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中国が105ミリ砲装備の新型水陸両用戦車“異例”開発

2016年10月17日 09時08分24秒 | 中国

05式水陸両用戦車(ZTD/ZLT05)





05式水陸両用歩兵戦闘車(ZBD05)



自衛隊が東富士演習場(静岡県)で毎年夏に行う実弾射撃訓練「富士総合火力演習(総火演)」ではここ数年、「離島奪還」がテーマになっている。島嶼(しょ)防衛を担う水陸機動団の編成準備が進むなど、「離島防衛・奪還」は近年、注目度が高まっている。だが、現実に自衛隊が直面する可能性の高い仮想敵、特に中国の島嶼侵攻能力については紹介される機会は多くない。今回は、その主力を担う新型の水陸両用戦車の能力を探る。

 ■部隊の更新は完了

 中国軍の着上陸侵攻能力の大枠については、昨年12月上旬の当欄で触れたので、繰り返さない。ただ、台湾陸軍の学術誌「歩兵季刊」の昨年末の論文は、陸軍の水陸両用機械化師団は4個が編成されているとしており、以前紹介した3個師団態勢よりも多いことになる。

 また、論文は、この4個師団と海軍陸戦隊2個旅団(3個旅団とする論文もある)のいずれも、旧式の装備から新型の05式水陸両用戦車(ZTD/ZLT05)と05式水陸両用歩兵戦闘車(ZBD05)への更新を完了したとしている。別の論文は両用師団3個、陸戦隊3個旅団としても総兵力は約6万人、両用戦車は計830両としている。

 中国の上陸部隊が105ミリ砲を備えた水陸両用戦車ZTD05を新たに開発したのは異例に映る。これは米海兵隊などが、防御が比較的手薄な海岸を選んで水陸両用の装甲車などで上陸するのと異なり、部隊建設の本来の目的が、上陸に適した海岸の少ない台湾本島で、防御線を築いた敵前での強行上陸を想定しているからとみられる。

■強力な火力

 戦車ZTD05の性能を分析した「歩兵季刊」の昨年末の論文によると、同戦車は歩兵戦闘車両のZBD05などと同じシリーズで、63A式水陸両用戦車や77式水陸両用装甲車を代替するため、2000年から開発が始まった。05年に制式化され、部隊での本格的な更新は07年から行われた。製造は湖南省の「湖南江麓機械集団」が担い、09年の軍事パレードで対外的に公開された。

 ZTD05は水上走行時はウオータージェット推進で、時速25~40キロ。63式と比べ速度と航続距離が向上したことで、海岸線の7~10キロ沖で揚陸艦から洋上に下ろすことができるようになり、上陸準備中に敵の砲撃にさらされる可能性が低減できるようになった。また、風浪階級4級(高さ1・25~2・5メートル)の「かなり波がある(Moderate)」状態でも走行できるため、上陸作戦が気象条件に左右される度合いも減ったという。

 装備する105ミリ砲は、口径こそ63式と同じものの、低反動砲で安定装置付きのため水上走行時に射撃できる。暗視装置があるため夜間の射撃も可能という。また、使用する新開発の「翼安定式装弾筒付徹甲弾(APFSDS)」と呼ばれる徹甲弾は、距離2キロで500ミリの均質装甲を貫通できるという。

 米海兵隊が使用し、自衛隊の水陸機動団向けに購入中の水陸両用装甲車AAV7について、製造元のBAEシステムズの製品資料は装甲の厚さを紹介していない。だが、追加装甲で上部を最大155ミリ相当まで強化可能としているので当然、この105ミリ砲による砲撃は防げないはずだ。AAV7は水上速度時速13キロで、この点でもZTD05や歩兵戦闘車両型のZBD05に劣る。

 もちろん最大で幅190キロの台湾海峡を想定した中国軍の上陸部隊が、同じ規模で日本の離島に侵攻することは、輸送能力から考えてあり得ない。ただ、台湾の国防報告書は2011年版以降、中国軍の能力について「わが外(離)島を攻略する能力をすでに備えている」と分析している。台湾には離島は少ない。その気になれば兵力を配置できる、その島を攻略する能力は保有していることになる。

 6000以上の離島がある日本の場合、武装民兵や特殊部隊だけでなく、少数であっても、ZTD05のような高い火力を持つ部隊が侵攻してきたり、先に上陸していたりする状況が生じかねないことを、念頭に置く必要はあるだろう。総火演などの「離島奪還」シナリオに、こうした想定が盛り込まれているのかどうかは、定かでない。(台北支局 田中靖人)

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