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5つの目標を作り始まった、永住LIFEの幸せなオーストラリア永住権への道

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幸せなオーストラリア永住権への道 239 異邦者、流れ者

2011-01-10 22:32:32 | Weblog

近くのバーかクラブで仲間達と酒を飲んだのか、赤い顔をしながら大きな声でハイドアウトとその店のオーナーについて話しをしている若者達に僕は声をかけた。ハイドアウトというブックショップをやっている友達に会いにクレアはシドニーに行ったとジェリーは言っていた。でも、その友達というのがジャパニーズだという話を僕は聞いてはいなかった。僕の胸の内側がウィスキーをショットで一気に飲んだ時のように熱くなったのを感じた。

 

「いま、ハイドアウトっていうブックショップの話をしていなかった?僕はそのお店を探しているんだけれどキングスクロスのどのへんにあるのかな?」

 

急に話しかけられたことに驚いたのか、それまで仲間内で楽しそうに話していたのに全員が話をピタッとやめて僕の方を見た。僕は驚かすつもりも、彼らにからむつもりも一切ないことを笑顔で伝えながらハイドアウトの場所を尋ねた。彼らの中で一番背が高くてそれほど酔っていなそうな、ブロンドの長い髪をバンダナで束ねた男が答えてくれた。

 

「ああ、ハイドアウトならキングスクロスの駅の改札を左手に出て、駅に面した道を右手に10分位歩けば看板が見えるよ。まぁ、分からなかったらその辺のやつに聞けば誰でも知っていると思うけどね。君もジャパニーズ?ハイドアウトのオーナーもジャパニーズだもんな。」

 

「うん僕は日本人だよ。そのブックショップっていったいどんなお店なの?」

 

「そうだな。僕らはメルボルンからシドニーに遊びに来たんだけれどハイドアウトも、オーナーのマサルもメルボルンでも有名だよ。ブックショップなんだけれどアートファクトリーみたいに絵や写真、彫刻の展覧会をやったり、アーティストやDJを呼んでコラボレートさせたり、オーナーのマサルはもともとジャパンで洋服ブランドのデザイナー兼社長をやっていたって話だよ。ハイドアウトはブックショップであり、昼間はカフェで夜はバーでもあり、シドニーの洋服ブランドのショーなんかもやっているみたいだよ。もしかして、君はマサルの友達かい?」

 

「いや、マサルって人はぜんぜん知らないんだ。でも、そのマサルって人と僕の友達が友達のようなんだ。」

 

「オーライ、じゃあ今から行ってみろよ。今日は週末だからきっとまだバーの営業をしていると思うよ。」

 

ブックショップというから、ニュースエージェンシーかショッピングセンターの中にあるような堅い本屋さんを想像していた。それなのにハイドアウトはカフェでもありバーでもあり、DJやアーティストが集うような場所だなんてまるっきり僕の想像とは違っていた。しかもオーナーはマサルという元デザイナー兼、社長のジャパニーズだなんて、なぜクレアがそんな場所にいるんだろう。僕の胸の中で火がついた不安という小さな炎がさらに熱く燃えた。

 

「ありがとう。」

 

僕は彼らにお礼を言うと、そのままYHAを飛び出した。横断歩道を渡りセントラルステーションのレンガ造りの建物を右手に見ながら24番乗り場へと向かった。都会の夜のうすら寂しい静寂が落ち着けと言ったけれど僕の足取りは早く大股で歩いた。エスカレーターの右側を何かにせかされるように降りていきイースタンサバーブに向かう電車に乗り込んだ。

 

ボンダイジャンクションが終点のそのラインに乗ってキングスクロスの駅で降り、さっき長髪のオージーが教えてくれたように改札を左に歩いて地上に出ると、そこには夜の街の猥雑とした雰囲気の世界が広がっていた。赤や黄色の看板やピンクのネオンサイン、道端に座り込むはだしの路上生活者、ビールとすえた汚物のような匂い。僕の暮らすサーファーズパラダイスの街にはまったく無い匂いがしていた。それは僕が中学、高校時代を過ごした新宿の歌舞伎町と同じ匂いがした。

 

酔っ払いやポン引きが話しかけてくる、危ない雰囲気の少年たちがたむろをし、夜の世界で生きる女性たちが街を歩く。僕は少しの懐かしさとゴールドコーストでの生活で忘れていたまるっきり異なる世界があることを思い出し、夜の空気を肌で感じながらハイドアウトへの道をただまっすぐに歩いた。しばらく進むと入り口が半分締り、大きな椰子の木に似た観葉植物の鉢植えで隠すように「HIDEOUT」と書かれた小さな木の看板がかかる店を見つけた。

 

これがハイドアウトだ。この中にきっとクレアがいる。ヌーサにクレアを探しに行った時とはあきらかに違う確信のような感覚を覚えた。僕は観葉植物の大きな葉っぱを手で払うようにハイドアウトの薄暗い店内へと入っていった。

 

店の中に入るとテクノとハウスミュージックをごちゃまぜにしたような、重低音で心臓の鼓動のように同じリズムを打ち続けるサウンドが大音量で鳴り響いていた。それは音楽というよりも動物と自然のおりなす太古の叫びとリズムのような音だった。右側にある3、4メートルしかない小さなバーカウンターの前では大勢の人たちが話しながら酒を飲んでいる。しかし、あまりの音の大きさにそれぞれが何を話しているのかはさっぱり分からなかった。

 

ざっと見渡してみても、服装から雰囲気からサーファーズの街にいる人たちとはまるで違う人種達の集まりだった。お店の中にいる大勢の人を目に入れながらクレアの姿を探したけれどそれらしい人影は見つからなかった。僕はカウンターの前にたまる人たちの壁を乗り越えて、肩の下まで伸ばしたドレッドヘアーで大きなサングラスをしたこの店の店員らしき長身のバーテンダーに話しかけた。

 

「すいません、このお店にクレアっていうカナダ人の女の子が来ていませんか?」

 

バーテンダーは一瞬、僕の方を見たが、すぐに忙しそうに別の客の相手をし始め返事を返してはくれなかった。僕は彼が聞こえなかったのかと思い、今度は身を乗り出して半分カウンターの内側へ体を乗り越えるようにして、さっきより大きな声で同じ質問をした。

 

「うるさいなー。さっきから聞こえてるよ。女を捜しにきたのなら別の店にいきなよ。あんた、みたいなのは迷惑なんだよ。」

 

国籍不明だと思っていたドレッドヘアーのバーテンダーが急に日本語で、そう答えたので僕は驚いた。

 

「君がマサルかい?」

 

「俺がマサルだけど、俺は君のことは知らないよ。」

 

「僕は永住ライフ。クレアの友達だ。クレアを探しにゴールドコーストから来たんだ。」

 

「ああ、君が永住ライフ。でも、やっぱり俺は君のことはよく知らないな。」

 

「クレアがどこにいるか教えてくれないか?ヌーサからクレアがこの店に向かったって聞いて今日、シドニーにやってきたんだ。クレアはどこにいるんだ?」

 

「知らないよ。俺は彼女の所有者じゃあないし、なんで君にそんなことを教えないといけないんだ。俺は君の知り合いでもなんでもないんだぜ。まるで、俺が君の物を隠したみたいな言い方だな。表の看板、見てみなよ。ここはハイドアウト、俺の店だ。」

 

マサルは、僕が今までオーストラリアで見たことのないような不思議な雰囲気の男だった。東洋人でもまして日本人ぽくはなく、かといってオージーやヨーロピアン達ともちがう、どこの人種やどのトライブにも属していないような異邦者のような男だった。

 

☆永住ライフの物語、再始動です。楽しみにしていてください。感謝の気持ちをこめて  永住ライフより

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幸せなオーストラリア永住権への道 238 僕の原点へ帰る

2010-12-26 13:16:52 | Weblog

シドニーへと向かう飛行機の薄暗い機内の中は、これでもかといわんばかりにガンガンにクーラーで冷やされていた。薄いグレーのブランケットを肩までかぶりながら僕はシートの上でひざを抱えて座り、クレアの身の上にいったい何が起こったのかを考えていた。クレアは壊れてしまいそうなほど純粋な心を持っていたけれど、そのさらに奥深いところから湧き水のように溢れだす明るさも同時に持っていた。

あの朝、サーファーズパラダイスのビーチの上に並んで座り。上ってくる新しい太陽を眺めながら自分の足で歩くために出発すると言ったクレアの横顔は輝いていた。そして出発の朝、お互いの気持ちを伝え合い、それぞれがますます輝き夢を追うために別々の道を進んでいこうと話をして、僕ら二人はまた自分の歩むべき道を歩き出すことができたんだ。

あれから、僕の生活にもいろいろなことがあった。シリンダーズの仲間達が一つになって開催することができたRainbow of Surfers paradise cup。ジュンがあやうく強制送還されそうになったり、チュックがバレルブランドを再開したり。北海道からやってきたヒロ君とりえちゃんの結婚式をバーレーヘッズで祝ったし、ちょんと母さんがサーファーズパラダイスに遊びにもきてくれた。マークが家族と一緒に日本に行って、僕らスタッフだけで2週間シリンダーズの営業をしたこともあった。

