ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

台北ストーリー

2017-05-05 20:17:37 | た行

「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」も超満員だったし
エドワード・ヤン監督は本当に人気があるなあ。


「台北ストーリー」69点★★★★


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1980年代の台北。

不動産会社で働くアジン(ツァイ・チン)は
バリキャリ女子。

幼なじみのアリョン(ホウ・シャオシェン)と
なんとなく付き合いが続いている。

だが、アジンの会社が買収され
彼女は解雇されてしまう。

アメリカに移住し、新たな生活をしたいアジンだが
アリョンはいまひとつ踏ん切りが付かない・・・。


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2007年に59歳で亡くなった
エドワード・ヤン監督。

「冬冬の夏休み」などで知られるホウ・シャオシェン監督らと
1980年代の「台湾ニューシネマ」を牽引し、

生涯に7本の長編しか遺さなかったけれど、
いまも世界の映画人に
多大な影響を与え続けている人なんですね。

で、本作は1985年の作品。
盟友であるホウ・シャオシェンが主演、脚本、プロデュースを務めています。


深夜にバイクで走り出す若者たち、
薄暗く雑多な路地裏と近代的なビルの対比

バリキャリ思考の女子や
富士フィルムのネオンサイン――などなど

80年代台北の風景は、
どこか80年代ニッポンに通じるようで
妙に懐かしく、不思議な感じ。

若きホウ監督は村上春樹氏みたいだし(笑)。

東洋と西洋、過去と未来がごちゃ混ぜになったような
いびつな、異質な、その時代の「空気」が、たしかにここに定着している。


ワシ、昔から台湾ニューシネマは
長回しが多かったりで、ちょっとウトっとしてしまうのが申し訳ないんですが(苦笑)
この監督はやっぱり、唯一無二な人だなあと思います。


『AERA』のインタビューで
ホウ・シャオシェン監督にお目にかかることができ
ヤン監督のことを伺ったのですが

当時は、本当にニューシネマの熱い時代で
仲間たちと切磋琢磨しあった、いい時代だったそうです。

お互いの映画に出ることも自然なことだったとか。
ヤン監督に演技について、ダメ出しされたか――?の質問をぶつけてみましたが
答えは
AERAをご覧下さいませ~
(たぶん、今週か来週号に載ってるかと・・・すんません、GWもあり、掲載が全然把握できてません~


★5/6(土)からユーロスペースほか全国順次公開。

「台北ストーリー」公式サイト
コメント
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