血がなければ明日のお昼から食事解禁とのうれしいご託宣であった。
土曜日の午後切除して日曜日はほぼ終日横たわっており、月曜の昼には退院という順調な過程であった。なお、病理学的所見は、「非悪性」とのことで、一安心であるが、少なくとも毎年1回の内視鏡検査を 内・外二人の医師は忘れることなく厳かな口調で義務付けた。
2013年3月 同期会にて
1.奥山さんからのご依頼で私が主宰する「特定非営利活動法人 新エネ研究会東日本」のご紹介をさせて頂きます。新キャタピラー三菱(株)を卒業後、平成18年7月に内閣府の認証をうけNPO法人として設立いたしました。
<設立の経緯>
在職中、中部森林開発研究会(会長 梅村正裕氏)の会員として、木質バイオマスの利活用について勉強させて頂きました。この研究会は平成16年3月に「伐採雑木の多方面活用」を出版しております。梅村先生から退職時に、21世紀の日本は少子高齢化と環境問題が先進国としての自覚と持続可能な社会を構築する上に大事である、と手紙を頂きました。環境問題、特に地球温暖化防止のため社会貢献できることはないかという観点から木質系バイオマスの研究会を立ち上げNPO法人新エネ研究会東日本として発足致しました。
平成14年に「バイオマス総合戦略」が国として政策化されました。我々会員のマイクロエナジー社考案の木質バイオマス発電(小型25kw)及びBTL燃料製造実験プラントが、循環型の地産地消の持続可能な社会造りであるバイオマスタウンの一助になればと活動を開始いたしました。
<設立の目的及事業(登記簿)>
この法人は新エネルギーの普及促進に関心を持つ個人、法人に対して情報提供、技術提案に関する事業を行い、持続する循環型社会形成を実現し社会全体の利益に供することを目的とする。
2.この法人は上記の目的を達成するため、次に掲げる種類の特定非営利活動を行う。
(1) 新エネルギーの普及促進活動
(2) バイオマス資源の利用活用推進事業
(3) 新エネルギー小規模分散型システムの提案事業
(4) 農林業の活性化のための提案事業
<会員>
設立要件は10名ですがCAT社、三菱重工OBを中心に20名で発足しました。現在54名で運営しております。地域的には東京、神奈川が70%で、他千葉、埼玉、茨城、栃木、山梨、長野、大阪、兵庫、広島と様々です。職種としては、事業主、上場会社管理者、技術士、環境カウンセラー等々です。年代的には、70歳以上6名、60歳代25名、50歳代12名、40歳代7名、30歳代20歳代それぞれ2名の構成になります。女性会員は2名です。
<活動内容>
活動内容につきましては、毎年内閣府へ事業報告等の提出が義務付づけられています。平成22年まではバイオマスに関して、バイオマス液体燃料製造調査(関東経産)スリランカのバイオマス調査、バングラディシュの竹繊維製造、竹粉、竹塩製造、省エネに関する塗料の普及LED蛍光管の製造普及、電気の見える化、エマルジョン燃料の供給システム等、ベンチャー企業の支援が中心でした。平成23年以降再生可能エネルギーが注目されていますが、研究会は小風力、小水力発電です。
3.バイオマスの熱の利活用の普及を支援しています。
研究会は月に一回開催しています。会員による討論型セミナー形式です。今年の議題から幾つかご紹介致します。電力の自由化 小風力発電実証報告 小水力技術の基礎知識 トリウム原子力核燃料サイクルBTL実証報告 太陽光パネル 自走式洗浄機 バイオマス活性炭 メタンハイグレードの将来像シェールガス掘削法と問題点 清水港スマートグリッド考察 新エネルギーの種類と将来性に関する調査そのⅡ 日本のエネルギー選択=3つのシナリオ 等々です。
又研究会の後、懇親会を行なっています。施設見学会としては、北杜市太陽光発電所 JFE「ソーラーテクノパーク」太陽熱発電所三菱電機「大船スマートハウス」等、適時実施しております。
<日本のエネルギー政策について (研究会からの提言)>
大局から世界の先進国として範を示すことが肝要である。前提となるのは ①技術革新 ②コスト ③安全性への信頼 が3本柱である。
<原発稼働について>
安全性が確立されないなか大飯原発は再稼働した。脱原発運動が大きくうねるなか、安全性の確立及び説明が求められ、新規建設は勿論再稼働は困難を極めると考えられる。しかし電力事情からは一気に原発を無くすことは出来ない。代替エネルギーが確保出来るまでは「年齢の若い新鋭機」「地震・津波の影響を受けない」「ストレステストで安全対策が万全」等の条件で厳重に選定し、安全電源として一定の割合で稼働が必要と思われる。
4.再生可能エネルギー、その他の代替エネルギーが確保出来るまでは「高い安全性確保」「システム技術」「運用技術」「廃炉技術」「使用済核燃料処理技術」等を世界に冠たるレベルまで高め、貢献すべきである。
(1) バックアップエネルギーについて
期待されるのはアメリカのシェールガス革命である。コンバインドサイクル発電化で効率向上CO2発生の減少、低価格が期待される天然ガス発電に頼らざるを得ない。
(2) 再生可能エネルギー