たった数ヶ月の間に本当にいろいろなことがあった。クレアが旅立ってからの出来事をあらためて思い返してみると、目の前の問題や出来事、困ったことや困難なことを、なんとか乗り越えようといつも仲間達と一緒に取り組んできた。僕、一人でなしえたことなんて何もないし、一人でなしえる必要もないことが今の僕には分かっている。どれだけ多くの人の力を借りて、合わせて、どれだけ多くの人に喜んでもらえるか。僕らは一人ずつ違った素晴らしいものをもっている。一人ずつでは微力だけど誰かのために何かのために力を合わせるときに、すごいことができるんだ。ありがたいな。僕は仲間の顔、大切な人たちの顔を一人一人思い浮かべ、心の中でありがとうと言った。

普段は特別にそんなことを考えたりはしないけれど、飛行機の中ってやつはなんだか不思議に心がリセットされて自分を見つめなおしたり、素直な気持ちになれたりする。そういえば日本からオーストラリアに向かう飛行機の中で、これからはじまるオーストラリア生活の中で達成したい5つの目標を考えたんだった。あの目標を書いた紙はどこにいったんだろう。あの頃の僕が今の僕を見たら、どう思うかな。

よくがんばってるじゃんって笑ってくれるかな?それとも、のんびりと何をやってんだよって不満に思うかな?でも、そんなはずじゃなかったのにって泣き出したりはしないだろう。まだまだ僕が目指している光には届いてはいないけれど、仲間達と一緒に成し遂げてきたことと今まで歩いてきた足跡は今の僕の自信になっている。

クレアの数ヶ月はどんな数ヶ月だったんだろう。クレアに会えたら、まずはクレアの話を聞かせてもらおう。何か、困ったことがあるのなら一緒に考えよう。何かに傷ついているのなら、話を聞いてクレアは愛されているよって伝えよう。たとえ同じ場所にいれなくても、同じ時間を過ごせていなくても、クレアには笑っていてほしい。クレアの胸の中にあるキラキラとした輝きが、周りの人たちをどんなに幸せにするのかをクレアは知っているのかな?もし、知らないのなら伝えたい。クレアは存在するだけで素晴らしい存在なんだって。

僕はクレアが笑っている顔、喜んでいる顔、嬉しそうな顔、楽しそうな顔を思い浮かべてブランケットを頭まですっぽりとかぶった。僕の中にクレアとの思い出と一緒に、彼女の瞬間、瞬間を切り取った何百枚もの写真が詰まっている。その一枚、一枚を大切にめくりながら僕は真っ暗なブランケットの中でゆっくりと目を閉じた。

シドニーのキングスフォードスミス空港に着いたのは夜の10時をすっかりと回っていた。今からシティーに出ればゆうに11時になるだろう。ジェリーから聞いた唯一の手がかりであるキングスクロスのハイドアウトというブックブックショップに行くにはすでに時間が遅すぎるように感じた。こんなに夜遅くまで営業をしているブックショップはまずないだろう。そう思って僕はセントラル駅の近くにあるYHAにチェックインをした。

シドニーのセントラルのYHAは僕が始めてオーストラリアにやってきてから約10日ほど泊まった宿だった。あの頃はまだ英語もほとんど話すことができなかったし、とりあえずボンダイビーチに行ったあとはどこに行けばいいのか、これから自分が何をすればいいのかも分からずに、寂しさと不安のいりまじった心をごまかすためにYHAのスモーキングルームにいる日本人にかたっぱしから声をかけていた。

そこには目的を見失ってしまった日本人のワーキングホリデーの先輩たちが大勢いた。ビザの期間はあと数ヶ月ある、だがどこに行って何をすればいいかとくにみつからないと言っていた。帰国をしてから何をすればいいかも分からないのでまだ日本に帰る決心もつかないと彼らが言っていたのを思い出した。

キッチンに行き熱いコーヒーを飲むと、落ち着いたのか体がずいぶんと疲れていることに気がついた。今日は早く寝て、明日の朝一番でキングスクロスにクレアを探しに行こう。ドミトリーに向かうエレベーターに乗ろうと、スモーキングルームの前を通りすぎるとき、スモーキングルームの中に、あの頃の僕が座っているような錯覚がした。もう、僕はここにはいないよな。自分が原点に帰って来たような不思議な気持ちになった。

その時、酔っ払った若い旅人風の集団が入り口から大きな声で話しながらYHAに帰って来た。どこかで飲んでいたのだろう全員が真っ赤な顔をしていた。

「なぁ、ハイドアウトのオーナーってジャパニーズなんだってな。」

「ああ、マサルとかいうひょろっこくて背の高いジャパニーズさ。かなり、クレージーでクールなやつらしいぜ。」

僕は閉まりかかったエレベーターの扉を開けてもう一度フロアに出た。彼らにハイドアウトという店について、マサルというジャパニーズのオーナーについて確かめにいかずにはいられなくなかった。

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幸せなオーストラリア永住権への道 237 衝動と行動の意味

2010-12-13 21:42:35 | Weblog
ジェリーと名乗る、この店のオーナーらしき男はたしかに僕の耳元でそっとささやいた。彼女はシドニーにいると。クレアがシドニーにいる?僕の頭の中でジェリーの言葉だけがパネルに書かれたサインボードのようにぐるぐると廻った。言葉の意味はすぐに理解できるのだが、僕の心がその現状をどうしても理解したくないらしくはっきりと認識をすることができずに次の言葉を発することができなかった。

「おや、どうしたんだい?バッテリィーの切れたブリキのおもちゃ人形みたいになってしまって。私は君の質問に答えただけだがね。」


ジェリーは首をかしげ、何か不思議なものでも見るような顔をして僕の顔を覗き込んだ。はっとして我に返り胸の中から自然に飛び出した言葉に自分でも驚いた。

「シドニー。クレアはシドニーにいるんですね。僕、シドニーに行きます。クレアがシドニーのどこにいるのか教えてください。」

ジェリーは甲高い大きな声を上げると、芝居がかった大げさな動作で両手で頭を抱えながら僕を馬鹿にするように笑った。僕には何がそんなにおかしいのか意味が分からなかった。ただ大切な何かを傷つけられたような気持ちになって、ぐっと正面からジェリーの顔を睨み付けた。

「まあまあ、そんなに怒らないでくれたまえ。いやー素晴らしい。僕は君が羨ましいんだ。それに君の後ろで同じように僕を睨んでいる友達がいることもね。いやー素晴らしい。本当に、若さはそれだけで素晴らしい。」

ジェリーはそう言いながら乾いた拍手をして、店の中に置いてある売り物だかディスプレイだが分からないアンティークの安楽椅子に腰掛けた。僕とアッキィーは自然にジェリーの方に向かって一歩、二歩と歩みよった。何も言葉は出てこなかったけれど、ジェリーに対して腹立たしく思っていたこともあって、僕の質問に答えろと無言でアピールをした。

「それで君はシドニーに本当にいくのかな?」

「僕は行くと言ったじゃないですか。」

「おー、この若者は衝動で行動をしようとしています。ロックの神よ、宇宙よ。私は彼が羨ましい。損得も考えず、失敗や恐れも感じず、その場の衝動だけで突き動かされるように行動できる彼らの若さが美しく、まっすぐな情熱が羨ましい。私はどうやら長く生き過ぎてしまったようです。」

「永住ライフさん。この、おっさん大分いかれてますよ。」

アッキィーもジェリーの話している英語が理解できたようで、早口の日本語でそう言った。一瞬、振り返って見るとアッキィーもテツヤ君も何か理解できない奇妙なものに出会ったしまったように引いているのを感じた。

「永住ライフ。クレアはシドニーのキングスクロスにあるブックショップで働いている友人を訪ねてから国に帰ると言っていたよ。それも、もう1週間以上前の話だから実はもうシドニーにさえいないかもしれない。」

「キングスクロスのブックショップ?」

「そう、キングスクロスのブックショップ。たしかハイドアウトと言っていたかな?私が彼女から聞いたのはこれが全てだよ、永住ライフ君。」

僕はもうこれ以上、このお店にいてもしょうがないと思った。それに最初は腹立たしく感じていたジェリーが何故だか少しだけ気の毒に感じられてきた。何か大切なものをどこかに置き去りにしてきてしまった喪失感のようなものをジェリーから感じたからかもしれない。

「僕らはもう行きます。ありがとうございました。最後に一つだけ聞いてもいいですか?クレアはよくこのお店にきていたのですか?」

「ああ、うちの奴とも仲良くしていたし。私もずいぶんと楽しい時間をこの部屋で過ごさせてもらったよ。本当に残念だね。」

ジェリーはそれだけ言うと、部屋に流れる70年代の古いパンクロックを口ずさみながら自分だけの世界に帰っていった。僕とアッキィー、そしてテツヤ君は古く重いジェリーの部屋のドアを後ろでに閉めて薄暗い階段を降りた。

「ありがとうございました。」

1階のカウンターの前でさっきと同じように何かに夢中になっているジェリーの奥さんに遠くからお礼を言って、僕らはこの不思議な空間を後にした。オイルライフの中はいくつもの時計が折り重なって時間を止めてしまったような場所だった。

「アッキー、僕は今からブリスベンに引き返してシドニーに飛ぶよ。悪いけれどブリスベンエアポートまで送ってくれないか?それにテツヤ君、出会ったばかりで急にお別れでごめんね。バンダバーグまで送ってあげられなくてごめん。テツヤ君も胸の中のキラキラしたものを大切に、決して諦めないでね。」

