あのマイケル・ムーア監督
7年ぶり(そんなになるか!)の新作です。
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「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」73点★★★★
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ドキュメンタリーを“おもしろく”した
21世紀の功労者、マイケル・ムーア監督の新作は
「世界各国に行って、その国のいいところを略奪しちゃえ!」
というドキュメンタリー。
イタリアの有給休暇の多さに「はあ?」と絶句し、
フランスの学校給食のおいしさに「なんで?」と驚き、
ノルウェーの刑務所の開放感に「うそだろ?」とあんぐりする。
疑り深い彼のリアクションと、
“笑いのツボ”は健在。
しかし、今回の彼はいままでと違う。
マイケル・ムーアはもう怒っていない。
マイケル・ムーアは希望を持っているのだ。
ヤケクソじゃなく、おそらく本気で。
いままでになく
「楽観的」なのは、なぜか?
終盤、ベルリンの壁跡を前に彼は
「物事が意外にも急激に良い方向へシフトし、
変化する現実もある」と打ち明ける。
これまで怒って、憤って
先頭に立ってアメリカの「おかしい!」を指摘してきた彼が
テロや対立、不穏が世界中に溢れるいま
時代と逆のスタンスを取っていることが
興味深い。
彼はいままでと同じく、
世間の数歩先を行ってくれるのだろうか――??
そんな希望を、少し感じました。
それにしても
日本の「いいところ」を侵略に来てくれなかったのは残念。
まあ、実際いまの日本は
全然魅力的じゃないんだろうな。
★5/27(金)からTOHOシネマズみゆき座、角川シネマ新宿ほか全国で公開。
「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」公式サイト