再生可能エネルギーは原発への依存度を最小限にすべく国策として推進し、子孫に負の遺産を残しかねない原発に頼らない社会を構築し、唯一の被爆国・原発事故国として世界に示すべきである。再生可能エネルギーの現状は2010年のエネルギー構成比率は10%で、一般水力を除くと1.2%にしかすぎない。また太陽光の設備稼働率12% 風力発電設備稼働率20% 等から大規模な設備設置を要し、多くの時間と費用投資が必要となる。しかし太陽光のパネル価格の低下と再生エネルギー買取制度により導入加速している。風力は稼働率の高い洋上発電が技術革新により期待がかかる。地熱は世界有数の火山国である日本の地熱資源の有効活用のための規制緩和、掘削技術開発により将来安定した大規模地熱電力が、コスト面から大きく期待される。太陽光・熱、風力、地熱の3エネルギーが主力になるが、その他の電力を加え家庭用電力使用量(全体比30%)を早急にカバー出来ることを期待する。将来、宇宙太陽光・熱発電所の建設と地球上の送電網が超電導電線網でカバーされれば、人類のエネルギーは解決されると思われる。
5. 関連団体
バイオマス産業社会ネットワーク
日本有機資源協会 全国バイオディーゼル燃料推進協議会
国際協力推進協会
千葉県環境新技術開発事業化研究会
さがみはら環境情報センター
多摩市循環型エネルギー協議会
新しい公共をつくる市民キャビネット
平成24年8月28日 蓼科にて
先日、中国語のヤフーを見ていたら、こんな見出しを見つけ、何だろう?と思った。 言っている事は、最近の中国のモーター・ショーでモデル(中国語で“車模”)が、ほとんど裸に近い服装で、車の宣伝(および自分の売り込み)をしていることを揶揄している。 実際、限りなく小さい下着の、スケスケファッションのモデルの写真が何枚も添付されていて、ドキッとする。 中国人は良いも悪いも極端な方向へ動くが、ここまでやるか、と感じる。
急速な経済発展を続けている中国は、年間約1,800万台の販売をする世界最大の自動車市場となっており、マイカー・ブームが起こっている。 モーター・ショーは大人気で多数の観客を集め、会場は熱気に包まれている。 そこでモデルとして出演することは、多数の観客、メディアの注目を集めることになり、若い女性の憧れの職業なのだ。 14億の人口の中から選ばれるから、眼を見張る美しいモデルも多数いる! 当然、車よりモデルを目当てに、カメラ片手に多数の男性が来場することは、日本も中国も全く同じ。 撮影された写真がネットで流され大人気となれば、一夜にして全国的有名人になることも可能。 下着がいかに小さかろうが、スケスケだろうが、問題ないのだ!
“こんな馬鹿な事に、中国人は夢中になっている。 だから、中国はダメなんだ!”と言う意見も多かろう。 しかし、中国の現状を考慮すると、この風潮は必ずしも良いことではないが、“これも一つの中国的生き方”と言える。
近年、大きな経済発展を急速に成し遂げた中国だが、幾つかの大きな社会的歪みも生み出している。 例えば、① 極端なまでの貧富の格差 ② 年々上がる物価高 ③ 金が全ての拝金主義・・・等々。 今の中国、特に北京や上海のような大都市では、お金が無ければまともな生活も出来ないし、はっきり言って生きて行けない。 だから、若く美しい(その期間は非常に短い)女性が、その若さ、美貌を武器に、より良い機会、幸運を求め、モーター・ショーに賭ける、と言う気持ちも当然であろう。 14億の人口の中国では、生存競争も極めて激烈。 ひとつの幸運で上に浮かび上がるか、幸運に恵まれず、底に沈んで一生、貧乏なままで終わるか、神のみぞ知る・・・である。
( 2012/7/20 )
かって、日本が高度成長期の時、欧州人は日本人を称して“ウサギ小屋に住むエコノミックアニマル”と呼んだ。 つまり、欧州にはずっと恵まれた労働条件があり、ワインを飲みバカンスを楽しむ豊かな生活がある、と言いたかったのだろう。
その後、日本人の生活は豊かになり人件費は上昇した。 かわりに現在では、約40年前の日本と同様の労働条件で我慢して働く中国人が、世界経済の前面に出て来た。 そうなると、優雅な労働条件で働く欧州人には、とてもではないが勝ち目が無い。 欧州の生産力は、悲しいほど奪われてしまった。だから、ギリシャを発端とした欧州信用不安は、起こるべくして起こった欧州問題と言える。工業力の裏付けの無い国家の経済は、急速に信用を失う。 豊かになった日本が、将来、欧州の二の舞にならないことを願うばかり。
一方、世界経済の雄、アメリカはどうか? 近年、最も成功した米国製品は、アップルのiPhoneであり、iPadであろう。 実はこの両製品は、中国にある富士康(Foxconn)の工場で製造されている。この富士康は、台湾の鴻海(ホンハイ)精密が中国本土に投資して作った工場であり、現在、世界最大の電子製品の受託生産企業と言われる。 しかし、この富士康は、軍隊式の厳しい労働管理で従業員を働かせる企業として有名である。実際、同社の広州工場では、何人もの工員が飛び降り自殺をして、大きな問題となった。
人権、労働問題の改善を求めて、アメリカは中国を攻めたてているが、皮肉な事に、安く、過酷な条件で働く中国人労働者のおかげで、莫大な利益を上げているのがアメリカ企業なのだ。 実に大いなる矛盾!
さて、最近、面白い新聞記事があった。 ロンドンオリンピックの開会式で、アメリカ選手団が着る制服は、米国のラルフ・ローレンがデザインしたが、上から下まで全て“Made in China”なのだ。 “Made in USA”が皆無なのはけしからん、と米議会が騒ぎ出したが、時、既に遅し。
今回のオリンピックには”Made in USA”は間に合わない。 これでアメリカ選手が獲得するメダル数が少なかったら、”Made in China”に対する非難は再燃するだろうね!
(2012/7/14)