「永住ライフさん、本当にシドニーに行くんですか?あの変なおじさんの言うことを信じて。あのおじさん、かなり変わっていたしいいかげんなことを言っているかもしれないですよね。それにクレアさん、もうシドニーにいないかもしれないって言っていたし。直接に空港に行ってチケットなんて取ったら相当お金もかかるんじゃないですか?ねー、アッキーさんもそう思いますよね。」

「ふーっ、じゃあ永住ライフさん行きますかぁ。ブリスベンまでは飛ばせば半日もかかりませんよ。僕はさすがにシドニーまでは一緒に行けないけれど。あーあー。ひさびさのサーフトリップ楽しかったなぁー。」

テツヤ君は僕らの会話をビックリしたような顔で聞いていた。信じられないという表情をしながら僕とアッキィーの顔を何度も行ったり来たり変わるがわる見つめていた。

「あのおじさんもおかしいけれど、永住ライフさんもアッキィーさんもおかしいですよ。いったいなんなんですか。僕には理解できません。」

「テツヤ君、ヌーサのバストランジットまで乗せていくね。永住ライフさんを乗せて急いでブリスベンまで行かないと。永住ライフさんが、今日のうちにシドニーに着けないからね。」

僕とアッキィーはファルコンに乗り込んだ。テツヤ君も僕らに続いて後部座席に乗り込んだ。アッキィーが気を効かせてヌーサの街を出る前にビーチに寄ってくれたおかげでリサにさよならを伝えることもできた。リサは僕がシドニーにクレアを探しに行くと言うと、がんばってお姫様を探し出しなとウィンクをして送り出してくれた。

今まで走ってきた道のりをアッキィーが飛ばすファルコンの助手席に乗りながら僕の気持ちはもうシドニーに飛んでいた。衝動で行動できるのが若さと言ったジェリーの言葉を一瞬思い出したが、窓から入ってくる風に乗ってすぐにどこかに飛んでいった。

僕もアッキィーも衝動で行動するという言葉の意味をあらためて理解するには、衝動で行動をすることがあまりにも普通の日常だった。

★★★お知らせ★★★

☆メッセージありがとうございます。しばらくの間、永住ライフ君の物語をお休みしていました。その間にたくさんのことを書きたくて、またいっぱいになりました。あふれ出るように書きたくなるまで自由にお休みをさせていただいたのにもかかわらず応援のメッセージをいただいて感謝しています。永住ライフの物語も再始動しますので楽しみにしていてください。感謝の気持ちをこめて 永住ライフより

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幸せなオーストラリア永住権への道 236 She is in Sydney

2010-10-16 08:08:02 | Weblog


階段の最後の一歩を上り終えて、この部屋の主と思われる男に招かれるままに店の二階に入ると、甘いお香の香りとセックスピストルズのゴッドセーブザクイーンが僕の鼻腔と鼓膜を殴りつけるように歓迎してくれた。壁にはシドビシャスとジミヘンドリクス、ニルバーナのポスター。棚には子供用の絵本や置物が飾ってあり、階段のすぐ脇にある医療用の陳列棚には不思議な形をしたパイプが沢山並べてあった。店の奥の方まで見渡すことはでいないが、アンダーグラウンドの匂いがする不思議な部屋だった。

主は僕らが落ち着かない様子でそこらじゅうを見ているのが楽しくてたまらないといった表情でにこにこと微笑んだまま僕らの様子を眺めている。部屋の中にはいろいろな不思議なものが並べられているがこれといった統一感はなく、主が好きなものを集めた店というよりはやはり部屋と呼んだほうがすっきりするような空間だった。

「このお店でこれと同じ封筒を売っていると聞いてきたのですが?」

僕が主にクレアからもらった封筒を差し出すと、主はちらっと見て軽くうなずくと店の一番奥のほうにある流木で飾られた棚のほうを指差した。僕らは店の奥まで入っていき、その棚を見てみると僕の手の中にあるのと同じ封筒や便箋が沢山並べられていた。

「永住ライフさん、同じですよ。やっぱりクレアはこの店に来ていたんですよ。あの変わったおっさんに早く聞いてみましょうよ。」

アッキィーが主には理解できないはずの日本語ですばやく言った。僕は胸の中でいっぱいになったクレアへの想いをできるだけ押さえながら主にクレアのことを尋ねることにした。部屋の主はガラスでできたショーケースのカウンターの後ろにある安楽椅子に背をピーンと伸ばし足を組んで座っていた。

「すいません、突然ですがクレアというカナダ人の女の子を知りませんか?」

「クレア?私はジェリーだが、君はいったい何者だい?」

「すいません、僕の名前は永住ライフです。そして一緒にいるのがアッキィー。僕たちはクレアを探すためにゴールドコーストのサーファーズパラダイスからやってきました。」

「クレア、クレア、クレア。私の部屋には毎日いろいろなゲストがやってくるがね。そのクレアという子はどんなこなんだい?」

「琥珀色の猫みたいなくにゅくにゅした髪の毛が肩の下まであって、肌の色は少し日焼けしていて、目が大きくてくるくると良く動いて笑うと小さな子供みたいなんです。それで、うれしい時はやったーってジャンプして喜んで、悲しいときは迷子になった子供みたいに泣きます。でも、基本的にはいつも明るくて元気があって、服装は少しヒッピー調で、少し鼻にかかった声をしていて、それで、それで・・。」

「オーケー、永住ライフ。ようするに君はクレアのことが好きなんだね。」

「えっ、そんなこと何も言っていませんが。なぜ、そんなことを聞くんですか?」

「聞いているんじゃなくて感じているんだよ。君のクレアへの気持ちをね。ふーん、それでクレアに会ってどうするんだね。」

「やっぱりクレアを知っているんですか!彼女がどこにいるのか教えてください。」

部屋の主は何かを考えるように黒目を斜め上にして、右手の人差し指と中指を神経質そうに動かしたまま黙ってしまった。僕は主の次の言葉を待っていた。早く教えてくださいと大きな声でどなってしまいそうだったけれど、クレアについての手がかりはこの主が持っているので我慢をした。

「結論から言うとクレアはもう、この街にはいない。少し前までは私の部屋のゲストとしてよく遊びにきてくれたものだが。残念なことだ。」

「彼女は、クレアはどこに行ったのですか?」

「それを知ってどうするんだね?それに、彼女は見つかるあてのない何かを探してずっと旅を続けているようだよ。君も彼女の旅の途中に出会ったんだろう。彼女の旅はきっとずっと続くよ、彼女自身が気がつくまでは。君に何ができるのかな?」

「何ができるのかは分からない。でも彼女からこのお店の封筒と便箋を使って僕に手紙が届いたんです。助けてって、彼女が僕に助けを求めているような気がするんです。だから、
行かなくちゃ何ができるのか考えるより、今は彼女に会いに行きたいんです。」

「永住ライフ、君はとても綺麗な瞳をしているね。まだ、あまり人間の汚い部分や闇の部分をみたことがない目だ。まったく穢れが無い、それだけでも私から見ればとても素晴らしいのだがね。ただね、そういう部分も受けいれてこそ人間なんだよ。怒りや悲しみ、裏切りや、ねたみ、嫉妬、わかるかね。」

「僕にはあなたの言っている意味がよく分かりません。それがクレアとなんの関係があるんですか?僕はクレアの居場所を教えて欲しいだけです。」

「どうしても知りたいかな。それならば教えてもいい。別段、クレアから誰かに言わないように頼まれたわけではないしね・・・。」

そこまで言うと主は言葉を止めた。部屋中にかかっていたゴットセーブザクイーンが次の曲、ボディーズに変わった。主は右手と左手で小さく指揮をするように動かし始め、その動きがだんだんと大きくなり体全体に伝わっていった。そして、ついに最後には彼は立ち上がり僕のそばにやってくると耳元でささやいた。

「She is in Sydney.」

クレアはシドニーに行った。

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☆永住ライフ君の「幸せなオーストラリア永住権への道」は今後も引き続き更新をいたします。応援のメッセージありがとうございました。

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幸せなオーストラリア永住権への道 235 ウェルカム マイ ルーム

2010-09-22 15:33:12 | Weblog
初めて入ったヌーサのビーチは白い砂浜と緑の木々に囲まれた美しい場所だった。沖からゆっくりと入ってくるうねりが岩と海底にあたり、美しく永遠に割れ続いていく。まるで碧い柔らかなベルベットが、綺麗に折りたたまれていくようだった。

僕とアッキィーは静かにパドルをしながらリサとジョアンナが並ぶラインナップにたどり着いた。大会が近いこともあって周りをみると僕ら以外の全員がロングボーダーでショートボードに乗っている人は誰もいなかった。そして、これだけの数のサーファー達が同時に海に入っているにもかかわらずガツガツと波を奪い合うようなアグレッシブな雰囲気はまるで感じられなかった。

全員が入ってくるうねりに対して反応はしているのに、自分が待っている場所から少し外れて他のサーファーがベストの位置にいればそれ以上は執拗に波を追いかけはしなかった。海に流れるムードとリズムがサーファーズやゴールドコーストの他のポイントとはまるで違ってた。僕らはこの海のリズムに自分達のリズムを合わせながらリサやジョアンナ、そして他のロングボーダー達を優先させながらこぼれた波を拾った。

