ドラマのなかのニューヨークで英会話ーO・ヘンリーのニューヨークから100年後の世界

ニューヨークが舞台となった海外ドラマ「ホワイトカラー」(White Collar)の台詞の意味を調べながら英語を学びます

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It's probably for the best.(ホワイトカラーS1_EP5「父の遺志」)その13

2017-06-09 | ホワイトカラー_S1_EP5
『ホワイトカラー』(White Collar)シーズン1エピソード5「父の遺志」から、FBIのオフィスに出勤してきたピーターとニールたちが、美術館の館長から事情をきくシーンを取り上げます。(英文に付した和訳は試訳拙訳です。英語スクリプトは英語学習のために、ドラマから引用しております)

ニールが言う "the Art Loss Registry" は "Art Loss Register (ALR)" のことで、実在する企業です。エピソード11の「ライバル出現」で描かれる「フランクリンボトル」をめぐる事件もそうですが、実際に起きたことや、存在するものが、物語のなかに持ち込まれているところが、ホワイトカラーのおもしろさの1つだと思います。


ピーター:How come the Channing didn't report it missing?(どうしてチャニングでは紛失したことを届け出なかったんですか?)
館長:We did report it when it was stolen in 1967.(1967年に盗まれたときにはちゃんと届けました)
ニール:I have a question. The painting was stolen in '67, but it's not listed on the Art Loss Registry.(質問があります。67年に絵画が盗まれたというのに、美術品盗難記録には載っていませんね)
館長:The Registry was established in 1990.(その記録台帳が立ち上げられたのは1990年です)
ニール:91, actually. You could have refiled the claim.(91年です、正確には。あなたがたは所有権の請求を再度申請できたはずです)
館長:I'm sorry, you are who?(失礼ですが、あなたはどなたですか?)
ピーター:Neal Caffrey. He's one of our art consultants.(ニール・キャフリー。我々の美術関連のコンサルタントの1人です)
館長;Caffrey. Not familiar with that name.(キャフリー。聞き覚えがない名前です)
ピーター:It's probably for the best. (そうは思えないでしょうが、一番の適任者です)
館長:You're an expert on Haustenberg?(ハウストンバーグがご専門なんですか?)
ニール:All the late European postimpressionists.(後期ポスト印象派全般です)
館長:I authenticated Young Girl with Locket myself when it first entered our collection. I'll agree it's an excellent work. A bit sentimental for my taste but the Matisse influence is apparent.(最初に私どもの所蔵品に首飾りの少女を加える際に、私が自ら真贋鑑定をおこなったんです。素晴らしい作品であることは認めます。私の好みからすると少しばかり感傷的すぎますが、マティスの影響が顕著です)
ニール:Considering Matisse was a fauvist, I wouldn't agree at all. Unless you're talking about his early work, which I don't think you are. If you are, you're just wrong.(マティスが野獣派であったことを考慮すれば、まったく同意できませんね。マティスのほんの初期作品に言及されているなら話は別ですが、そうではないでしょう。仮にそうだったとしても、まったくの誤りですよ)
ピーター:We have reason to believe this was taken in a residential robbery.(一般家庭の強盗事件で持ち去られたものだと信じるにたる根拠があります)
館長:What happened to the painting when it was taken from my museum is not my concern. Now, if someone elected to buy stolen property I believe that is a crime.(私の美術館から持ち出されたときにどんな経緯があったかに関心はありません。今現在、何者かが盗難品を購入しようというなら、それは犯罪だと思いますがね)

[語彙・文法解説]


“How come the Channing didn't report it missing?”

“How come...?” は「なぜ、どうして〜なのか?」という理由を尋ねる構文です。 “why” との最も大きなちがいは、疑問文の倒置が発生しないことです。今回のフレーズも “Why didn’t the Channing report it missing?” (なぜチャニングは紛失届けをださなかったんですか?)と書き換えることができます。ただし、理由を聞く一般的な疑問詞 “why” に対して、 “How come ..?” は、「いきさつ・経過を意識する言い方で、驚きを暗示する場合には好まれる」と『ウィズダム英和辞典』では解説されています。
“report it missing” はやや慣用的な言い方です。 “missing” は「なくなった、行方不明な」という形容詞で、 “a missing article” (遺失物)や “a missing child” (行方不明の子供” というふうに使われます。
このフレーズでは、 “report” の「〜だと知らせる、通報する、届ける、伝える」という動詞の用法にしたがって、 “He report a ship (to be) missing.” (彼は船が行方不明であると報じる) のように、 “report the painting missing” (その絵画が紛失していると報告する)となっています。もちろん、 “I filed a missing person’s report for my son.” (私は息子の捜索願いを出した)と “file” を使うこともできます。 “missing persons report” は「失踪届け」です。

“but it's not listed on the Art Loss Registry.”

