英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

相棒 season15 第14話「声なき者~突入」 (前後編スペシャル)

2017-02-09 21:37:46 | ドラマ・映画
 まず、【前編で感じた疑問点(謎)の検証】
・暴行の被害者・真渕は、なぜ、少女を誘拐(声掛け)をしようとしたのか?
   ⇒“CARS”に依頼され、DVから逃げていた子供を父親の下へ返そうとした(実質は誘拐)
・立てこもり犯と母親は、何から逃げようとしているのか?
   ⇒DV夫から逃げていた
・クラウドソーシングサイト“CARS”の正体は?(真渕を雇った組織)
   ⇒社長は元暴力団で、あくどい行為を行っている
・立てこもり犯が要求した吉井聡美は、どういう女性なのか?
   ⇒立て籠もり犯・新堂司一家と親交があり、聡美も夫からDVを受けており、息子を強引に連れ戻され、疲れて自ら命を絶った(ホームに転落死)
・神部は誰の命令で何の捜査で動いていて、吉井聡美とどういう関連があるのか?
   ⇒職務ではなく、大河内も神部も個人的依頼で聡美の相談に乗ろうとしていた
・警察上層部のふたりは、事件とどういう関連があるのか?
   ⇒ひとりは法務省矯正局のホープ・新堂誠で“DV野郎”、もう一人は警察庁長官官房総務課長の山崎で、ふたりとも女性蔑視の思想を持つ団体の会員。新堂誠は今回の元凶。
・冠城が隠匿した封書は何だったのか?なぜ、隠匿したのか?
   ⇒冠城が、なぜ隠匿したのかは不明。特命係が捜査することが多く、時間的にも切迫していたので、冠城が勝手に捜査してくれた方が脚本的に都合が良い。
・高級腕時計も気になる
   ⇒関係はなかった(単に、一般的にいう“人生の勝ち組”を描写したかったのだろう)
・ニュースで報じられていた国際的犯罪組織“バーズ”は関係するのか?
   ⇒劇場版で暗躍するテロ組織らしい


 前編に散りばめられた情報(謎)が、後編で無難に集約されていた。
 “無難”という表現を使ったのは、≪もっと面白く出来た気がする≫から。

 前編でも感じたのだが、情報・謎が多く、さらに、籠城事件なので時間に猶予がないこともあり、特命の2人が捜査・推理するのがスピーディ過ぎて、じっくり考える余裕がなかった。一番の被害者は米沢さんかも。
 前編から1週間の間が空き、事件を整理することができていたので理解はできる。しかも、事件の根本は複雑ではないので、≪DV夫から逃げている≫という状況さえ把握できれば、展開や真相も見えてくるので、展開の速さと相まって推理する楽しみやドキドキ感は少なかった
 これが、2時間SPなら、もう少し時間配分(展開バランス)を工夫できたように思える。

 さらに、劇場版への導入や宣伝も兼ねているので、通常より脚本に制限が多かった。
 ニュースでテロ組織“バーズ”や“レイブン”の言葉が流れるのはご愛嬌だとしても、警察庁長官官房総務課長の山崎の事件の展開を見極め新堂誠を切り捨て、事件解決を自分の手柄にしてしまう狡猾さや、特命係を歯牙にもかけない傲慢さを表現しなければならなかった。(そのため、籠城事件捜査はさらに足早)
 “してやられた感”を充満させ、「スッキリしたいのなら劇場へどうぞ」というメッセージがくっきり見える。上手いなあと思う反面、面白くない。


 私は「DV夫から逃げていた」という主因に考えが及ばなかったが、巷では推定していた人が多かったようだ。
“妻や子供に暴力をふるう”など、全く理解不能。息子の生命より、自分の保身……許せない最低男だ!死刑にすべきだ。

 吉井聡美親子の件で立件しようとしたが、山崎に「パニック発作を起こすような子どもの証言では、公判が維持できない」と証言が不採用になった云々だが、証言が採用されても真渕や“CARS”の水野社長の逮捕までだろう。新堂と山崎が、吉井聡美の件に直接関与しているとは思えない。

 「人にモノを問う前に、キミも警察官として、まともに事件を解決しては如何です。失敬」
と、右京を相手にしなかった山崎の言葉だが、この言葉の意味がよく分からない。
 右京が違法捜査することを批判しているのか、山崎にとってみれば右京の功績など取るに足らないものだと言いたかったのか?もう少し、分かりやすい辛辣な言葉にして欲しかった。

 ラストで現在に戻って、冠城が今回の事件の半年後の事件(劇場版4)を回想する言葉が出る。でも、現時点から言うと“半年前”になり、やや興醒め。
 大盛り上がりの劇場版『相棒4』の予告映像が流されて、
「標的は50万人の命……『直ちに現場の捜査員全員に伝えてください!』『撃ってはいけませんっ!』という右京の叫びも、普通に進行している『相棒15』を観ているので、≪大丈夫だったんだよなあ≫と思ってしまう。(相当なひねくれ者である)
 甲斐峯秋あたりが、『相棒15』で一度も登場していなかったら、緊迫度が上がるのになあ。

 前後編や劇場版への導入など難しさもある中で、面白い出来だったと思う。

【ストーリー】番組サイトより
不可解な立てこもり事件の背景に権力者たちの陰が…!?
亘と尊、2人の相棒が右京と共に難事件に挑む!!!


 今から一年前に右京(水谷豊)と亘(反町隆史)が遭遇した謎の立てこもり事件。膠着状態に陥る中、右京は尊(及川光博)から犯人の要求している女性・吉井聡美(及川莉乃)に関する情報を入手する。尊によると、すでに亡くなっている彼女の死因は自殺の可能性が高いのだが、なぜかその前の2か月余り幼い息子と姿を消していた時期があるという。
 いっぽう、亘は右京が立てこもり犯と目星をつけている新堂司(田中偉登)という高校生の家族について調べていた。司の父・誠(永野典勝)は法務省矯正局のホープだが、家族に暴力をふるっていた疑いがあり、妻や子供たちと別居中であることが判明。さらに、誠が女性蔑視の思想を持つ団体の会員であることも分かる。その団体には、省庁の重役も多く、警察庁長官官房総務課長の山崎(菅原大吉)も名を連ねていた。
 司は、誠から逃げるためにシェルターに身を寄せていた母と妹を通じて、同じくDVから逃れようとしていた聡美と知り合ったのではないか? しかし、だとしたらなぜ司は真渕(三浦英)に重傷を負わせ、人質を取って立てこもりなどしているのか…!?
 そんな中、右京の依頼で真渕のパソコンを調べていた米沢(六角精児)の報告である疑惑が浮上し、右京は真渕になりすまして立てこもりを続ける司の真の目的を察知。人質を含め全員を無傷で確保しようと動き出す。しかし、立てこもり犯が真渕でないことが公となり、司が危機的な状況に陥ってしまう。そんな中、なぜか事件を隠蔽しようと暗躍する山崎により、特殊部隊の強行突入が刻一刻と迫っていた。

立てこもり事件を起こした高校生の本当の目的とは!?
右京と亘は真実を解明し、巨悪の陰謀を阻止できるのか?
衝撃のラストが、「劇場版IV」に関連する因縁をもたらす!


ゲスト:及川光博 菅原大吉 六角精児

脚本:太田愛
監督:橋本一

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