ヌーサの波はゆったりとしていて、掘れてはいない。そのかわり、そのままでどこまでもすべっていけるようなおだやかな気持ちの良い波だ。まさに雲に乗ってゆっくりと空を走っているような爽快感があった。僕もアッキィーもいつのまにか笑っていた。心の中の心配事や脅迫観念みたいなぐしゃぐしゃとしたものが自然に洗い流されて笑顔になってしまうようなそんな優しい愛に包まれたような海だった。僕とアッキィーはリサとジョアンナ、そして他のサーファー達に挨拶をして海からあがった。

「おーい、てつや君。ごめんね。お待たせさま。」

駐車場に戻ると僕らのファルコンの後部座席の左右のドアから、てつや君の両手と両足がホットドックに挟まったソーセージみたいにはみ出していた。あんまりすることがなかったのでドアを全開にして寝ていたんだろう。

「あっ、おかえりなさい。意外と早かったですね。さっきまでコアラを見ていたんですけど。ひととおり観察もできたんで休んでいました。海は楽しかったですか?」

「うーん、すごく気持ちよかったですよね?永住ライフさん。てつや君は波乗りをしないから、この感覚を理解するのは難しいかもしれないけど。うまく例えるなら、年上の綺麗な女性の胸に顔をうずめたような感じだね。それで、サーファーズの海は2つ上の先輩に気合を入れられる感じだな、うん。」

「うんって。アッキィー、それじゃあてつや君には全然意味が分からないよ。そうじゃなくて例えるならヌーサの海は女の子とシュークリームを食べている感じで、そうだなサーファーズの海は兄弟でから揚げを取り合っている感じだな。シュークリームもから揚げも、どっちも大好きだけれどシュークリームは滑らかでスイートだね。」

僕とアッキィーはお互いの顔を見ながらにニヤニヤといやらしく笑い、お互いを指差して声をだして笑った。アッキィーの例えも僕の例えも非常にうまく二つの海のリズムを表しているように思えた。

「アッキィーさんの言っている意味も、永住ライフさんの言っていることも僕には全然意味が分かりません。でも、ここの海はお二人からすると素敵な女性のようなんですね。」

「うん、すべすべしてやわらかくて気持ちがいい。そして優しくて美しいってとこかな。それじゃあ、この街の海に挨拶もすませたしそろそろ本題に入ろう。アッキィーと僕はオイルライフという店を探しに行くんだけれどテツヤ君はどうする?」

「バンダバーグへ行くための情報を探さなければならないのですが、せっかくですのでもう少しお二人と行動を共にさせてもらってもいいですか?」

僕ら三人は車に乗り込みヌーサの中心と思える方向に車を走らせた。ヌーサの街はやはりファンシーな店が多くて短パンによれたTシャツにビーチサンダル姿の僕らにはとても不釣合いに感じた。それでも誰かに聞かなければクレアが僕に送ってくれた便箋や封筒を買ったオイルライフという店を見つけることができないのでパイや甘そうなケーキを売っているベーカリーの前に車を止めて女の子の店員さんに聞き込み調査にいった。

ナチュラルな素材を生かした自然素材の便箋や封筒、そしてかわいい雑貨のお店の場所がどこにあるのかなんて、ビーチにいるサーフガイズに聞いても分かるわけないし、リサに聞いてもその辺で誰かに聞けばいいと言われるのがオチだった。そういうことはやっぱりこの街のファンシーな女の子に聞くのが一番だと思ったからだ。

金色の長い髪を後ろにまとめ、頭に薄いピンクの布を巻いた女の店員さんにオイルライフの場所を聞くとすぐに場所を教えてくれた。ただ、その店員さんは道の説明があまり得意ではないらしくあの道を曲がって、あーやってこーいってとひとしきり説明をしてくれた後に自分で教えることにギブアップしたのか店の奥でパンを作っていた別の店員さんを呼びにいってくれた。

頭に食パンみたいな真っ白な帽子をかぶった職人さんが店の奥から顔を出すと、今は手が離せないから少し待つように言われた。しばらく待つと手を小麦粉で真っ白にしたさっきの職人さんが、地図を書いたメモ紙を持って出てきてくれた。落ち着いて見ると、背が低い若い男の子だと思っていたさっきのパン職人さんも目のくりくりしたかわいい女の子だった。僕とアッキィーは二人にお礼を言ってスイートなパン屋さんを出て、地図の指し示す方角に車を走らせた。

オイルライフはヌーサの街の海側とは反対の方角にある、小さなお店が集まった行き止まりの道の本当の突き当たりにあった。白い木でできた一軒家の前には同じく木でできたデッキがあり、そこに手造りの看板にオイルライフと七色のコラージュ文字で書かれていた。カントリーでもなく、ナチュラルでもポップでもましてやサーフではなく、不思議な感じの外観の店だった。僕らは店の脇にある駐車スペースに車を停めた。

この中に、もしかしたらクレアがいるかもしれない。いや、たとえいなかったとしてもクレアのことを知っている人がいるに違いない。そう思うと、さっきまでの浮ついた気持ちはどこかに消えてしまい、胸の真ん中に他の何かが住んでいるような落ち着かない気分になった。僕はクレアからもらった手紙を左の手に大事に持って店の中に入っていった。

店の中に入るとファンシィーな雑貨が棚一面に並べられ、花柄のマグカップや手作りのアクセサリーなんかがそこら中に綺麗にディスプレイされていた。白とピンクにゴールドにシルバー世界中の可愛くて美しいものを集めたような店内は薔薇のような香りがしていて僕達が場違いな人間であることを優しく教えてくれているような気持ちになった。店の右側のカウンターになっている場所にはオーナーという感じの30代か40代の栗色の短い髪をした綺麗な女性が何か作業をしているのが見えた。

僕達は店の雰囲気にまるで合っていないし、とても尋ねづらいけれど。でも、ここまで来たのだから聞かなきゃクレアのことを。僕は意を決してカウンターまで歩いて行って、クレアからもらった手紙の便箋と封筒を彼女に見えるようにして話かけた。

「すいません、この封筒はこのお店で売っているものですか?」

「あら、いらっしゃい。わたしったら作業にすっかり夢中になっていてお客さんが入ってきたのにまるで気がついていなかったわ。すぐに夢中になって周りが見えなくなるのが悪いクセだっていつもあの人にも言われているのに。」

落ち着いた年上の女性だと思っていたオーナー風の女性は子供のような笑顔ではずかしそうに笑った。そんな彼女の笑顔を見ると、場違いな場所に放り込まれたようで怯えて小さくなってしまった僕の心がふわっと膨らんで変な気負いがどこかに行ってしまった。ぼくはもう一度尋ねた。

「この封筒はこのお店で売っているものですか?」

「ごめんなさい。そう、そうよ、その封筒は私達のお店、オイルライフの封筒と便箋よ。とてもナチュラルで素敵でしょ。でも、その封筒や便箋は私の部屋の物達じゃないの。それは彼の部屋の物達なの。」

「彼の部屋の物達?」

「そう、彼の部屋の物達なの。私の部屋の奥に階段があるからそこから二階に上がってみて。そこに彼の部屋があるから、そこにあなたが探しているものがあるわ。」

それだけ言うと彼女はカウンターの上で途中になっていた作業に戻ってしまった。純粋で幼い子供が目の前にあるおもちゃに夢中になっているような光景に、僕はそれ以上は何かを尋ねることはできなかった。

店の一番奥まで歩いていくと彼女が教えてくれたように古い木でできたがっしりとした階段があった。一段、一段と登っていくうちに今までとはどこか別の次元に引き込まれるような不思議な感覚に取り込まれて行った。壁には誰かが書いたいたずら書きのような字で「お前の中にあるドアを開けろ」と書かれていた。

一番上には階段と二つで対になるように木製の大きなドアがあった。ドアの隙間からは不思議なお香の香りと何かを叫ぶような怒りと反逆に満ちた激しい音楽が聞こえてくる。このドアを開けた先に何が待っているのだろう。僕は金属製の古いドアのノブを回して何かを決意するようにドアを開けた。

二階の部屋から眩しい光が一瞬に両目へ差込み、大きな音でかけられた70年代のパンクロックの叫ぶような音楽が僕の全身を衝撃と共に包み込んだ。目の前には黒いハットをかぶり虹色の模様のTシャツに細く黒いサスペンダーをした、小奇麗で背の高い男の人が僕らを出迎えるように立っていた。

「ウェルカム マイ ルーム。」

その男はそれだけ言うと右手を肩の高さまであげて、僕らを自分の部屋に向かえ入れるように自分の左肩の前へと大きく優雅に振りかざしてみせた。

そして、僕らは招かれるままに彼の部屋に中に入っていった。

★★★お知らせ★★★

☆諸事情により更新ができない状態にありましたが、永住ライフ君の「幸せなオーストラリア永住権への道」は今後も引き続き更新をいたします。応援のメッセージありがとうございました。

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幸せなオーストラリア永住権への道 234 新しい街と新しい海

2010-07-21 01:19:17 | Weblog
僕とアッキィーはテツヤ君が落ち着くまで話し掛けずにただ黙っていた。怒りと悲しみの感情が涙になって溢れ出しているのを無理に止める必要はない。胸の奥のほうに溜まったものが一度流れ出せば、少しでも前を向くことができるようになるかもしれない

僕が2本目のタバコを灰皿でもみ消した頃、テツヤ君はまた話し始めた。その声はさっきまでの泣き声まじりの言葉とは違い、少しだけ曇りが晴れたように大人の男の声に戻っていた。泣くだけ泣いて感情を開放したら、それでもみんな前に進まなければならないということをテツヤ君も分かっていたのかもしれない。