現実に存在するのは “Art Loss Register” です。1991年にロンドンで設立されました。 “Art Loss Register (ALR) is an evolving, computerized international database which captures information about lost and stolen art, antiques and collectables. It is operated by a commercial company based in London. The range of functions served by ALR has grown as the number of its listed items increased. The database has become potentially useful for collectors, the art trade, insurers and worldwide law enforcement agencies.”(アート・ロス・レジスター(略称:ALR)は発展型の国際的デジタルデータベースであり、遺失盗難状態にある芸術作品、アンティークやコレクションアイテムなどに関する情報を集めています。運営はロンドンに拠点をおく営利企業がおこなっています。ALRが役割を担う領域は、データべースに集積されたリストの品目が追加更新されるたびに拡大していきます。またこのデータベースは、美術品収集家や美術商、保険業者、国際警察組織などに対して潜在的有用性が認められます)このように、ALRは行方不明になっている美術品のリストを作る会社です。そのデータベースを参照すると、その美術品が盗難被害にあったものかどうかが判別できるわけです。

“91, actually.”
“actually” はこのように「(相手の意見を否定・訂正して)正確には、それどころか、実際には、本当のところは」といった意味でも使われます。このニールの台詞みたいに、ちょっと攻撃的なニュアンスを帯びることもあります。

“It's probably for the best.”
“be (all) for the best” はOALDでは “used to say that although something appears bad or unpleasant now, it will be good in the end. ‘I don’t want you to leave, but perhaps it’s for the best.”(あることが今の時点では、悪そうにみえる、または不快に感じるとしても、最終的にはそれが上手くいくことを表すために使用される。[例文]「君に出て行ってほしくないが、こうすることで、たぶんうまくおさまるんだよ」)と定義されています。和英辞典では、「最終的にはよくなる」という意味で掲載されることが多いですが、そこで省略されている「現時点では悪い選択に思える」という部分が意外と重要です。ここでも、ニールは態度が悪いですが、事件解決には役に立つというニュアンスが含まれています。

“You're an expert on Haustenberg?”

“an expert on [in, at, with]” は「~の専門家、名人、達人」といった意味です。日本語の「エキスパート」に引きずられるとやや使いづらい印象を受けますが、日常会話では、「~がとてもうまい、詳しい」くらいのニュアンスでも使われます。 “He is an expert on food and drink.”(彼はたべものや飲みものにとても詳しいんだ)といった感じで、いわゆる「通」の意味でも使われます。ただし、ここでは、本当の意味での専門家です。 “All the late European postimpressionists.”(西欧芸術における後期ポスト印象派)は、マネ、ゴッホ、ルドン、セザンヌ、マティス、ドラン、ブラマンクなどが挙げられます。この名前の由来は、1910年にイギリスのロンドンで開催された “Manet and the Post-Impressionists”(マネとポスト印象派たち)という展覧会です。ここで紹介された芸術家たちが、ポスト印象派と呼ばれるようになります。ニールは “late” (後期)と言っているので、マティスなどが主たる分野にあたるのかもしれません。

“Considering Matisse was a fauvist, I wouldn't agree at all.”
“considering” は接続詞的に使われていて、「~ということを考慮すると、考えてみると」という意味です。 “would not …at all” は「まったく~したくない」というニュアンスです。 “at all” は否定文で「全然、まったく~ない」という意味になります。


“Unless you're talking about his early work, which I don' think you are. If you are, you're just wrong.”

“unless” は、「~でないと、~でなければ」という条件をあらわす接続詞です。似た表現として、 “if …not…”(もし~でなければ)という仮定法の否定文があります。 “unless” と言い換え可能な場合が多いですが、『ジーニアス』の解説で「unlessが「(原則として…だが、)例外的に…の場合は別」という意味を表すことからif…notとの間で異なった含意が生じることもある。:I’ll go unless it rains.雨が降らなければ出かけます《「雨が降れば出かけませんを含意》/I’ll go if it doesn’t rain.もし雨が降らなければ出かけるでしょう《「もし雨が降っても、出かけるかもしれません(I might go even if it does rain.)を含意》」と書かれているとおり、 “if … not” は、そうなったとしても、主節の内容を実行する可能性があるときにも使えます。また “I’ll be surprised if he does not comes” (彼が来なければ、驚くよ)というふうに、「主節に感情を表す言葉がある場合に “unless” は使えません」
長々と説明しましたが、ここでのニールの台詞は、前文に対して付言するときの “unless” であり、「もっとも~でなければの話だが」という意味です。この用法では “if not” と交換不可です。ニールは、館長の「マティスの影響がみられる」という意見に賛成しないと述べていますが、それに言葉を足して「あなたがマティスの初期の作品について話しているなら、話は別ですが」と言っているのです。 歴史的な事実として、若いころのマティスの作風は写実的で、その後印象派の影響を受けています。
次の文の省略を補うと、 “If you are talking about his early work, you are just wrong” となります。「マティスの初期作品の話をしていたのだとしても、(ハウストンバークがマティスの影響を受けているというのは)まったくの間違えだ」とニールは言っています。おそらく、2人の画家の類似性は認めるが、学術的にはまったく認められないといったニュアンスだと思われます。

“Now, if someone elected to buy stolen property I believe that is a crime.”
“elect to do” はOALDでは、 “to choose to do something” (なにかすることを選ぶこと)と定義されています。ここでは「盗まれた資産を買うという選択をするとしたら」というのが直訳になります。美術品だけではなく、盗難品の売買は禁止されています。もし盗難品だと知らずに販売や展示されていた場合にも、その事実が指摘された時点で、警察などを介して持ち主に返還されます。そのため、「盗難品と知りつつ売買することは、犯罪だと思う」と館長は言っています。
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