「友達や家族に会わす顔がなくてまだ日本には帰れないし、お金もないからしばらくはフルーツピッキングをしてお金を稼ごうと思います。バンダバーグに行けば英語が話せなくても誰でも仕事がもらえると日本で調べてきたのですが、永住ライフさんたちは行ったことあります?」

「うーん正直言うとフルーツピッキングについてもバンダバーグという町についても行ったことがないし、よく分からないなぁ。フルーツピッキングはラウンドをしている人達や、短期間で集中してお金を稼ぎたい人が気合を入れて行くキツイ仕事だと聞いたことはあるけれど、僕らはゴールドコーストのサーファーズパラダイスという街に住んでいて定住型の生活をしているからね。」

「永住ライフさん、そういえば前にケンが山ほどパイナップルを持ってラウンドから帰ってきたときに働いていた農場がそんな感じの地名だったような気がするんですけれど。ほらケンと一緒にやってきたジェイソンっていたでしょ。あいつがその街の名前を言っていたような気がするんです。」

「うーん、僕は覚えていないな。それにフルーツピッキングと言ってもサトウキビだったりズッキーニだったり仕事はいろいろだって誰かから聞いたような気がするけど。ごめんね、テツヤ君。僕らはあんまりそのことについて知らないんだ。」

「いいんです、いいんです。車に乗せてもらって、僕の話を聞いてもらって本当に感謝しています。永住ライフさん達が向っているヌーサという街に着いたらいろいろ情報を集めてみます。永住ライフさんやアッキィーさんはやっぱりサーフィンをしに行くんですか?」

自分の話ばかりしていたことを悪いと思ったのか、テツヤ君は僕たちのことについて始めて質問をしてきた。僕がクレアと今回のいきさつについてどこまで話そうかと考えていると代わりにアッキィーが話してくれた。

「人探しだよ、テツヤ君。僕らの仲間を探しにいくんだ。」

「人探しですか?誰かお仲間が幾恵不明になったのですか?」

「アッハハ。うん、お仲間が幾恵不明になられたのでお探しに参ったのです。って、テツヤ君なかなかおもしろいね君センスがあるよ。」

僕にはあまりおもしろくはなかったが、アッキィーがふざけてテツヤ君の言葉をちゃかして笑うとテツヤ君もそれにつられたように笑った。さっきまで泣いていたテツヤ君が笑うと車のなかの雰囲気も窓から吹き込んできた新しい風のように変わっていった。ヌーサまでの道すがらシリンダーズの話や、僕らがオーストラリアにやってきてから今までの話をしていると数時間があっという間に過ぎていった。

初めて来たヌーサの街はずいぶんと小綺麗で、僕らの住むサーファーズパラダイスとは雰囲気がまるで違っていた。何が違うと言えばハイライズのマンションや背の高い建物が一軒もないことに一番驚いた。サーファーズパラダイスのような大きな街を想像していたので、おしゃれなレストランやお店の並ぶこの街をどうやって歩いてよいのか分からなかった。そこで、僕らはとりあえずリサが参加するロングボードの大会が開催されるサンシャインビーチに行ってみることにした。

「永住ライフさん、あれ見てくださいよ。」

サンシャインビーチのパーキングに車を停めてビーチまで歩いていると、アッキィーがとつぜん大声を出して歩道の脇にあるユーカリの木の上を指差した。そこにはなんと野生のコアラが木の枝に座ってのんびりと葉っぱを食べていた。僕もアッキィーも野生のコアラを見るのは始めてだった。サーファーズの街にコアラなんていないし、カランビンに行く途中の道にコアラ注意の道路標識はあるけれどいままで一度だってコアラを見たなんて話は聞いたことがなかった。ましてやオーストラリアに来てまだ10日目のテツヤ君は目をまんまるくして興奮していた。

「デジカメで撮影してもいいですか?」

テツヤ君は肩からかけていた水色のショルダーバックから小さくて赤いデジタルカメラを取り出すと写真を撮り始めた。大切なバイクを盗まれてさっきまであんなに泣いていたのにずいぶん気持ちの切り替えが早いなと思ったけれど、テツヤ君が元気そうにしているのは彼にとって良いことだと思った。そして、僕とアッキィーはひととおり写真を撮り終わるまでコアラを眺めながら持っていた。

「おーい、永住ライフ。もうここまでやってきたんだ。」

後ろから聞き覚えのある声がして振り返ると、花柄の大きなロングボードを両手でかかえたリサが友達と思われるロングボーダーの女の人と一緒にこっちに歩いてきていた。たった数時間前にアレクサンドラヘッドの街で別れたばかりなのにヌーサというまた違う場所で出会えたことがなんだか不思議に嬉しかった。

「リサも無事に着いたみたいだね。僕らもちょっと前に着いたばかりだよ。ヌーサの街はなんだかクラッシクで素敵な場所だね。ビーチに向う歩道の脇に野生のコアラがいるなんて驚きだよ。」

「そうでしょ、アレックスともゴールドコーストとも全然別の時間が流れているでしょ。ここの波と同じでとてもビューティフルでメローなの。紹介するわ彼女は友達のジョアンナ、ヌーサローカルのプロロングボーダーなの。」

「はじめましてジョアンナ、僕は永住ライフ。日本からやってきて今はサーファーズパラダイスに住んでいるんだ。となりにいるのがシェアメイトで昔からの仲間のアッキィー。そしてあそこで写真を撮っているのが僕らもさっきあったばかりのテツヤ。よろしくね。」

僕が握手をしようと手を出すとジョアンナはとても優しい笑顔で微笑んで優しく握手をしてくれた。ぼくらより10歳位年上に見える30代の半ばか、もう少し上ぐらいだろうか。全てを受け入れてくれそうなその優しい笑顔は僕のホームステイマザーのディーにどこか似ていた。とにかくそんな女神様みたいな素敵な笑顔だった。

「永住ライフ、お姫様探しは進んでいるの?」

「いや、まだこの街に着いたばかりだしこれからだよ。さっき街をさっと通り抜けてきたんだけどファンシィーなレストランやお店ばかりだけど、僕らが泊まれるようなバックパッカーズやユースホステルなんかは無いのかな?」

「ヌーサの街はたしかにファンシィーなお店もあるけれど、気楽な場所もたくさんあるわ。あとで教えてあげるからとりあえず一緒に入らない?」

「おー、リサ言いこというね。僕も永住ライフさんにそう言おうと思っていたんだ。新しい街にきたら、まずはその街の海に挨拶しなきゃあ。僕らはサーファーなんだから。ねっ、そうでしょ。」

「オーケー、アッキィー。それじゃあジョアンナと先に入って待っているから、着替えておいでよ。お姫様探しはそれからね。」

リサとジョアンナは手を振りながらビーチの方へ歩いて行ってしまった。なんだかリサとアッキィーに乗せられたような気分だけれどアレックスの街でもそうしたように、このヌーサの街でもまずは海に挨拶をしてから行動開始とするかな。

車からボードを降ろしテツヤ君に車の鍵を渡して、僕らはヌーサの海に挨拶をしにいった。



★★★お知らせ★★★

8月8日に友人「話し相手の専門家 ききびと.com」
の主催者の綱嶋さんのセミナーを東京で開催します。

聴き方が変わると生き方が変わる
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セミナー当日は僕も会場にいきます。



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幸せなオーストラリア永住権への道 233 紙切れに変わったオートバイ

2010-06-16 11:07:49 | Weblog
ヒッチハイクをしていたテツヤ君を車に乗せてしばらくすると、後部座席から鼻をくすんくすんとすすりあげるような泣き声が聞こえてきた。僕はアッキィーと運転を交代したのでバックミラーをそっと覗いてみると膝の上に乗せたヘルメットを抱え込むようにしてテツヤ君の肩が小刻みに震えているのが見えた。会ったばかりのそれも僕らと同じ年くらいの大人の男であるテツヤ君が泣き出してしまったので、僕らはどう声をかけていいのか分からずにしばらくの間、何も言えずにいた。

「うっ、うっ、ごめんなさい。会ったばかりの人の前で日本の人に会ったらなんだか急に気持ちが緩んでしまって。本当にごめんなさい。」

「それはぜんぜん気にしないでいいよ。トラブルに巻き込まれて不安になる気持ちは分かるし。それより、テツヤ君は大丈夫なの?」

「実はあんまり大丈夫じゃないんです。でも・・・。」

「会ったばかりで話づらいかもしれないけれど。困ったことがあるのなら話してみなよ。お互いに何も知らないから話しやすいこともあるだろうし。いったい何があったの?」

助手席に座ったアッキィーが身を乗り出して後部座席を振り返りながら言った。テツヤ君は少しの間、黙っていたが突然、大きく鼻をすするとダムに溜まっていた水が一気に放水をされたように自分がオーストラリアにやってくる前からの話を始めた。僕はバックミラー越しにアッキーは助手席からテツヤ君の話を黙って聞いていた。

大学を中退してから、アルバイト先のアイスクリーム屋でなんとなく働いてきました。最初の頃は高校や大学のサークルみたいな気分で楽しかったのですが、それでもそんな生活が2年も続くと毎日が同じことの繰り返しのように感じてきてだんだんとつまらなく感じてきました。学生のアルバイトの人達は試験があり、学校があり、進級をしていつかは卒業をして店を出て行くのに、僕はいったい何をしているんだろうって。別にフリーターが嫌になったわけではなくただ単に現状の自分が好きになれなくなったんです。

変わりたい、僕は変わりたい。

そう思うようになりました。小さな頃から痩せた体にコンプレックスを感じていたのでとりあえずジムに通って体を鍛え始めました。肉体が変われば精神が変わる、そんな言葉を信じたというわけではありませんが少しずつ体に筋肉はついてきました。でも、それでも僕の気持ちはたいして変わりませんでした。背中から地面の奥に引きずり込まれていくような薄暗いもやもやとした不安がいつも胸の中にはあって、こっちに来いってささやくのが聞こえるような気がしてどきどきするような怖さを感じるんです。

それで次はバイクの免許を取ることにしました。高校の頃からバイクに憧れがあったんです。部屋でバイト先の友達と電話をしながら、その話をしていると友達が言いました。急にバイクの免許なんか取るっていったいどうしたの、どこか行きたい場所とかやりたいことでもあるのかって聞かれたんです。別にバイクの免許を取ったからといって、特別にやりたいことや行きたい場所があったわけではないんですが、ちょうどビールを飲んでいたせいもあって、その時にテレビでオーストラリア大陸を車で縦断する番組がやっていたのを見て、ふざけて友達に言ったんです。オーストラリアをバイクで一周するって。

そうしたら友達がスゲーッって驚いたのがおもしろくて、すぐに冗談だよって言えばよかったのにそのまま電話を切ってしまったんです。そんなことはすっかり忘れて次の日にバイトに行くと、みんなからテツヤ君はバイクでオーストラリアを一周するためにここでバイトしているんだねって、すごいすごいって言われました。その時に訂正すればよかったのですが、なんだか気分が良くなってまたそのままにしてしまいました。でも、それから何時行くのかとか、どういう予定なのかとかバイト先でも話題の中心になることが多くなりました。最初はそんな感じだったんです。

でも、そんな話を毎日しているうちにオーストラリアをバイクで一周することがまるで昔からの夢だったように思い込むようになってきたんです。不思議なものですね、これといった目標ややりたいことも無かった僕の毎日が突然輝き始めました。ワーキングホリデーという制度があることを知り、バイクの免許を取り、預金通帳のお金が少しずつ増えていくのと同時に僕のオーストラリアへの憧れも膨らんでいきました。そして先月、やっと目標にしていた金額がたまり出発の日が決まりバイト先のみんなに囲まれて壮行会もしてもらいました。

みんなが少しずつお金をだしあってヘルメットもプレゼントしてくれました。がんばってこいよ。夢を実現してこいよって、プレゼントしてくれたヘルメットに全員が寄せ書きのメッセージを書いてくれました。そうやって僕はこの国にきたんです。ブリスベンに着いたのが10日前、日本から探していた市内のオートバイショップで念願のオフロードバイクを買い、出発をしたのが1週間前です。そしてブリスベンを出発して数時間後に突然エンジンが止まりました。キックを踏み込んでも、押しがけをしてもまったくエンジンがかからなくなってしまったんです。

どうしたらいいのか分からずに道端でこまっていると1台のトラックが停まりました。車から降りてきたのはサングラスをかけた、いかつい感じの若い二人組みでしたが僕が身振り手振りでバイクが動かなくなってしまったことを伝えると僕のバイクと僕をトラックの荷台に載せてくれました。親切な人達だ、そう思ったんです。きっとどこかのバイク屋さんまで乗せて行ってくれるに違いないって。

でも、それは大間違いでした。

テツヤ君はそこまで話すと、また鼻をすすりながら今度は嗚咽を漏らして泣き始めた。僕もアッキィーも話の続きが気になったけれどテツヤ君の泣き声と握り締めた拳を見れば、そのあとに起こった出来事が想像できた。

「たった2時間ですよぉ。たったの2時間で僕のオーストラリア一周は終わってしまったんです。あいつら僕がトイレに降りた瞬間に、まわりに誰もいない何もない場所に僕を置きざりにして行ってしまったんです。うっ、うっ、くやしくてなさけなくて。」

「警察には届けたの?」

テツヤ君の悔しい気持ちを感じながら、踏み込むアクセルを少し緩めて僕はふりかえって言った。なんだかバックミラー越しにテツヤ君を覗くのが心痛く感じたからだ。

「届けるには、届けました。でも、まったく犯人を捜す気も僕のバイクを見つける気もないってことがよく分かりました。僕のつたない英語で一生懸命に伝えているのに、ほとんど話も聞かずに紙切れを渡されてインシュランス、インシュランスって言うんです。

最初は何のことを言われているのか分からなかったんですが、僕は日本からの旅行者だから海外旅行保険に入っているだろうって。これをやるからさっさとインシュランスカンパニーに連絡をしろって番号の入ったポリスレポートを渡されて終わりです。」

「ひどいな。」

僕もアッキィーも何も 言うことができなかった。僕らの部屋に以前、空き巣が入って警察を呼んだ時もまったく同じような対応をされた。玄関で靴を脱いでくれと何度も言ったのに2人組の警察官は黒い革靴のまま僕らの寝室まで入ってくるとほとんど何も調べることもせずにポリスレポートを置いて行ってしまった。

「僕が1年間かけて貯めたお金で買ったバイクと、これからも始まるはずだったオーストラリア一周の夢がたった2時間で紙切れに変わってしまったんです。」

「それはくやしいよ。盗んだやつをめちゃくちゃにしてやりたよね。でも保険会社にも早めに連絡はしてほうがいいよ。僕と永住ライフさんの家に空き巣が入ってお金やいろいろな物を盗まれたときも悔しくてたまらなかったけれど、すぐに保険会社には連絡をしたから。ねぇ永住ライフさん。」

「うん、悔しい気持ちや悲しい気持ちはよくわかるよ。バイクを盗んだやつらは許せないけれどテツヤ君の夢や、テツヤ君を送りだしてくれた仲間の気持ちまでは盗むことはできないんだから、大丈夫。少し時間はかかるけれどまたやりなおしてリスタートだよ。」

「保険には入っていません。成田で入ろうとしたんですが、ずいぶん高かったから・・・バイク費用をだすのがせいいっぱいで、生活費もほとんどもっていないから。だから本当に紙切れになってしまったんです。みんなに顔向けもできないし、日本には帰れないし、僕は、僕は。」

そこまで話すとテツヤ君はまた声を出して泣き始めた。 テツヤ君の涙が、たった2時間で夢の残骸になってしまったヘルメットの上にポタポタといつまでも落ちていた。



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幸せなオーストラリア永住権への道 232 中国のお坊さんとヘルメット

2010-05-21 11:10:46 | Weblog
僕はジャックさんの家で落ち着かない気持ちのまま一晩を過ごした。リサからクレアがヌーサにいるかもしれないと聞いて、すぐにでも出発をしたかったが僕もアッキィーもかなり酒を飲んでいたので仕方なしに朝になり酔いが覚めてから出発をすることになった。ちょうどリサもロングボードの大会に出場をするために明朝、ヌーサに向けて出発をすることになっていたらしくジャックさんは一緒に出発をするように薦めてくれた。

ジャックさんの家のリビングのソファーで何度も寝返りを打ちながら、なかなか寝付けずにいたけれど気がつかないうちに眠ってしまったようで、リサがコーヒーをいれるためにお湯を沸かしていたケトルの音で目がさめた。

「おはよう、リサ。リサも今朝、ヌーサに向けて出発をするんだろう。」

「うん、明日から大会が始まるからね。ジャックは一緒に行けって言っていたけれど小さな子供じゃないしヌーサまでの距離もそれほどでもないから、なにも2台の車で連なって走っていく必要もないよね。どうせヌーサで会うんだろうし適当に出発すればいいよ。永住ライフ達もそれでだいじょうだろ。」

「そうだね道に迷うようなことも無いだろうし、2台で一緒に走っていかななくても大丈夫だよ。オイルライフって店もヌーサの街で誰かに聞けばわかるだろうし。リサは自分のペースで出発して大会に集中をしてくれて大丈夫だよ。いろいろありがとう。」

アッキィーを起こし、ジャックさんも一緒に4人でリサが炒れてくれたコーヒーを飲んだ。そして二人にお礼を言うと僕とアッキィーはヌーサに向けて出発をした。数日前まではアレキサンドラヘッドランドの地名さえも知らなかったのに、今ではそこに素敵な仲間ができた。僕はオーストラリアに来てから旅らしい旅をしたことがなかったけれど旅がプレゼントしてくれる出会いはありがたいと感じていた。

ジャックさんを始めアレックスのローカルサーファーのみなさんにはずいぶんと親切にしてもらい優しさをもらった。サーファーズの街や人々とはずいぶんとタイプが違うけれど、僕はこの街とここで暮らす人たちが好きになった。

アッキィーと30分交代でヌーサに向けて車を走らせていた。何回目かの交代をしてアレックスの街からしばらく走ったハイウェイ沿いに、地面へベッタリと座り込みどこか地名の書かれたダンボールをこちらに掲げているヒッチハイカーが見えた。地面を見つめたまま顔を下に向けていたが車が通り過ぎる瞬間に顔をあげ、一瞬だが僕と目があった。顔は土や埃でずいぶんと汚れていたけれどアジア人、いや日本人の顔をしていた。

「アッキィー、今のヒッチハイカーを見たよね?」

「はい、ずいぶんくたびれた感じでしたね。THE 旅人というか・・乗せてあげたいけれど知らない人をいきなり車に乗せるのってなんか怖いですよね。かわいい女の子とかだったらぜんぜんオーケーなんですけど。」

「さっきのヒッチハイカー、あれたぶん日本人だよ。アッキィーは運転していたから見えなかったかもしれないけれどすれ違いざまに目があったんだ。」

「本当ですか?あんなとこでヒッチハイクしている日本人なんているんですか。かなりの旅なれたつわものか、あの様子だと何か困っているかどちらかでしょうね。」

僕はクレアのことか気になって一秒でも早くヌーサにたどり着きたかった。でも、ヒッチハイカーが一瞬僕を見たときのまるでからっぽになってしまったような悲しい目が頭から離れなかった。それでもすぐにアッキィーの言葉に応えることはできなかった。車は僕らを乗せたまま走っていく。クレアの顔が目に浮かび、そしてジャックさん達の顔が目に浮かんだ。

「戻ろう。やっぱり戻ろう。何か困っているのかもしれないし。」

「そうですね。僕達だって会ったこともないアレックスの人達にあんなに優しくしてもらったばかりですもんね。もらってばかりじゃなくてたまには返してみますか。」

アッキィーが勢いよく急ブレーキを踏んだ。タイヤがこげるゴムの匂いをさせてアッキィーのフォード、ファルコンが今まで走ってきたヌーサの方向とは逆に方向転換をして走り出した。10分ほど戻るとさっきのヒッチハイカーはまだ同じように地面を見つめたまま座り込んでいた。驚かさないように少し通りすぎてから車を停めドアを開けても、ヒッチハイカーは立ち上がろうとも、こちらを見ようともしなかった。ただ手にもっている行き先を書いたダンボールだけをゆっくりとこちらに向けた。

「あれ、いったいなんて書いてあるんだ。バンダバーグ?」

「永住ライフさん、あれは日本人じゃありませんよ。あれは・・中国のお坊さん。」

僕らがすぐ近くまで行ってもヒッチハイカーは顔を上げなかった、近づいて見ると坊主頭で体は極端に痩せていてアッキィーが言うようにお坊さんのように見えた。急激に日焼けをしたのか顔と肌は赤黒く日焼けをしているように見えた。

「こんにちは。日本の方ですか?」

英語で話し掛けるか日本語で話し掛けるか、少し迷ったけれどヒッチハイカーが履いているスニーカーを見て彼が日本人だと確信をした。それは日本で流行っているスニーカーのタイプで他の国の人が履いているのを見たことがないからだ。僕が声をかけると驚いたような少しおびえたような顔をしてヒッチハイカーは初めて僕らの方に顔を上げた。

「ああ、すいません。日本人ですね。バンダバーグまで行きませんか?よかったら一緒に乗せていってもらえませんか。」

「僕の名前は永住ライフ、そして横にいるのがアッキィー。僕らはヌーサに向っているんだけれどバンダバーグっていったいどこにあるの?」

「ああ、すいません。名乗るのが遅れてしまいました、僕ったら。すいません、僕の名前はテツヤです。日本の埼玉から来ました。いろいろトラブルがあってこんなことに。いや、バンダバーグはヌーサからもう少し上がったところにあります。」

「テツヤくん、よろしくね。僕はアッキィー、僕らも用事があるからバンダバーグまでは行けないけれどヌーサまででよかったら一緒にいけるよ。ねぇ、永住ライフさん。」

バンダバーグまで行く時間が無いことをアッキィーが僕の代わりに伝えてくれたうえで、ヌーサまで一緒に行こうとテツヤくんを誘ってくれた。テツヤくんの様子を見ると何も聞かなくてもトラブルに巻き込まれてしまったことは明らかだった。そう、アッキィーが最初に言ったように街から外れた周りに何もないこんなハイウェイ沿いでヒッチハイクなんかしている人は普通はいないんだ。

「うん、それならヌーサまで一緒に行こうよ。ヌーサは大きい街みたいだからそこからバンダバーグに行く手段も探せるかもしれないし。とりあえず車に乗り込もう。」

テツヤくんの目に一瞬だけ光りが戻ったように見えたが、またすぐに悲しみの曇った膜に包まれた。テツヤくんの荷物を車に乗せようと運び始めるとバックパックの後ろから不思議なものが出てきた。

オートバイのヘルメット?

それはオフロードバイクに乗る人がかぶるタイプのヘルメットだった。真っ白なベースに右の顎には太陽を表す日本の国旗が、逆のサイドには南十字星を表すオーストラリアの国旗が書かれていた。そして一番目立つ頭の部分には日本語でオーストラリア一周という文字と何人かが寄せ書きでテツヤくんにエールを贈るメッセージが書かれていた。

僕がヘルメットに手を伸ばそうとすると、後ろからテツヤくんがすごい勢いでそれを取り上げ両手で抱えこんだ。ぼくはなんだか見てはいけないものを見てしまったような気分になって、とっさにテツヤくんに謝った。テツヤくんも、すぐに我にかえったようで謝る僕に対してさらに何度も何度も謝った。そして、さらに悲しい目をして僕らの車にそのヘルメットを抱え込むようにして乗り込んだ。

少しの間、車の中にきまずい雰囲気が流れたけれど。後部座席から鼻をすすりあげるテツヤくんの泣き声が聞こえてくるまでにそう時間はかからなかった。

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幸せなオーストラリア永住権への道 231 リサの手のひらの中に

2010-05-08 00:29:14 | Weblog
アレキサンドラヘッドの空と海が沈む太陽にピンク色に染められて、空に何番目かの星を数えることができるようになるまで、僕らはジャックさんとローカルサーファー達、そしてリサと一緒にサーフィンを楽しんだ。

最初はそっけなく内心では怒っているのかと思っていたリサも、クラッシュをしそうになったことを謝り海の中から助けてくれたことに感謝の気持ちを伝えると気にしなくていいと笑ってくれた。リサは人に愛想はふりむかないだけで気持ちはやさしくてさっぱりした性格なのだということが分かった。

リサがジャックさんの娘だということに驚いたが、後でローカルサーファー達に聞いた話ではリサのお母さん、つまりジャックさんの奥さんはまだリサが赤ちゃんの頃に街を出て行ってしまったきり戻ってこない。その後、ジャックさんとアレキサンドラヘッドのローカルサーファー達みんなでリサのことを育てたそうだ。だからリサはアレックスローカルのみんなの娘なんだと聞いた。

リサがスタイリッシュにラインを描きながらもサーフボードの前後にステップをしながら美しいサーフィンをするので僕もロングボードに挑戦をしてみたくなった。リサにボードを借りて乗ってみると驚くほどテイクオフが早くいつものタイミングと違っていて驚いた。それでもなんとかボードを動かすこともでき、見よう見まねでボードのノーズまで歩いていって足をボードの先にひっかけることもできたので自分にはロングボードのセンスがあるのではないかと少し気分が良くなった。

けれどもリサに言わせると僕の乗り方はショートボードの乗り方を無理やりロングボードでしているだけで、力でねじ伏せて失速しながら走る壊れたブルドーザーみたいだと笑われた。どうやらロングボードにはスタイルが大切らしく僕の乗り方にはいわゆるスタイルがないらしい。それでもロングボードの乗りごこちは広い空の上を雲に乗って走っているような気持ちよさがありショートボードとはまた違った楽しさがあることを知った。

海からあがりビーチにあるシャワーで髪と体の潮を洗い流すと、その場にいたサーファー達全員にジャックさんが昼間と同じようにクレアのことを聞いてくれたが誰もクレアについての情報を持っている人はいなかった。僕ががっかりしているとジャックさんが飲みに行こうと誘ってくれて、その場にいたサーファー達も含めてみんなで昼間のTABに飲みに行くことになった。

TABではジャックさんをはじめローカルサーファーのみんなが、かわるがわる僕らにビールをおごってくれて飲み始めて1時間足らずですっかり酔っ払ってしまった。少しぼんやりとしてきた頭と酔いを覚まそうとカウンターを離れて、昼間みんなで食事をした中庭のイスに座り空を眺めていた。頭の上には白い月が眩しいくらいに輝いていて、いつだかクレアと一緒にこんな月を見上げたことがあったなと考えていた。

「永住ライフ、あんたもうよっぱらったの?」

ふりかえるとリサが自分の分のビールと僕の分のビアグラスを持って立っていた。リサの黒くて短い髪とやせた体が月の明かりに照らされてどこか遠い世界からやってきた妖精のように見えた。

「うん、少し酔ったかもしれない。リサが月の妖精みたいに見えるよ。」

「アッハハ、なにうまいことを言っているのよ。あんた、なんとかって女の子を探しにきたんだろ。この街にいなくて残念だったね。ジャックが言ってたよ、この大陸のどこにいるのかも分からない女の子を捜しているんだって。あんた本当にその娘に会えると思っているの?」

「そうどこにいるのか、まったく分からないんだ。でもクレアからの手紙を読んだ時にきっと会えるってそう思ったんだ。細い糸の片方をクレアが僕を呼ぶために引っ張ったような気がしたんだ。」

「手紙?手紙があるんだ。よかったらちょっと見せてくれない。」

僕は財布の中に大切に折りたたんでしまってあるクレアからの手紙を取り出してリサに手渡した。うすい黄色い封筒に入ったクレアからの手紙をリサは手のひらの上で2、3回くるくると回転させてから便箋を取り出して手紙を読んだ。

「あんたの大切な人はずいぶん自分勝手なんだね。帰りたいなら帰ってくればいいし、会いたいなら会いにくればいいじゃないか。それさえも結局できずに手紙なんかを書いたりして。」

僕はリサの分かったような言葉に一瞬腹が立った。でも、すぐにリサのお母さんがこの街を出ていったきり帰ってこないという話を思い出して、口先まで出掛った感情をそっと他に押し流した。リサにも何か想いがあるのかもしれない。

「でも、分かったよ。あんたの大切な人は最近までヌーサにいたと思うよ。」

「ヌーサ!クレアがヌーサにいた?なんで、そんなことが分かるの?」

「あんた手紙の中身しか見てないだろ。男ってのはやっぱりこれだからな。女は誰かに手紙を出す時には便箋や封筒にも気をつかうもんだけどな。」

「便箋や封筒?」

「よく見てごらんよ。便箋も封筒も自然紙でできているだろ。そしてオイルライフってロゴが印刷されている。オイルライフはヌーサにあるオーガニック系の自然素材のものばかりを扱っているショップだよ。たぶん、そこのオリジナルの商品なんだろうな。それに切手を見てみなよ。」

リサから受け取った封筒には確かにオイルライフというロゴが印刷をされていた。そして切手をよく見てみると森の中に川が流れている風景の下に小さく小さくヌーサリバーと書かれていた。僕はリサが言うように手紙の中身しか見ていなかった。ヌーサだ。ヌーサにクレアはいるんだ。僕はイスから飛び上がってリサに思い切りハグをした。

「ありがとう。ありがとうリサ。すごいよ、リサは探偵みたいだ。すぐにヌーサに行くよ。」

僕はアッキィーを探してTABのカウンターへ小走りに走っていった。クレアがヌーサにいるかもしれないと分かったら、いてもたってもいられなくなって今すぐにでもヌーサに向けて出発をしたくなった。少し酔った体と興奮した気持ちを抑えることができずにカウンターの中央でジャックさんと話しているアッキィーの背中を叩いて知らせた。

「アッキィー、クレアがヌーサにいるんだ。今すぐ出発しよう。」

「えっ、クレアがヌーサに?いきなり、どうしたんですか。」

「リサがクレアの手紙を見て教えてくれたんだ。クレアの手紙の便箋や封筒はヌーサのお店のものなんだって。それに切手にもヌーサリバーって書いてあったんだよ。」

「切手って、何で今まで気がつかなかったんですか?単純すぎますよぉ。」

「アッキィーだって気がつかなかったじゃないか。」

「そんなの僕に来た手紙じゃないしいちいち見ていませんよ。」

「とにかく今すぐヌーサに出発しよう。」

「ちょっと待て、永住ライフ。アッキィーもお前もかなり酔っているじゃないか。気持ちは分かるが今晩は俺の家に泊まって明日の朝に出発をしろ。今、出発したらヌーサに着く前にあの世にいっちまうぞ。」

仕方無しに今晩はジャックさんの家に泊まることにした。タイミングが良いことに明後日から始まるロングボードの大会に参加するためにリサも明日、ヌーサへ出発する予定になっていたらしい。もしかしたら明日クレアに会えるかもしれない。そう思うと僕の気持ちはあせって落ち着かなかった。

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幸せなオーストラリア永住権への道 230 海面に続くリーシュコード

2010-04-22 01:15:02 | Weblog
海中の岩に頭や顔を打ち付けられることが無いように、僕は両手で頭と顔を守った。海の中に引きずり込まれる前に何かに当たった衝撃を感じたので、目の前に現れた女の子が怪我をしていないかが心配だった。それでも全身は横向きに回転させられるだけでなく縦にも激しく廻されて、どこが海面でどこが海底なのか方向感覚はとっくに無くなっていた。

大きな波に飲まれた時は海水のパワーに無理して抵抗せずに、波の力が弱くなり海がゆっくりと自分の体を元の世界に帰してくれるまで辛抱して待つほうがいいことは、今までの経験から分かっていた。

でも今日はその時間があまりにも長すぎた。そろそろ自然の浮力で体が水面に近づいているかと目を開けても、目にぼんやりと映る世界はまだ薄暗く明るい水面へと続く光は見えなかった。体の中の酸素が少しずつ少なくなり体の内側で何かが爆発しそうなほど苦しくなってきた。こうなると他の誰かを心配している余裕は一切無くなり、体中の毛穴が開き何故かおしっこが漏れそうになった。

あれ、こんなはずじゃなかった。ここはいったいどこなんだろう。そう感じた瞬間に何かが僕の足を引っ張った。それはたった1回だったけれど力強く、海の力とは別に力が働いたことを感じさせてくれた。あっちが、水面だ。僕は失っていた方向を取り戻し腕と足でいっぱいに水をかいた。暗い海中の闇の中に明るい世界が見えた。

僕は水中に飛び上がるコイのようにプハッと口を開けながら水面から顔を出した。体が失われた酸素を取り戻そうと一気に酸素を吸い込もうとするが小刻みに息が震えてしまい上手に息が吸えなかった。それでも体に酸素がいきわたり僕はやっと正気を取り戻した。

「死ぬかと思ったぁ。」

「私も死ぬかと思ったわよっ。」

振り返るとさっきワイプアウトをする直前に目の前に現れた女の子が、サーフボードの上に半身を乗せてこちらを睨んでいた。彼女も同じ波に飲まれていたらしく息は荒いし、真っ赤な顔をしていた。

「ああ、ごめんね。怪我はしていない?」

「私も危ないと思ってとっさに海の中に潜ったから怪我はしていないと思うけれど。あのまま海にひきずりこまれて死ぬ思いよ。」

それだけ言うと彼女は続けて入ってきた厚く真っ白なスープの波に乗り、ボードの上に腹ばいになったままビーチに上がっていってしまった。僕も次のスープに押されるようにして海からあがった。海の中にいる時は気がつかなかったけれど、ビーチにあがりもう一度謝ろうとして近づいて彼女を見ると昼間行ったTABでウィトレスをしていた黒髪の女の子だった。

彼女は自分のサーフボードを裏返してクラッシュして傷がついた場所はないかと確認をしていた。それは大切な者を気づかうように見えて、海の落ちる瞬間に僕の体もサーフボードも何かにあたった感触があったので彼女の大切なボードや体に傷をつけていなければいいと思った。

「あぶないことをしてごめんね。体もサーフボードも傷ついていないかな。」

彼女はきっと怒り出すだろう。僕はそう思ったけれど、彼女はまったく怒りはしなかった。ただ彼女の対応がまるで大人だったので怪我をさせてしまわなくて良かったと感じながらも、調子に乗って人やサーフボードを傷つけてしまいそうな行動をした自分がひどく子供っぽく感じられた。

「あんたジャックの知りあいなんだろ。この辺じゃ見たことないけれどアレックスの波は見た目ほどイージーじゃないから気をつけたほうがいいよ。」

彼女はそれだけ言うとサーフボードがクラッシュしていないことを確認し終えて、また海の中へとパドルアウトしていった。僕はしばらくの間、ビーチに座ったままでいたけれど、海の中で上も下も分からなくなっていた時に僕の足から海面に向って伸びていたのはリーシュコードしかなく、それが引っ張られたということは彼女が僕のリーシュコードを引っ張って助けてくれたんだということにやっと気がついた。

僕はサーフボードを海面に浮かべ、彼女の姿を探して沖へ沖へとパドルをしていった。何枚もの大きな壁をくぐり抜けアウトまで出てきた時に、沖から両手を鳥のように広げサーフボードの先端まで歩きながら波に乗ってくる一人のサーファーの姿が見えた。その姿はなんだか優雅で美しく、波を切り刻むように走る僕らのサーフィンとはまるで違っていた。

僕は思わず見とれてしまいその場所から動けなかった。まるで空を飛んでいるかのように僕のはるか前方でライトに走っていったのはさっきの黒髪の女の子だった。僕はボードの上で後ろをふりかえり、彼女の姿が大きな波の表側に隠れて見えなくなってもまだその波の影に隠れた彼女の姿を見つめていた。

あれがロングボードのライディングかぁ。体の割には大きなボードを使っていると思ったけれどいわゆるロングボードのサイズに比べて全然短いボードだったから、あんな乗り方ができるとは思わなかった。アッキィーやジャックさんローカルサーファー達が波を待っている場所まで行くと、僕がワイプアウトをしたことを知っていて大丈夫だったかと声をかけてくれた。

「今の女の子のサーファーが助けてくれたんだ。僕のせいで一緒に波に飲まれたのに。」

「ああリサはそんなことには慣れっこだから心配しなくてもいい。お互いに怪我をしなくてよかったじゃないか。」

「リサ、あの子はリサっていうんだ。やっぱり、ジャックさん達の仲間なんだね。ちゃんとお礼をいわないと。」

「おいおい、まさかクレアって娘からリサに乗り換えようっていうんじゃないだろうな。ピンチを助けてもらって惚れちまったか。」

「ありがちな話だな。アッハッハ。」

ボードの上に座ったローカルサーファー達が僕のことをからかって笑った。その間、ジャックさんだけはなんだかむず痒そうな顔をしていた。その後にジャックさんが言った言葉に僕は驚いた。

「永住ライフ、あの子は俺の娘なんだ。」


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